Daughtersの紹介:2020年日本映画。ファッションイベントの演出家で映像作家の津田肇が監督をつとめる。主役を演じるのは三吉彩花と阿部純子。東京目黒でルームシェアする小春と彩乃。ある日彩乃が妊娠。姉妹のように仲の良かった二人の生活が大きく変わる様子を描いたヒューマンドラマ。
監督:津田肇 出演者:三吉彩花(堤小春)、阿部純子(清川彩乃)、黒谷友香(桜木智子)、大方斐紗子(並木茂代)、鶴見辰吾(並木宏忠)、大塚寧々(永井香)、ほか
映画「Daughters」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Daughters」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「Daughters」解説
この解説記事には映画「Daughters」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
Daughtersのネタバレあらすじ:起
共に27才の堤小春(三吉彩花)と清川彩乃(阿部純子)は、目黒川沿いのマンションに一緒に暮らしています。季節ごとに移り行く目黒川の景観を横目に、日々を過ごしている二人。
小春と彩乃は仕事は別々ですが、プライベートはほとんど一緒に行動するほど仲良しです。気があう理由の一つに、職種が近かったことがあげられると考える小春。二人はよく働き、よく遊び、自由気ままな生活を送っていました。
ルームシェアを始めてもうすぐ4年になる4月のこと、小春と彩乃が同級生3人と食事をします。同級生の一人・コウスケは、仕事の都合で上海に住むことが決まっています。最低2年は上海で暮らすことになるだろうと話すコウスケ。
その後、酒に酔った小春は店で寝てしまいました。コウスケが小春を担いで彩乃と共にタクシーに乗り込みます。マンションに着くと、コウスケは小春を部屋へ運び、彩乃の部屋へと消えて行きました。
5月になりました。彩乃は体調の変化を感じ、妊娠検査薬で調べた結果妊娠が判明。その後婦人科で検査を受けると、7週目だとわかりました。ある休日、ランチに出かけた彩乃が「ちょっと衝撃的な話をする」と切り出します。
小春が冗談で「妊娠でもした?」と尋ねると、「やっぱ気付いてた?」と彩乃。相手は誰かと聞かれた彩乃が「小春の知らない人。相手の人とは結婚する予定はない。でも堕ろすことはしない」と言い切ります。翌日の検診に付いて来てほしいと頼む彩乃。小春はすぐに返事をできません。
家に帰った小春は、「やっぱりさ、産むのは現実的に無理だと思う」と話します。「一人でどうやって子どもを育てるの?」と聞かれ、彩乃が「ちゃんと考え抜いて、産むことにしたの。検診についてきてほしい」と改めて頼みます。小春はしばらく考えた後に、病院へ一緒に行くことを決めました。
Daughtersのネタバレあらすじ:承
翌日、彩乃は小春のことを姉だと嘘をつき、一緒に診察室に入ります。9週目に入っている彩乃のお腹には、人の形をした赤ちゃんがいて、エコー検査ではっきりと見えました。後日、本屋に立ち寄った小春は『新米パパのための妊娠・出産』という本を買ってきます。それを知って、声をあげて泣き出す彩乃。
6月に入るとつわりがあり、食事もまともにとれません。彩乃は医師の永井香(大塚寧々)につわりが辛いことを訴えました。永井は「つわりは身体が妊娠に適応しようとしている症状だから、なるべく体力落とさないように」とアドバイス。小春が「食べてはいけないものとかあるんですか?」と尋ねると、「アルコールはダメ。カフェインは一日一杯くらいにして、生肉や生魚は食べないように。ネットで調べると色々出てくるけど、うちでは細かく指導してないの。とりあえずストレスをためないように。あとマタニティヨガをやってるので、参加してみてください」と永井。
その日の夜、小春と彩乃は中華を食べに行きました。ピータンを注文したのですが、妊婦が食べていいか不安な彩乃がスマホで調べ始めます。それを見た小春は、これまで感じたことのなかった喪失感を感じるのでした。
Daughtersのネタバレあらすじ:転
7月になり、彩乃は祖母の家を訪ねます。彩乃の両親は離婚し、彩乃は母親に引き取られました。そのため祖母と合うのは久しぶりです。10年ぶりにやって来た孫を快く出迎えてくれる祖母。彩乃は、父親の並木宏忠(鶴見辰吾)と祖母に妊娠していることを打ち明け、一人で育てると伝えます。宏忠は反対しますが、祖母は「おめでとう」と言って、産むことを賛成してくれます。
