いぬやしきの紹介:2018年日本映画。「GANTZ」を手がけた奥浩哉による人気コミック「いぬやしき」を実写化。メガホンを取るのは「GANTZ」に引き続き今回で2回目のタッグとはる佐藤信介監督。主演は木梨憲武、佐藤健。冴えないサラリーマン、犬屋敷壱郎はとある事故に巻き込まれ、超人的な力を手に入れる。同じ事故に巻き込まれたごく普通の高校生、獅子神皓は、壱郎が能力で人命を救う反面、力を殺人に使っていく。対極な2人はやがて激しくぶつかり、命をかけた闘いに発展していく。
監督:佐藤信介 出演:木梨憲武(犬屋敷壱郎)、佐藤健(獅子神皓)、本郷奏多(安堂直行)、二階堂ふみ(渡辺しおん)、三吉彩花(犬屋敷麻理)、濱田マリ(犬屋敷万理江)福崎那由他(犬屋敷剛史)、伊勢谷友介(萩原刑事)
映画「いぬやしき」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いぬやしき」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
いぬやしきの予告編 動画
映画「いぬやしき」解説
この解説記事には映画「いぬやしき」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いぬやしきのネタバレあらすじ:起
都内の小さな一軒家に暮らす冴えない初老のサラリーマン、犬屋敷壱郎(木梨憲武)はある日、健康診断の再検査を受けることになります。そこで「末期癌で、余命2ヶ月」と医者から告げられます。壱郎は、この事を家族に話そうとしますがなかなか言い出せず、1人虚無感に襲われていました。すると、外から一匹の芝犬が壱郎の元へやってきます。どうやら捨て犬のようで、リードには「はな子」と書かれています。気の毒に思った壱郎は、はな子を自宅で飼おうとしますが、妻の万理江(濱田マリ)にこっぴどく叱られ、捨ててくるように言われます。その日の夜、壱郎は泣く泣くはな子を外に置いて行きますが、はな子は壱郎の元を離れようとせず、結局捨てることは出来ませんでした。その後、壱郎ははな子を連れて公園へ向かいます。余命宣告を家族に告げられなかった事、告げたら家族は泣いてくれるのか、壱郎が思い馳せていると、空から眩しい光が差し込みす。壱郎立ち上がり、空を見上げます。その隣には、壱郎が来る前からベンチに座っていた青年の姿がありました。2人が光りを見つめていると、突然爆発に巻き込まれ意識を失います。
いぬやしきのネタバレあらすじ:承
目を覚ました壱郎は辺りを見渡しますが、特に壊れたものもなく、はな子も無事で、壱郎自身も傷一つありませんでした。しかし、壱郎の隣にいた青年の姿は消えていました。自宅に戻った壱郎は朝食を取りますが、味噌汁を飲んでも味がしません。更に異常に喉が渇き、蛇口から水道水をガブガブ飲み、家族から冷たい目で見られます。体の異常に混乱した壱郎は、自分の部屋で体を確かめようとシャツを脱ぎます。そして、体を触ると体内に何か硬いものが。押してみると、腕が割れて中から機械が出てきます。更に頭や背中からかも金属のようなものが飛び出してきます。壱郎は機械の体になってしまったのです。そして、腕の銃口のようなところから味噌汁が吹き出します。更に、壱郎の体内はレントゲンに映らず、癌も見つかりませんでした。ある日、壱郎は瀕死状態の鳩を見つけます。気の毒に思った壱郎は鳩を拾い上げると傷が完治され、元気に飛んで行きます。まさかと思った壱郎は病院に忍び込み、寝たきりの少年の体を触ると少年は目を覚まします。壱郎は、傷や病気を治す能力を手に入れたのです。家族から疎外され、職場でも馬鹿にされ、何をやっても役立たずだった壱郎は、命を救う事に生き甲斐を感じ、次々に病人を助けて行きます。一方、とある都立高校の生徒、獅子神皓(佐藤健)は不登校の友人、安堂直行(本郷奏多)の家へ訪れます。皓は直行に「面白いものを見せてあげる」と言いベランダへ連れて行きます。皓は指鉄砲で飛んでいる鳥に向かって「バンッ」と撃つ素振りをすると、鳥が落下していきます。更に、皓は駐車場の車を念力で動かし、破壊します。皓はあの日、壱郎と同じ公園にいた青年で、彼もまた超人的な力を手にしていたのです。翌日、皓は直行を学校に連れていき、いじめっ子を力でねじ伏せます。放課後、皓が帰ろうとすると、後ろから渡辺しおん(二階堂ふみ)が声をかけてきて、皓に告白します。しかし、皓は「ありがとう。嬉しいよ。」と言い、去っていきます。
