食われる家族の紹介:2020年韓国映画。25年間行方不明だった妹がある日家族の元に帰ってきた。本当は嬉しいはずの出来事、しかし微かに感じた不安が実現してしまう。徐々に忍び寄ってきて主人公の周りを洗脳していく恐怖、正しいのは自分かそれとも…。
監督:ソン・ウォンピョン 出演:キム・ムヨル(ソジン)、イェ・スジョン(ユン)、ソン・ジヒョ(ユジン)、パク・ミンハ(イェナ)、ホ・ジュンソク(刑事)、ほか
映画「食われる家族」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「食われる家族」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
食われる家族の予告編 動画
映画「食われる家族」解説
この解説記事には映画「食われる家族」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
食われる家族のネタバレあらすじ:起
建築家で会社の代表でもあるソジン、ミーティングで家族について尋ねられ動揺します。
半年前にソジンは妻を轢き逃げで亡くしていました。犯人は未だ捕まっていません。ソジンは妻の死から立ち直っていなかったのです。現在ソジンは一人娘のイェナと共に両親と暮らしていました。ソジンはイェナになかなか母の死を伝えられないでいます。そんなソジンの元に連絡が入ります。
1996年に行方不明になった妹のユジンが見つかったとの事でした。指定された喫茶店に行きユジンと会ったソジン。疑ってかかるソジンにDNA鑑定をして欲しいと話すユジン。その結果はユジンが本物であると示すものでした。
ユジンは両親とも対面し母親のユンは泣いて喜びます。ユジンは親孝行がしたいとこれまで働いていた看護師の仕事を辞め、足の悪いユンの世話をするため同居することになりました。ソジンはユジンがいなくなり口論の絶えない両親を知っていました。
ユジンがいつ帰ってきてもいいように大きな家を設計し建てたのです。そのために建築家になったようなものでした。そのユジンが帰り望みが叶ったはずなのですがソジンの中でどこか違和感があったのです。
またユジンはイェナの面倒もよく見てくれました。保育園に迎えに行き、嫌いなものも食べさせてあげられる。母を亡くしたイェナも次第にユジンに懐いていきました。ユジンは家のことは全て自分に任せて仕事に専念するように話しますがソジンはどこかしらの不安を覚えます。
食われる家族のネタバレあらすじ:承
ユジンは自らが手配した物理療養士の男を呼び寄せました。口がきけない彼はユジンと手話で会話をします。そんな男を家に住まわせて母の面倒を見てもらおうというのです。両親は歓迎しますが、ソジンは誰に相談もなく決めたユジンを不審に思っていました。以降ソジンは家政婦のヒジョンにユジンの行動を見張っていて欲しいと頼みます。
ある日、イェナのバレエ教室の付添いにユジンとヒジョンで向かった時のこと、見知らぬ男が詰め寄ってきます。ユジンを見てペク・ヨンソンだろ!そう語る男、ヒジョンが訳が分からないでいるとユジンはヒジョンに別行動を取らせます。
男はその後、ユジンを追い駐車場に向かいました。イェナの稽古が終わりユジンが戻ってきます。車は移動していて先程の男が殺されている事が分かりました。ヒジョンは倒れている男の側にユジンのコートのボタンが落ちている事に気づきましたが、ユジンもヒジョンがそれに気付いた事を知ってしまいます。
翌日からヒジョンが現れなくなってしまいました。両親は男と駆け落ちしたのだと話します。長年働いた彼女が失踪するなんて信じられないとソジンは警察に相談しますが取り合ってもらえません。
やがてソジンの妻の轢き逃げ事件の映像が出来たと言われ見てみると、歩道を歩く女の姿にどこかで見たような面影を覚えます。ソジンは催眠療法をし記憶を探ってもらいました。そこで女の正体が判明します。それは確かにユジンでした。
ソジンが家に帰ると、ユジンが新しい家政婦を連れてきていました。彼女は先に連れてきた物理療養士の男と夫婦のようで、彼女も同様に住まわせる事になったのです。ますます怪しさが深まったソジンは仕事そっちのけでユジンを調べ始めます。
そしてユジンを保護していたという団体の場所は実際はなく、仕事先の同僚だったという男もユジンに金で頼まれて芝居していた事が分かります。家に帰ったソジンはユジンを語る女に尋ねました。「お前は一体誰なんだ?」
ソジンは驚き泣いて土下座し、良い印象を持ってもらうために仕方なかったと話します。それでもソジンはユジンを疑いにかかりますが父はユジンを庇います。母はソジンがユジンを疑った事にショックを受け倒れてしまいます。
