総理の夫の紹介:2021年日本映画。『ランウェイ☆ビート』『キネマの神様』などを手掛けた作家・原田マハの小説「総理の夫 First Gentleman」を田中圭と中谷美紀のダブル主演で映画化した作品です。日本で初めて女性内閣総理大臣が誕生、鳥類学者だった夫は史上初のファーストジェントルマンとして妻と共に激動の日々を送ることに・・・。
監督:河合勇人 出演者:田中圭(相馬日和)、中谷美紀(相馬凛子)、貫地谷しほり(富士宮あやか)、工藤阿須加(島崎虎山)、松井愛莉(伊藤るい)、木下ほうか(徳田実)、長田成哉(幡ヶ谷卓)、関口まなと(窪塚豊)、米本学仁(阿部久志)、国広富之、寺田農(衆議院議長)、片岡愛之助(相馬多和)、嶋田久作(小津智祐)、余貴美子(相馬崇子)、岸部一徳(原久郎)ほか
映画「総理の夫」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「総理の夫」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
総理の夫の予告編 動画
映画「総理の夫」解説
この解説記事には映画「総理の夫」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
総理の夫のネタバレあらすじ:起
鳥類学者の相馬日和(田中圭)は政治家で弱小野党「直進党」の党首である妻・凛子(中谷美紀)と結婚して早12年。夫婦仲も良好で幸せな日々を過ごしていました。
9月10日。この日は日和は渡り鳥の調査のため北海道・釧路への10日間の出張に出発する日でした。凛子は日和に、もし自分が総理大臣になったら何か不都合なことはないかと意味深な発言を投げかけてきました。日和は戸惑いながらも釧路に飛び、スマホの電波もろくに届かないところで観察に励んでいました…。
…9月21日。東京に戻った日和は、スマホに知らない人々から大量の着信やメールが寄せられていることを知り、さらには空港でマスコミが自分を取り囲んできたことに大変驚きました。
そんな日和の前に直進党の広報担当・富士宮あやか(貫地谷しほり)が現れ、凛子が何と第111代内閣総理大臣に使命されたことを伝えました。これは日本初の女性総理大臣誕生であるとともに、日本初の“総理の夫(ファースト・ジェントルマン)の誕生をも意味していました。
富士宮は日和を職場である「善田鳥類研究所」に送り、マスコミが大挙するので無用な外出は控えるよう命じて去っていきました。日和は研究所所長の徳田実(木下ほうか)、同僚研究員の窪塚豊(関口まなと)、幡ヶ谷卓(長田成哉)、伊藤るい(松井愛莉)から祝福を受けましたが、未だに事情を呑み込めないでいました。
日和の実家は巨大企業「ソウマグローバル」創業者一家であり、日和の母・崇子(余貴美子)が会長、日和の兄・多和(片岡愛之助)がCEOを務めていました。まさかの事態に驚いた崇子は日和に電話をかけ、日和を国会議事堂の前まで連れていきました。それから崇子は日和にスーツを新調させ、一度実家に顔を出すよう命じました。
総理の夫のネタバレあらすじ:承
その頃、国会議事堂では、凛子は直進党幹事長の小津智祐(嶋田久作)と政策秘書の島崎虎山(工藤阿須加)を伴って民心党の党首・原九郎(岸部一徳)と会談していました。直進党はこの度民心党と連立を組み、凛子を総理として担ぎ上げたのです。
翌9月22日、いよいよ凛子の内閣が発足しました。のっけから凛子は63%という高い支持率をマークし、凛子のみならず日和の追っかけまで出現しました。
10月28日。日和は凛子と共に首相官邸に引っ越すことが決まりました。日和は今まで住んできた屋敷を気に入っており、官邸への引っ越しは乗り気ではありませんでした。日和は凛子が総理になってからも鳥類学者の仕事は続けていましたが、富士宮からはむやみに外に出るなと厳命された日和は大好きだった出張にも出かけられず、仕事にも支障が出るようになっていました。
11月6日。この日は凛子と日和が首相官邸に引っ越す日です。多和は未だに実家に顔を出さない日和に業を煮やし、日和を直接呼び出してあれこれと事情を聞きました。凛子は所信表明で消費税の増税を公約に掲げており、多和らソウマグローバルにとっては受け入れられないものでした。
その後、引っ越しを終えた日和は島崎に官邸内部を案内してもらい、部屋のあちこちに設置された監視カメラなどに驚きました。
総理の夫のネタバレあらすじ:転
