謝罪の王様の紹介:2013年日本映画。宮藤官九郎脚本のコメディ映画です。「謝罪師」を生業とする主人公が様々な問題を解決していくストーリーです。幾つかの章に分かれて物語は進んでいきますが、いずれも何かしら関係する要素があり、一つ一つの伏線が回収されていくような展開になっています。
監督:水田伸生 出演: 阿部サダヲ(黒島譲)、井上真央(倉持典子)、竹野内豊(箕輪正臣)、岡田将生(沼田卓也)、尾野真千子(宇部美咲)、荒川良々(和田耕作)、濱田岳(ワクバル)、松本利夫(船木)、高橋克実(南部哲郎)、松雪泰子(壇乃はる香)、ほか
映画「謝罪の王様」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「謝罪の王様」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
謝罪の王様の予告編 動画
映画「謝罪の王様」解説
この解説記事には映画「謝罪の王様」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
謝罪の王様のネタバレあらすじ:東京謝罪センター
司法書士を目指す倉持典子(井上真央)はヤクザの車と接触事故を起こし、相手側から多額の賠償金を請求されてしまいます。困った典子は、依頼者の代わりに謝罪することで、その人の抱えるあらゆるトラブルを収束させるという、東京謝罪センターの所長である黒島譲(阿部サダヲ)という男を訪ねます。典子は、謝るだけでは物事が解決するわけないと最初は怪しみますが、徹底した黒田の謝りぶりに、相手側のヤクザがだんだんと態度を軟化させていくのを見て、典子は黒田の才覚に驚きます。結果、賠償金は当初の額より大幅に減額されて解決します。典子は残りの賠償金を支払うために黒田の元でアシスタントとして働きだします。
謝罪の王様のネタバレあらすじ:セクハラに対する謝罪
東京謝罪センターに、女性からセクハラで訴えられたという下着メーカーの中堅社員・沼田卓也(岡田将生)という男が依頼に訪れます。彼は物事を何でもそのまま口に出してしまう癖があり、そのため周囲の反感を買う結果にいつもなっていました。何とか女性に謝罪するよう、黒田は機会を設けますが、なかなか上手く沼田は謝罪することができません。そのため、黒田は沼田に「自分がセクハラで訴えられたことで精神的に追い詰められていることをアピールするしかない」と言います。沼田は女性の前で、駅のホームで一芝居打ち和解を取り付けます。
謝罪の王様のネタバレあらすじ:謝罪の指南
俳優である南部哲郎(高橋克実)という男が東京謝罪センターに相談に来ます。南部の息子が傷害事件を起こし、世間に謝らなくてはならなくなったので、なるべく世間の反感を買わずに謝る方法を教えて欲しいという相談です。黒島は父親である南部哲郎に謝罪の指南をしますが、芝居じみた謝罪をしてしまった南部は世間の反感を買います。仕方なく元妻の大物女優・壇乃はる香(松雪泰子)を引っ張り出すと、彼女は自分の舞台の宣伝を交えて謝罪してしまい、同じく反感を買います。典子の助言により、肝心の被害者には謝罪をしていないことに彼らは気づき、南部とはる香は被害者に会って謝罪します。すると、被害者は実は自分の方が悪かったと真実を語ってくれました。
謝罪の王様のネタバレあらすじ:娘に謝罪
一流国際弁護士・箕輪正臣(竹野内豊)は、沼田の訴訟の弁護士であり、典子の大学時代の講師でもあります。完璧なエリート弁護士ですが、離婚して離れ離れになってしまった、当時3歳だった娘に手をあげてしまったことを今でも謝りたいと思っています。手をあげてしまった理由とは、忙しい自分にしつこく「脇毛ぼうぼう、自由の女神!」という下品なギャグに腹を立てたためでした。
謝罪の王様のネタバレあらすじ:マンタン王国
映画プロデューサー・和田耕作(荒川良々)がプロデュースした作品に、たまたまお忍びで来日していたマンタン王国・皇太子(野間口徹)がエキストラ出演していたことが発覚します。マンタン王国皇族の肖像権侵害は重罪であることから国際問題へと発展します。依頼された黒島は、何度もマンタン王国へ謝罪に行きますが、ことごとく失敗します。
謝罪の王様のネタバレあらすじ:黒島のルーツ
とうとうマンタン王国は日本との貿易停止を発表します。黒島は絶体絶命の窮地に追い込まれてしまいます。そんな中、黒島は自分が謝罪を生業とすることになったきっかけを典子に話します。それは以前、人気ラーメン店で食事をしていた時、黒島はラーメンの湯切りの熱湯を浴びてしまい、店員に謝罪を要求しようとするものの、店側はお金で解決しようとしたため、ますます黒島は意固地になり謝罪を求めました。しかし結局店員から謝罪の言葉はありませんでした。その経験から黒島は、謝罪して欲しいと言う人は心の中では許しているから、そのきっかけが必要なんだ、と言い、そんな人たちを助けてあげられるように、謝罪を生業とすることにしたと言います。
謝罪の王様の結末:「脇毛ぼうぼう、自由の女神!」
国際問題で八方ふさがりの黒島と典子の前に、ラーメン店の店員が現れます。そして、「脇毛ぼうぼう、自由の女神!」と叫びました。それこそ、土下座を越える究極の謝罪だと言います。この意味不明な行動と言動のルーツは、マンタン王国の映画「バタールの丘」のラストにありました。俳優の南部演じる伝説の将軍は、マンタン語で謝罪していますが、日本人には「脇毛ぼうぼう、自由の女神!」としか聞き取れません。この謝罪方法を会得した黒島は、マンタンに向かい、「脇毛ぼうぼう、自由の女神!」と連呼。マンタン王国と日本政府は和解したのでした。そして、実は箕輪の娘が典子だと分かり、言葉の意味を知った親子は和解します。謝罪によって様々な問題が解決され、その問題はそれぞれある部分で繋がっていたことが分かったところで物語は終わります。
以上、謝罪の神様のあらすじと結末でした。
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