一度陥った混乱を収めるため、ソジンはユジンに謝りその場を収めますが、ソジンはユジンの髪の毛を手に入れもう一度DNA鑑定を依頼します。その後、警察に行き刑事から話を聞くソジン、そこでヒジョンが失踪したその日イェナのバレエ教室の駐車場でパクという男が亡くなっていることを知ります。
やはりここにもユジンが絡んでいることに、さらに疑念を深めたソジンは、刑事に妹のユジンは別人なのではないかと相談します。刑事はユジンに話を聞きますが、逆にソジンが妻の死後様子がおかしいのだと納得させられてしまいます。そして刑事は事件性はないと判断しました。
それから両親やイェナの様子がおかしくなっていきます。ユジンの言うことに両親は従い、イェナは母が死んだことを黙っていたことを責めだします。ユジンもソジンに挑発を始め四面楚歌状態です。物理療養士の男もその妻もユジンと同じタトゥーをしていました。ソジンは身の危険を感じずにはいられなくなります。
食われる家族のネタバレあらすじ:転
その後、ソジンは再びパクの事を調べ始めます。どうやらパクは行方不明の娘を探していた事が分かりました。そして留守にしてあるマンションに誰かがいる事を知りマンションに向かったパクは、そこで行方不明だったヒジョンが倒れているのを発見します。
その直後、何者かに後ろから殴られて気を失うソジン、目を覚ますと椅子に縛られていました。目の前には妻を轢き殺した男の姿、声は確かにユジンが見つかったと連絡をくれた男だったのです。男は催眠状態にし話をするとそれを信じてしまうという薬を使ったと話します。両親も娘もそうやってユジンに洗脳されていたのです。
「目的は何だ?金か?」ソジンが問うと男は否定しました。完全な存在である少女を神として崇める宗教、男もユジンもその一員だったのです。パクの娘がその選ばれた少女として崇められようとしたのですが娘は逃げ出し自らを傷つけました。
こうして娘は選ばれた少女ではなくなったのです。代わりに選ばれたのがイェナでした。パクはユジンを見つけた事で始末されてしまったのです。全てを知ったソジンは懸命に抵抗しどうにか逃げ出す事ができました。刑事にイェナを頼むと連絡しソジンは両親宅に向かいます。
そこにはユジンや刑事もいました。ソジンは真実を訴えますが、刑事はすでにユジンに洗脳されていたのです。ソジンの話は聞き入れられず逮捕されてしまいました。
食われる家族の結末
ソジンは刑事に頼んで二人きりで話をさせてもらいました。ユジンはお前の家族はすでに壊れていたと話し出します。イェナが生まれてから仕事ばかりで家庭を顧みないソジンに妻は追い込まれていました。そんな心の隙にカルト教団は声をかけたのです。
簡単に入信したとユジンは話します。しかしイェナが選ばれた少女になると知り怖くなり、教団から逃げ出したのです。さらに追い込まれてた妻でしたが、ソジンは相変わらず妻に寄り添いません。そしてついに教団により妻は事故を装い殺されてしまったのです。俄に信じがたいソジン、そんなはずはないと叫びます。
そのまま刑事に連行されていくソジン、もう何を言おうが信用してもらえないと悟り、車内で暴れだします。車は横転しソジンは車から逃げ出しました。車を止め乗せてもらう事に成功しますが、運転手は教団の人間だったのです。襲いかかる運転手をかわして車を奪い取る事に成功したソジン、ナビに登録されていた教団の集会場を目指します。
集会場に辿り着くと、ユジンの車がありました。そしてイェナの手を引くユジンの姿があります。すぐに追いかけ追いつくと、イェナは父の元に戻りました。ユジンはナイフを手に襲いかかります。ソジンは今手を引けば訴えないと告げますが、ユジンは引きそうにありません。
ユジンは、兄があの時手を離さなければこんなことにはならなかったと話しながら近づいてきて、やがて崖の手前までやってきました。そしてユジンにこちらに来るよう手を伸ばしますが、イェナは父の元から離れようとしません。ソジンはイェナを抱き締め、離そうとしません。
それを奪おうとさらに襲いかかるユジンは崖から転落、ソジンはユジンの手を掴み助けようとしましたが、やがて手を離し、ユジンはそのまま崖の下に転落してしまいます。
その後、ユジンたちのカルト教団の行動は明るみに出ることになり、捜査の手が入ります。両親やイェナも回復し、またいつもの日常が戻ってきました。そこにユジンのDNAの鑑定結果が返ってきます。ソジンは封を切ることなく、そのままシュレッダーにかけました。
以上、映画「食われる家族」のあらすじと結末でした。
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