誰もがそれを知っているの紹介:2018年スペイン,フランス,イタリア映画。『別離』『セールスマン』で二度のアカデミー賞に輝くイランの巨匠アスガー・ファルハディ監督が手掛けたヒューマン・サスペンス作品です。スペインのとある小さな村で起こった誘拐事件をきっかけに、これまで隠し通していたはずの被害者家族の秘密と嘘が明らかになっていきます。
監督:アスガー・ファルハディ 出演:ペネロペ・クルス(ラウラ)、ハビエル・バルデム(パコ)、リカルド・ダリン(アレハンドロ)、エドゥアルド・フェルナンデス(フェルナンド)、バルバラ・レニー(ベア)、インマ・クエスタ(アナ)、エルビラ・ミンゲス(マリアナ)、ラモン・バレア(アントニオ)、カルラ・カンプラ(イレーネ)、サラ・サラモ(ロシオ)、ロジェール・カサマジョール(ホアン)、ホセ・アンヘル・エヒド(ホルヘ)ほか
映画「誰もがそれを知っている」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「誰もがそれを知っている」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
誰もがそれを知っているの予告編 動画
映画「誰もがそれを知っている」解説
この解説記事には映画「誰もがそれを知っている」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
誰もがそれを知っているのネタバレあらすじ:起
アルゼンチン在住の女性ラウラ(ペネロペ・クルス)は、16歳の娘イレーネ(カルラ・カンプラ)とまだ幼い息子ディエゴ(イヴァン・チャベロ)を連れ、妹アナ(インマ・クエスタ)の結婚式に出席するため生まれ故郷のスペインの小さな村に舞い戻ってきました。
ラウラは、老いた父アントニオ(ラモン・バレア)や、ホテル経営者の姉マリアナ(エルビラ・ミンゲス)とその夫フェルナンド(エドゥアルド・フェルナンデス)と、その娘ロシオ(サラ・サラモ)ら家族と再会を喜びます。翌日の結婚式場にはラウラの幼馴染で元恋人のワイナリー経営者パコ(ハビエル・バルデム)と、その妻ベア(バルバラ・レニー)も姿を見せ、そしてベア勤める更生施設の少年たちが撮影係を務めました。
しかし、結婚式が終わった後のパーティーでイレーネが突然体調を崩し、寝室で横になったところに雨が降り出し、パーティー会場は停電に見舞われました。何とかパコの農園の発電機で電気は復旧したのですが、いつの間にかイレーネは寝室から姿を消していました。
誰もがそれを知っているのネタバレあらすじ:承
家中を探し回るラウラのもとに「娘を誘拐した。警察に知らせたら殺す」という脅迫メールが届きました。家の電線は切られており、イレーネのベッドには数年前に地元で起こった少女誘拐殺人事件の記事の切り抜きがありました。
この事件は、家族が警察に通報したために被害者が殺害されてしまったというものであり、ラウラらは慎重に事を運ぶべくフェルナンドの知人で元警官のホルヘ(ホセ・アンヘル・エヒド)に助けを求めました。ホルヘは犯人は身近な人物ではないかと推測しました。
やがて誘拐犯から身代金30万ユーロを要求するメールが届き、アルゼンチンに残っていたラウラの夫アレハンドロ(リカルド・ダリン)も駆け付けてきました。しかし、失業したばかりのアレハンドロにとっては到底払える額ではありませんでした。
その頃、パコは自分の有する土地を売ろうと考えていました。元々ラウラの一族のものだった土地を買い取ってぶどう農場としていたのです。ラウラはパコに土地を売るよう言い出し、パコがためらうと、何とラウラはイレーネの実の父はパコだったと告白しました。土地を売る決意を固めたパコに、ベアはパコがラウラに騙されており、誘拐も土地目当ての狂言ではないかと疑いましたが、それでもパコが土地を売りたいという決意に変わりはありませんでした。
その後、ベアはラウラの元を訪ね、金が欲しくて嘘をついているのならば、アレハンドロにこのことを話すと迫りますが、ラウラはアレハンドロはこのことを知っていると疑惑を否定しました。嘘じゃない、夫も知っていると応えました。
誰もがそれを知っているのネタバレあらすじ:転
誘拐現場を調べたホルヘは、なぜ犯人は幼いディエゴではなく16歳のイレーネを狙ったのか疑問に思い、フェルナンドを通じてベアからイレーネの実の父の件を聞いていたホルヘは、身代金をラウラ夫婦が払えなくてもパコなら払ってくれるだろうと考えた、内部事情に詳しい者の犯行だと断定しました。
イレーネの件について、ラウラとアレハンドロは、誰にもこのことは内緒にしていたはずでしたが、どうやらイレーネの容姿がかつてのパコを彷彿とさせたものだったことから、既に人々の間では噂として広まっていたのです。
イレーネの件で自責の念に駆られたパコは、ベアの反対を押し切って土地を売り、その金をアレハンドロに渡そうとしましたが、彼はどうしても受け取ろうとはしませんでした。ラウラはアレハンドロにイレーネを見殺しにするのかと迫り、金を受け取るよう命じました。
その頃、ロシオは密かに人里離れた場所に単身で向かい、小川を渡って廃墟の中へと入っていきました。その中には、ドイツに仕事を探しにいったはずのロシオの夫ガブリエル(パコ・パスター・ゴメス)の姿がありました。実はロシオ夫婦こそがイレーネを誘拐した真犯人だったのです。
誰もがそれを知っているの結末
ロシオはもう我慢の限界だとして一刻も早くイレーネを解放するようガブリエルに迫り、パコが土地を売ったことを知ったガブリエルも、翌朝に開放することにしました。その後、ロシオは密かに自宅に戻りましたが、マリアナはロシオの様子がおかしいことに気付きました。ロシオは必死に言い訳をしましたが、ロシオの靴には泥がついていました。
翌朝、イレーネから「殺される!金を渡して!」という電話を受け取ったパコは、金を持って指定された場所に向かい、電話が鳴ったので車から一旦離れ、車に戻ってみると、そこには置かれていた金はなく、代わりにイレーネが寝かされていました。ラウラはイレーネの無事を喜んで抱きしめ、アレハンドロはパコに必ず金は返すと約束しました。しかし、パコは家に戻ると、そこにベアの姿はありませんでした。
ラウラ一家はアルゼンチンへと戻っていき、フェルナンドは彼女たちを見送りましたが、その直後にマリアナは固い表情で「話があるの」と言い出し、フェルナンドに真相を語り始めました・・・。
以上、映画「誰もがそれを知っている」のあらすじと結末でした。
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