イグジステンズの紹介:1999年カナダ,イギリス映画。バーチャルリアリティゲームの世界で繰り広げられる予測不能な戦いを描いたSFホラー。脊椎に穴を開け、コードを人体に直接繋ぐことでバーチャルリアリティゲームをプレイするようになった世界。天才ゲームデザイナーのアレグラは、最新ゲーム「イグジステンズ」の発表イベントに参加した。しかしそこにゲームに反感を持つ「現実主義者(リアリスト)」が現れ、アレグラは命を狙われる。会場警備をしていたテッドに助けられた彼女は、イグジステンズに異常がないか調べるためゲームの世界にダイブする。
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演者:ジェニファー・ジェイソン・リー(アレグラ・ゲラー)、ジュード・ロウ(テッド・パイクル)、イアン・ホルム(キリ・ビヌカー)、ウィレム・デフォー(ガス)、クリストファー・エクルストン(ウィトルド・レヴィ)ほか
映画「イグジステンズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イグジステンズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
イグジステンズの予告編 動画
映画「イグジステンズ」解説
この解説記事には映画「イグジステンズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イグジステンズのネタバレあらすじ:狙われたゲームデザイナー
舞台は、人々が気軽にバーチャルリアリティゲームを楽しむようになった世界。夜、とある教会で新作ゲームの発表イベントが行われていました。開発者は、天才ゲームデザイナーの呼び声高いアレグラ・ゲラー(ジェニファー・ジェイソン・リー)。彼女はアンテナ社の新作ゲーム「イグジステンズ」を紹介し、選ばれたファンと一緒にゲームを体験することになりました。
この世界では「バイオ・ポート」と呼ばれる、脊椎に開けた穴に直接コードを接続してゲームを行います。コントローラーの役目を果たすのは「ゲームポッド」という生物のような物体。アレグラ達がゲームを開始した直後、遅れて教会に現れた青年ノエル・ディクターが奇妙な銃を取り出し、突然発砲しました。彼はゲーム会社や開発者に反感を持つ「現実主義者(リアリスト)」だったのです。
肩に被弾したアレグラは、会場を警備していたテッド・パイクル(ジュード・ロウ)に助けられ、車で逃げ出しました。アレグラはゲームポッドがダメージを受けたことで、ゲームが汚染されていないか心配します。それを確かめるには、誰かと実際にイグジステンズをプレイするしかありません。アレグラはテッドを説き伏せ、緊急にバイオ・ポートを取り付けてもらうことにしました。
イグジステンズのネタバレあらすじ:バイオ・ポートとゲームポッド
時間も遅いため、バイオ・ポートの開通手術は非合法な手段に頼るしかありません。そこでアレグラとテッドはガソリンスタンドの店員ガス(ウィレム・デフォー)に依頼することにしました。アレグラの信奉者である彼は、喜んで協力してくれます。テッドの不安をよそに手術は手早く完了し、アレグラは早速イグジステンズをプレイしようとしました。
ところがコードを繋いだ途端、ゲームポッドがショートして壊れてしまいます。全てはガスの仕業でした。実はアレグラには莫大な懸賞金がかけられており、彼女を殺し、更にゲームを破壊すればボーナスも貰えると明かすガス。銃を手にアレグラに迫る彼を、テッドは思わず射殺してしまいました。
アレグラは壊れたゲームポッドを直して貰うため、知人のキリ・ビヌカー(イアン・ホルム)を訪ねます。2人を歓迎した彼はすぐにゲームポッドの修理に取り掛かりました。イグジステンズのゲームポッドは両生類の受精卵を培養して作られているため、修理は生物の解剖にも似ています。次にキリはテッドのバイオ・ポートも新しいものに交換してくれました。離れの小屋に匿われたアレグラとテッドは、ついにイグジステンズをプレイすることにします。
イグジステンズのネタバレあらすじ:バーチャルリアリティゲーム「イグジステンズ」
気付くとアレグラとテッドはゲームショップの中に立っていました。イグジステンズは意識だけでゲーム内に入り、現実と遜色ない体験が出来るバーチャルリアリティゲーム。アレグラと興奮冷めやらぬテッドは、店主のダルシー・ネイダーと話すことになります。ゲームにはある程度強制力があり、キャラクターを確立したりプロットを固めたりするために必要な台詞や行動が、プレイヤーの意志とは関係なく勝手に実行されてしまいます。
