映画「翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～」解説
この解説記事には映画「翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～のネタバレあらすじ：起
【現代】
猛暑の埼玉県。さいたま市役所職員で旧・与野市在住の内田智治は妻・直子と娘・若月依希を車に乗せ、「埼玉県市町村対抗綱引き大会」の会場である熊谷市の熊谷スポーツ文化公園へと向かっていました。依希のお腹の中には男の赤ん坊が宿っており、依希は名前を考えていました。カーラジオからは地元ラジオ局・NACK5の新たなラジオドラマ「都市伝説・第Ⅱ章」が流れていました―――。
【ドラマパート】
―――その昔、東京から蔑まれていた埼玉県人が埼玉解放戦線の活躍によって自由と平和を勝ち取ってから3ヶ月後。（前作『跳んで埼玉』参照）
埼玉解放戦線を率いる麻実麗と壇ノ浦百美は「日本埼玉化計画」を推し進めていましたが、その過程で埼玉県人には横のつながりが薄いという問題が生じていました。そこで百美は、埼玉県内を横に繋ぐ鉄道・武蔵野線の建設を提案しましたが、埼玉県民の各鉄道の代表からは武蔵野線よりも東京や東京ネズミーランドに行く鉄道を造るべきだとの声が挙がりました。
麗は埼玉県民の心をひとつにまとめるべく、越谷に「海（しらこばと水上公園）」を造ることを提案しました。ビーチ造営に必要な砂は和歌山県・白浜から白い砂を調達することにし、麗は百美に各鉄道の代表の説得を任せると、千葉解放戦線から船を借りて出航しました。船旅の途中、和歌山解放戦線から救助を求める無線が入ってきました。その直後、船は嵐に遭遇して難破、麗は仲間たちと離れ離れになってしまいました。
和歌山の海岸に流れ着いた麗は、滋賀解放戦線のリーダーである“滋賀のオスカル”こと桔梗魁に助けられました。和歌山の白浜は大阪府の植民地と化しており、和歌山県民や奈良県民、滋賀県民などは大阪府民から虐げられていました。大阪府を支配しているのは冷酷な府知事の嘉祥寺晃でした。
魁は白浜の砂が白い理由は和歌山の姫君が祈りを捧げているお陰であり、今や姫はどこかに幽閉されており、月に一度だけ祈りのために外に出されると説明しました。魁はひとまず麗を連れて滋賀に戻ることにしました。その途中、麗は交通安全を呼びかける「飛び出し坊やのとび太くん」の看板を見つけました。
翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～のネタバレあらすじ：承
【ドラマパート】
その頃、嘉祥寺の妻である神戸市長は京都市長と不倫していました。そこに嘉祥寺が現れ、捕らえられた埼玉解放戦線員と千葉解放戦線員も連行されてきました。嘉祥寺は埼玉解放戦線員を甲子園球場の地下に放り込むよう命じ、千葉解放戦線の浜野さざえと浜野あわびにタコ焼きを食わせました。するとさざえとあわびは関西弁を喋り出し、“大阪人化第1形態”へと変貌しました。
麗は甲子園で何かが起きていると感じ、3日後に甲子園で行われる少年野球大会を探ることにしました。一方、埼玉で麗の帰りを待つ百美は白鵬堂学院の野球部部長に甲子園の少年野球大会で和歌山県人に麗を見なかったか聞いてくれるよう頼みました。
麗と魁は甲子園に潜入しましたが、魁が裏切ったことにより麗は大阪府警に捕まってしまいました。麗は嘉祥寺によって大阪人化第1形態、そして大阪人化第2形態へと変貌させられました。
麗は甲子園の地下に連れていかれました。そこは人を大阪人化する粉の精製工場であり、他県の人々が強制労働を強いられていました。牢に入れられた麗は埼玉解放戦線の仲間と再会しました。その後、麗は幼少期にマイアミのビーチで亡き母から救世主として滋賀を救うよう言われた夢を見ていました。目覚めた麗はなんとか大阪人化から脱し、仲間の手引きにより牢から脱獄して滋賀へと向かいました。
一方、魁は嘉祥寺に、麗を差し出した見返りに強制労働の仲間と和歌山の姫を解放するよう要求しましたが、嘉祥寺は約束した覚えはないと言い放ちました。一方、埼玉の百美は白鵬堂学院が持ち帰った甲子園の砂を調べたところ、砂に混じった粉の成分から人を大阪人化する成分を検出しました。
【現代】