家に帰る彩乃を宏忠が駅まで送ってくれました。「扶養に入ってもいいから、こっちに帰ってこないか?」と宏忠。彩乃は「ありがとう、でも大丈夫。また赤ちゃん見せに来る。今度会う時はおじいちゃんだね」と言い、宏忠と別れました。
8月には安定期に入った彩乃ですが、まだ会社の同僚たちには妊娠していることを話していません。「産んでからはどうするの?」と上司に聞かれ、「保育園に預けるので、このまま仕事を続けたいです」と彩乃。すると「異動の話があるの。同じポディションのままは難しい。だって保育園から迎えの電話があったら行くでしょ?」と、厳しい言葉を告げられます。落ち込んでいた彩乃でしたが、検診でお腹の子どもが女の子の可能性が高いことがわかり、うれしく思うのでした。
その後イベントを終えた彩乃は、9月に入ると会社のみんなに妊娠していることを報告。来月末には産休に入ることを伝えました。マタニティヨガに参加し、子ども用品を購入する彩乃のお腹は少しずつ目立ち始めています。
節約のため、ネイルサロンにはいかず小春にネイルを塗ってもらう彩乃。ネイルを塗りながら、小春は「お腹の子どもの父親には言わないつもり?」と尋ねます。「子どもに聞かれた時にどう説明すればいいのかわからないから、考えずにいようと思う」と彩乃。それを聞いて小春は「そっか…」と遠い目をします。
出産に向けての母親教室に参加する小春と彩乃。実際の出産シーンを目の当たりにした彩乃は、不安になります。
Daughtersの結末
10月の検診で、逆子だと判明します。しかしまだ30週のため様子をみることに。このまま治らなければ、帝王切開で産む可能性があります。不安になる彩乃に、永井が「海外では3割が帝王切開で、最近では日本でも珍しくはないのよ。それに出産日を決められるから」と説明。
小春と彩乃は洗濯機を持っていませんでした。そのため、洗濯はいつもコインランドリーへ来ていました。突然、彩乃がこれまでの生活スタイルを変えたいと言い出します。子どもが生まれると、家に洗濯機があったほうが楽だと話す彩乃。小春はそれを受け入れます。
彩乃が産休に入りました。家にいる彩乃とは真逆に、小春は飲み歩いてばかりいます。二人の生活はすれ違うようになりました。
ある日、小春が友人を家に連れて帰ってきます。彩乃が寝ているにもかかわらず、夜中まで大きな声で飲んでしゃべっている小春。彩乃は「出産まであと2か月だから、家に誰も呼ばないでほしい」と頼みました。小春は友人にタクシー代を渡して帰ってもらいます。「お腹の子どもって、コウスケの子どもじゃない?」と、小春がずっと心の内にしまっていたことを尋ねます。「確証がなくて…」と彩乃。「他に候補とかいるの?」と憤る小春は、「いつもちゃんと考えてます見たいな顔して!もう一人じゃないんだよ。ちゃんと考えてよ!」と泣きながら訴えます。彩乃が「話そうと思ってた…」と言い訳すると、小春は怒って部屋を出ていきました。
11月に二人で沖縄へ行く約束をしていました。しかし小春一人で沖縄へやってきます。民宿の主人・桜木智子(黒谷友香)には一人息子がいて、彼女がシングルマザーだと知る小春。
その頃、彩乃は、一人で検診に来ていました。永井に「一人で産んで一人で育てる人ってけっこういますか?」と尋ねます。永井は、シングルマザーが増えていることを伝えます。「私は子どもを産んだことがないの。だから羨ましい。子どもを産んで育てるのは大変だけど、あなたにはいい友達がいるじゃない」と永井。
沖縄へ来た翌日、小春は智子にパイナップル畑へ連れて行ってもらいました。その畑はもともと地元の老夫婦のものでした。しかし継ぎ手がなく、今は智子がパイナップルを作って、店でお酒にして提供しています。
沖縄から帰った小春が家へ帰ります。彩乃が一人でベビーベッドを組み立てているのを見て、急いで手伝う小春。完成したベビーベッドを見て、彩乃が「ごめん怖かった…」と呟きます。
そして季節は変わり、5月になりました。台所でミルクを作る小春がいます。赤ちゃんを抱っこして外で待っていると、車に乗った彩乃が来ました。
出発しようとすると、子ども神輿が通ります。小春も彩乃も子どもたちをじっと見つめます。「大丈夫かな?」と彩乃。小春が「大丈夫だよ!」と言います。彩乃は子供神輿が通り過ぎるのを待って、出発するのでした。
以上、映画「Daughters」のあらすじと結末でした。
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