ごっこの紹介:2017年日本映画。漫画家・小路啓之が『スーパージャンプ』『グランドジャンプPREMIUM』に連載していた同名漫画を千原ジュニアの主演で実写映画化した作品です。大阪でひっそりと暮らすニートの中年とワケありの幼い少女の“疑似親子”の姿を描きます。出演者の清水富美加のトラブルにより一旦はお蔵入りしかけましたが、関係者の熱意により公開にこぎつけました。
監督:熊澤尚人 出演者:千原ジュニア(城宮)、平尾菜々花(ヨヨ子)、優香(マチ)、ちすん(ヨヨ子の母)、清水富美加(モミジ)、秋野太作(城宮の父)、中野英雄(ヨヨ子の同級生の父)、石橋蓮司(便利屋)ほか
映画「ごっこ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ごっこ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ごっこの予告編 動画
映画「ごっこ」解説
この解説記事には映画「ごっこ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ごっこのネタバレあらすじ:起
2015年、大阪市平野区北瓜破。仕事を辞めた40歳手前の中年男・城宮(千原ジュニア)はアパートの一室で引きこもり生活を送っていました。
オタクの城宮はフィギュアを作るのが趣味でしたが、近所の少年からバカにされて部屋にエアガンを撃ち込まれました。少年たちを追い払おうとした城宮は、向かいの部屋の2階に全身にアザがある5歳の少女(平尾菜々花)を見つけ、彼女を部屋に招き入れました。
城宮は少女に“ヨヨ子”と名付け、彼女を引き取って一緒に暮らそうと考えましたが、所持金も底を尽きかけていたことから、弁天通商店街で寂れた帽子屋を営む老いた父(秋野太作)の元に10数年ぶりに戻ることにしました。
城宮の父はヨヨ子を城宮の実の娘だと勘違いし、自分はこれから死のうと考えていたと明かすと、後のことは長年の友人である便利屋(石橋蓮司)に託したことを告げました。
翌日、城宮の父は姿を消し、城宮とヨヨ子は帽子屋で一緒に暮らすことになりました。しかし、そんな城宮を不審な目で見ている一人の女性がいました。城宮の幼馴染で今では婦警となっているマチ(優香)です。
ごっこのネタバレあらすじ:承
マチは城宮が10数年ぶりに突然帰省してきたこと、なぜか幼女を連れていることに不信感を抱いていました。そんな城宮をヨヨ子は実の父のように慕い、相変わらずロクに働きもしない城宮はヨヨ子に実の親のように接するようになっていきました。
そんなある日、ヨヨ子がスーパーでわがまま放題をしていた時、城宮は客の男(中野英雄)からきちんとヨヨ子のしつけをしているのか問われました。それからというもの、城宮はヨヨ子にしつけを教えるようになりました。
城宮は、ヨヨ子がテレビの特撮ヒーロー番組が好きなことに気付き、彼女をヒーローショーに連れて行ってあげました。その帰り道、城宮はヨヨ子がBB弾を見つけて拾うのが得意ということに気が付き、彼女が拾ったBB弾は色を塗って大切に保管することにしました。
最初のうちは城宮を疑っていたマチでしたが、二人の仲の良さに少しずつ疑いを解いていきました。ところがそんなある日、ヨヨ子が縁日で一時的に姿が見えなくなった際、マチは頑なに警察の協力を拒む城宮に再び疑いの目を向けました。
城宮は疑いを逸らすべく、自分の父は既に死亡しており、そのことを伏せて年金を不正に受給していたことをあえて認めました。城宮の父は息子が戻ってきた直後に自殺しており、便利屋の協力でその死を隠蔽していたのです。
ごっこのネタバレあらすじ:転
城宮はマチからちゃんと働くよう叱られて年金不正受給を止め、ヨヨ子を保育園に預けて生花市場で働き始めました。慣れない仕事に悪戦苦闘する城宮は、市場によく出入りしている、カレー屋を営む女性(ちすん)と知り合いました。
その女性にどこか心当たりのあった城宮は、彼女こそが自分がかつて住んでいたアパートの向かいに住むヨヨ子の実の母であることを思い出しました。城宮からヨヨ子の体にアザがあることを問われたヨヨ子の母は虐待などしていないと否定しましたが、その場にヨヨ子に瓜二つの少女・カエデ(平尾菜々花(二役))が現れ、城宮は大いに驚きました。
実はヨヨ子は本名を“モミジ”といい、カエデはヨヨ子の双子の妹でした。カエデは難病で余命半年の宣告を受けており、唯一助かる方法は近親者からの臓器移植しかありませんでした。カエデをはかなんだヨヨ子は自分が死んで臓器をあげると言い出し、自傷行為に及んでいたというのです。
しかし、城宮はヨヨ子の母がなぜ自分がヨヨ子を連れ出した時に止めようとしなかったのか疑問に思い、ヨヨ子の母は何か本当のことを隠しているのではと感じました。それでも仕事と家事、育児に疲れ果てていた城宮は、ヨヨ子を母の元に戻そうかと思い悩みましたが、結局自分で育てることにしました。
ごっこの結末
ある日、ヨヨ子が虫採りに行ったきり戻ってこなくなりました。城宮はヨヨ子が拾ったBB弾を手がかりに廃墟を突き止めたところ、ヨヨ子は同年代の少年と共に見知らぬ男たちにさらわれており、毒グモと戦わされているところを動画に撮られていました。
ヨヨ子を助けた城宮は、一緒にさらわれた少年の父が以前スーパーで自分を叱った男であることに気が付きました。城宮はヨヨ子に改めて母のことを尋ねてみると、ヨヨコの母の言うことは嘘であり、やはりヨヨ子は母から「カエデのために死んでくれ」と言われて虐待を受けていたことを知りました。
怒りに駆られた城宮はヨヨ子の母を殺害、ヨヨ子を連れて奈良県の温泉地に身を隠しました。城宮は警察に追われる身となり、マチは便利屋から城宮とヨヨ子は実の親子ではないと聞かされて城宮の潜伏先へ向かいました。城宮はマチにヨヨ子を託し、駆け付けた警察に逮捕されました。事件から程なくしてカエデはこの世を去りました。
それから13年後の2028年。収監の身となった城宮は未だに取り調べにも一切口を開くことなく黙秘を続けていました。一方のヨヨ子は再び名前をモミジに戻し、マチの養子となっていましたが、周囲から城宮のことを忘れるよう言われて育ち、いつしか城宮のことをすっかり忘れ去っていました。
そんなある日、城宮の前に高校3年生となったモミジ(清水富美加)が面会に訪れました。自分自身と向き合う決意をし、失っていた記憶を取り戻していたモミジは、大学の法学部に合格したことを城宮に報告し、いつか弁護士になって城宮を弁護してあげると言い出しました。城宮の目から思わず感動の涙がこぼれました。
以上、映画「ごっこ」のあらすじと結末でした。
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