智治の一家は綱引き大会の会場に到着しました。車の中でラジオドラマを聞いていた直子は両親が滋賀出身であることから、なぜ滋賀が裏切るのかと怒りました。綱引き大会は進んでいき、決勝は仲の悪い旧・大宮市vs旧・浦和市となりました。
翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～のネタバレあらすじ：転
【ドラマパート】
滋賀解放戦線の協力を得、滋賀に落ち延びた麗は魁の母がかつて滋賀解放戦線の元リーダーであること、“滋賀のジャンヌ・ダルク”と呼ばれていたことを知りました。“滋賀のジャンヌ・ダルク”の肖像画を見た麗は彼女こそが自分の実の母であること、そして魁は麗の実の弟であることを知りました。麗がマイアミのビーチだと思い込んでいたのは琵琶湖のマイアミ浜でした。
麗と魁は和解を果たしました。そこに百美からの伝書鳩が現れ、嘉祥寺は人を大阪人化する粉を使って日本全土を大阪の植民地にする計画を進めていることを知らされました。人を大阪人化する粉の実は淀川流域で栽培されていることから、麗は滋賀、奈良、和歌山の代表を集めて嘉祥寺の野望を阻止する作戦を提案しました。それは瀬田川の水門を閉じて琵琶湖の水を止め、淀川を渇水させて粉の実を枯らすことでしたが、滋賀県民は滋賀が水没するとして反対しました。麗と魁は必死で滋賀県民を説得し、提案を受け入れた滋賀県民は彦根城へと避難しました。
作戦は決行され、瀬田川の水門は閉鎖されて粉の実を枯らすことに成功しました。そこのことを知った嘉祥寺は大阪・兵庫・京都の連合軍10万人を投じて水門を破壊するために出陣しました。軍勢がわずか5000人と劣勢な滋賀・奈良・和歌山の連合軍は「とび太くん」の看板を軍勢に見立てることにし、麗は仲間たちに後を任せると強制労働者を解放すべく甲子園へと向かいました。
滋賀・奈良・和歌山の懸命の戦いに追い込まれた嘉祥寺は神戸市長と京都市長を見捨てて大阪に戻りました。一方、甲子園に乗り込んだ麗は強制労働者たちや和歌山の姫を解放し、反乱を起こして粉の精製工場を壊滅させました。しかし、麗は和歌山の姫から嘉祥寺の真の計画を知らされ、百美に電話でそのことを伝えると大阪へ向かいました。
翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～の結末
【ドラマパート】
嘉祥寺の真の目的は、ミサイルに改造した通天閣に粉を満載し、東京に撃ち込んで丸ごと大阪化することでした。大阪に着いた麗は嘉祥寺に捕まってしまい、通天閣ミサイルは発射されてしまいました。
一方、麗から連絡を受けた百美は埼玉の各鉄道の代表たちをまとめ上げ、極秘裏にミサイルに改造されていた埼玉県唯一のタワー・行田市の古代蓮の里展望タワーを発射しました。行田タワーは宇宙空間で通天閣ミサイルを撃破し、嘉祥寺の野望は阻止されました。
一連の悪事が明るみにされた嘉祥寺は逮捕され、関西に平和が戻りました。魁は麗に一緒に滋賀の平和を守ってくれるよう頼みましたが、麗は引き続き埼玉の平和を守ることにしました。滋賀県民は水没した滋賀を復興させました。
埼玉は引き続き「日本埼玉化計画」を推し進め、麗が白浜から持ち帰った白い砂によってしらこばと水上公園が造られました。埼玉の各鉄道の代表が和解したことにより遂に武蔵野線が開業、舞浜まで直通したことにより埼玉県民は直接東京ネズミーランドへ行けるようになりました。麗と百美はネズミーランドへと向かいました―――。
【現代】
―――綱引き大会は大宮vs浦和の決勝戦が行われていました。智治は大宮と浦和の対立によるさいたま市の分裂を阻止すべく、ペットボトルの水を虫眼鏡代わりにして太陽の光を集めて綱を焼き切り、両者の対決を引き分けに持ち込むことに成功しました。
ラジオドラマを聞いていた直子や与野の人たちが感動しているなか、とうとう依希が産気づきました。たまたま与野のチームの関係者のおばちゃんが実は大阪出身の助産師であり、依希の出産を手伝ってくれました。そこにラジオドラマを聞いて感動した依希の夫・健太が駆け付け、息子の名を「とび太」にしようとして依希に断れれました。
以上、映画「翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～」のあらすじと結末でした。
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