11月7日。日和に伊藤が弁当を作ってきてくれました。さらに伊藤は日和の自宅に行きたいと言い出し、これまで官邸と職場の行き来しか許されなかった日和もつい伊藤の頼みを聞き入れてしまいました。
日和の自宅に入った伊藤は最初のうちは仕事をしているかのように見えましたが、次第に上着を脱いで肌の露出の高い服装を見せつけたり、自らの苦労話を語りつつ日和に急接近する素振りを見せるなどエスカレートしていきました。
12月7日。日和のもとに何と民心党の原が訪れ、心当たりはないかと1枚の写真を見せてきました。それは先日、日和の家を訪れた伊藤があたかも日和と親密そうにしている写真でした。この写真は原がフリーの政治記者・阿部久志(米本学仁)から入手したものでした。
阿部は1000万円を払ってくれれば写真を揉み消してやってもいいと持ちかけており、いかに実家が大金持ちとはいえ金を払うべきか迫られた日和は凛子に相談すべきか迷いましたが、ちょうど凛子の内閣の閣僚に汚職疑惑が浮上しており、凛子らは対応に追われていました。
自分のことで凛子に迷惑をかけるべきべきではないと考えた日和は独断で阿部に金を払う決心をしましたが、その直前に日和はテレビで凛子が会見を開いている様を目の当たりにしました。正々堂々とやましいことなどあってはないと主張する凛子の姿に、自分は決してやましいことなどやっていないと強く感じた日和は阿部に金を払うことを止めました。
その翌日、日和は伊藤があの阿部から金を受け取っている様子を目の当たりにしました。日和は阿部に土下座してまで写真を揉み消してくれるよう頼みましたが、阿部は聞き入れないばかりか金になるネタをくれと迫ってきました。そこに富士宮、そして凛子が現れ、取り押さえられた阿部は仕方なく日和の件は原の差し金だったことを白状しました。
裏側で虎視眈々と総理の座を狙っている原は伊藤を利用し、日和のスキャンダルをでっち上げてまで凛子を追い落とそうと画策していたのです。阿部は凛子の求めに応じて写真を削除し、日和の潔白は証明されました。
総理の夫の結末
新年を迎えた頃から、原はいよいよ本性を現し始めました。繰り返し消費税増税を主張し続ける凛子に対し、原は連立を離脱しての内閣不信任案提出をちらつかせました。
6月21日。国会の会期末、凛子は内閣不信任案を出される前に衆議院解散に打って出ました。凛子率いる直進党は公約に消費税増税を掲げ、原率いる民心党と選挙で争うことになりました。凛子は自らも立候補した島崎の応援に向かいましたが、その矢先に凛子は倒れてしまいました。
病院で診察を受けた凛子は妊娠3ヶ月であることを告げられました。これまで12年間も子供ができず諦めかけていた凛子と日和は喜び、仕事も新しい命も決して諦めないと強く決意しました。
7月30日。総選挙の結果、凛子の直進党は議席の過半数を獲得しました。原の民心党は大敗しました。凛子は直ちに第2次相馬内閣を発足させましたが、これまでの無理がたたっていた凛子は再び倒れて病院に搬送されました。
富士宮は阿部に凛子の妊娠の件をリークし、凛子の妊娠は瞬く間にスクープとして報じられました。富士宮は凛子が心配だったと真意を明かし、責任を取って辞表を提出しました。これまで総理としての仕事に邁進するあまり、知らず知らずのうちに日和や富士宮たちを苦しめていたことに気付いた凛子は意を決して総理の座を降りる決断をしました。
9月29日。凛子は記者会見を開くことにしました。世論は出産よりも政治を優先すべきだとの声と、働きながら出産・育児をすべきだという声に二分されていました。日和は会見の場に乗り込み、自分はどんな決断であれども凛子を全面的に支持すると発言しました。
さらに日和は凛子の辞任は後退ではなく勇気ある前進だと訴え、その場の人々たちは黙って日和の話に耳を傾けていました。凛子は涙を流しながら日和をマスコミに紹介し、正式に総理辞任を表明しました・・・。
・・・凛子が総理時代に推し進めようとしていた福祉改革法案などの案件は内閣官房長官の小津らが引き継ぎ、原も支持に回りました。富士宮は凛子から強い要請を受けて職場復帰を果たしていました。やがて凛子は女の子を出産し、日和も平穏な日々を取り戻していました。
ある日、日和はいつものように出張に出かけることになりました。凛子は「もしまた私が総理大臣になったら、なにかあなたに不都合がある?」と意味深な問いかけをし、日和は黙って笑いました。
以上、映画「総理の夫」のあらすじと結末でした。
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