2人はシステマティクス社のポッドを渡され、新しい自分をダウンロードしろと指示されました。ゲーム衝動に従って激しく求め合った2人は、気付くと工場で作業をしていました。ゲームキャラクターのイェフゲニー・ノリッシュによると、この工場は昔マスの養殖場でしたが、現在はシステマティクス社のゲーム工場になっているそうです。
彼から、昼食は林の中にある中華料理店へ行ってスペシャルを注文しろと指示され、それに従うアレグラとテッド。爬虫類と両生類の突然変異体の活き造りを出された2人は絶句しますが、テッドはゲーム衝動に従って貪り始めました。その骨を繋ぎ合わせると、ディクターが所持していた奇妙な銃と似た物が出来上がります。それを手にしたテッドはゲーム衝動に逆らえず、ウェイターの男性を射殺してしまいました。
その後、厨房から顔を出したノリッシュは、自分はリアリストの一員であり、ウェイターは裏切り者だったと話します。アレグラとテッドもリアリストの一員という設定のようでした。しかしその後ゲームショップに戻ってみると、ネイダーはヒューゴ・カーローというキャラクターに殺害されていました。
カーローもまたリアリストで、ウェイターはテッド達との連絡係だったと明かします。実は、ノリッシュはシステマティクス社の二重スパイだったのです。彼はネイダーと協力して、リアリストを壊滅するために動いていました。カーローは、今度はノリッシュを殺害するよう指示を出します。
イグジステンズのネタバレあらすじ:勝者
工場に出勤したアレグラとテッドは、カーローが手配したイグジステンズのゲームポッドを発見します。紫色のゲームポッドは明らかに病気に感染していましたが、アレグラは試してみたいという衝動を抑えられず、コードを繋いでしまいました。アレグラはすぐにバイオ・ポートから感染してしまい、テッドは急いでコードを切り落とします。
出血が止まらず焦っていると、ノリッシュが現れゲームポッドを焼き払いました。するとポッドは死の胞子を撒き散らします。アレグラは苦しみながらもノリッシュを刺殺。燃え広がる炎を最後に2人は現実世界に戻って来ました。しかしアレグラがイグジステンズから病気を持ち帰って来てしまい、テッドとゲームポットが胞子に感染してしまいます。
どうやらキリが汚染されたバイオ・ポートを取り付けたのが原因のようです。彼はアレグラのゲームポッドごとイグジステンズを殺そうと目論んでいたのでした。アレグラはテッドのバイオ・ポートに、胞子を殺すための処置を施します。すると突然爆発が起こり、武装したカーローが現れました。何故ゲームキャラクターが現実にいるのかと困惑する2人の前で、アレグラのゲームポットを射殺するカーロー。2人はまだゲームの中にいるのです。
リアリズムの勝利を叫ぶカーローはアレグラをも殺害しようとしますが、キリによって射殺されました。キリはシステマティクス社のスパイで、アレグラのゲームポッドからイグジステンズをコピーしたと明かします。一緒にシステマティクス社へ行こうと誘うキリを殺害したアレグラ。
最後に彼女を狙ったのは、テッドでした。彼はリアリスト側の暗殺者で、最初からアレグラ殺害のチャンスを探っていたのです。しかしアレグラはそのことに気付いており、彼のバイオ・ポートに予め仕込んでおいた爆弾を起動させました。テッドをも殺害したアレグラは、炎の中で「私の勝ち?」と声を上げます。
イグジステンズの結末:ゲームか、現実か
気付くとアレグラ達は古い教会の中、青いデバイスを装着してバーチャルリアリティゲームをしていました。周囲には同じデバイスをつけたガスやキリ達の姿が。実は全員、ノリッシュが開発したビルグルマージ社の新作ゲーム「トランスセンデンズ」を一緒にプレイしていたのです。
最初から全てゲームの世界の出来事でした。アレグラとテッドは恋人同士で、一緒に発表イベントに参加していたのです。2人はノリッシュとビルグルマージ社の職員メルルに挨拶すると、突然敵意を剥き出しにしました。
飼い犬に隠していた銃を取り出し、ノリッシュとメルルを射殺します。2人はリアリストだったのです。銃を向けられたウェイター役の男性が「まだゲームの中?」と言い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「イグジステンズ」のあらすじと結末でした。
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