いぬやしきのネタバレあらすじ:転
皓は母と二人暮らしで、父は離婚し別の女性と家庭を築きあげていました。皓は時々、父親の家へ遊びに行くのですが、母を捨てて幸せな家庭を築いた父に苛立ちを覚え、指鉄砲で殺そうかと考えますが、結局何もせず家を出ます。しかし、抑えきれない怒りの矛先は無関係の家族に向き、皓は無差別に侵入した一家を惨殺してしまいます。一家の断末魔を聞いた壱郎は急いで駆けつけると、家の中は血の海に。その中で皓が立っていました。皓は壱郎に向かって指鉄砲を撃つと、一郎は倒れこみ、皓は家を出ていきます。機械の体の壱郎は無傷で済みましたが、惨殺された一家を救えなかった事を嘆きます。そして、皓はこの日から自分より幸せな者へ憎しみを抱くようになり、犯罪行為を繰り返します。ある日、皓は母と歩いていると警察が現れます。皓は警官を撃ち殺した後逃走し、母と離れ離れで暮らす事になります。凶悪事件の犯人の母親として、世間は皓の母を激しく責め、耐えられなくなった母は自殺してしまいます。途方に暮れた皓を、先日告白してきた渡辺しおんが匿う事になります。しかし、しおんは特殊部隊により殺されてしまいます。大切な人を奪った国家と国民に皓はスマホや街中のモニターをハッキングし、宣戦布告します。そして、母の情報をバラまいたネット上の人間をスマホやPC越しに次々と殺していきます。皓の友人、直行は皓を止めるべく壱郎と接触します。直行は壱郎に戦闘の訓練をさせて、皓に対抗できるように指導します。その過程で、「機械の体は水分が動力源で、塩分に弱い」という事が分かります。
いぬやしきの結末
そしてある日、遂に皓が新宿東口の巨大モニターに現れ、街中の人々を無差別に殺し始めます。皓を止める為、壱郎も新宿へ飛んで向かいます。そして、壱郎はインターネットをハッキングし、モニターがある機械を捨てるようにと呼びかけます。邪魔者が入り苛立つ皓の元へ壱郎が駆けつけ、直接対決が始まります。しかし、その時娘の麻里は都庁の最上階にに社会科見学で訪れていました。そして、皓の襲撃によりビルは壊滅状態になり、麻里は命の危険に晒されていました。急いで麻里の元へ飛ぶために、壱郎が水を飲もうとすると、皓がそれを奪い全部飲んでしまいます。パワーアップした皓は容赦なく壱郎を襲います。戦う事に不慣れな壱郎は何とか皓の攻撃を避けつつ、新宿の空を飛び回ります。遂に逃げ場を無くした壱郎でしたが、突然皓の体が不具合を起こし停止します。実は、皓が先程飲んだ飲料水は、塩分が含まれており、壱郎はこれを狙っていたのでした。停止した皓に壱郎は腕の銃で皓を撃ち、地面に叩き落とします。そして都庁最上階に向かい、麻里を救出します。一安心する壱郎でしたが、そこへ復活した皓が現れ襲いかかってきます。壱方は麻里を庇いつつ、応戦します。しかし、遂に皓は麻里の首根っこを掴み、割れた窓外へ突き出し手を離します。落下して行く麻里を救うべく、壱郎は渾身の力を込めて飛び立ちます。それを阻止しようと皓は壱郎を殴りますが、壱郎の体は皓を貫通し、皓は破壊されます。壱郎は何とか麻里をキャッチし、自身の能力で麻里の怪我をを治癒します。それから数日後、食卓を囲む犬屋敷家のテレビに、皓の遺体が発見されたとニュースが流れます。そこにはいつも通り肩身が狭そうな壱郎の姿がありましたが、麻里だけはどこか優しい目で壱郎を見つめていました。
以上、いぬやしきのあらすじと結末でした。
漫画原作ものの映画です。冴えないおじさんがヒーローになると言うのが、何とも言えず、いいです。のりさんがハマリ役。ただのアクションものではなく、家族愛についても描かれているので女性も見やすいのではないかと思います。娘に嫌われていたお父さんが最後、娘を助けるシーンは涙です。特別な力を授けられても、いいことに使うか悪いことに使うか、人によって違う・・・。自分だったらどうするかな?そんなことも考えさせてくれる深い映画でした。