木枯し紋次郎の紹介:1972年日本映画。「あっしにはかかわりあいのないことでこざんす」という流行語を生んだ笹沢左保原作、中村敦夫主演のテレビ時代劇の成功を受けて製作された。孤独な渡世人を映画版では菅原文太が演じる。江波杏子が二人のお夕を演じている。
監督:中島貞夫 出演者:菅原文太(木枯し紋次郎)、伊吹吾郎(清五郎)、渡瀬恒彦(源太)、山本麟一(拾吉)、賀川雪絵(お花)、小池朝雄(左文治)、江波杏子(お夕)
映画「木枯し紋次郎」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「木枯し紋次郎」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「木枯し紋次郎」解説
この解説記事には映画「木枯し紋次郎」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
木枯し紋次郎のネタバレあらすじ:左文治との出会い
上州無宿の紋次郎はある雨の夜、一宿一飯の渡世の恩義に報いるべく、やくざの出入りの助っ人になる。その晩紋次郎と相部屋だったのでやはり助っ人をした日野の左文治と親しくなり、日野に行き左文字の家に逗留することにする。 ところが紋次郎は、日野宿の貸元で十手預かりの井筒屋仙松殺害の罪で三宅島に流されることとなる。
木枯し紋次郎のネタバレあらすじ:紋次郎流人となる
流人の生活は苦しい。飢えをしのぐためには島民に仕事を貰わなければならない。だが、ある者は体を売り、別のある者は泥棒をはたらかざるを得ない。海に面した断崖の上の二本の蘇鉄の木に赤い花が咲くと御赦免船が来ると信じ、流人たちは赦免花と呼んで希望を託していた。あるいは島抜けをたくらむ者もいる。計画が発覚すると死罪、そしてほとんど誰も島抜けに成功した者はいなかったにもかかわらず。天保6年、清五郎は元漁師の捨吉をリーダーとする島抜けの一味に彼が兄貴と慕う紋次郎を引き入れようとしていたが、紋次郎は承知しなかった。紋次郎には島抜けをできない理由があった。実は井筒屋仙松を殺害したのは左文治だった。紋次郎が心秘かに思いを寄せていた両替屋の娘、お夕が仙松に手ごめにされかけたところを左文治が救ったのだった。紋次郎は、紋次郎に病気の母親を託して自首しようとする左文治に同情して身代わりに自首した。左文治は病床の母の死に水を取ったら自首すると約束した。紋次郎、清五郎たち流人を乗せて三宅島へ向けて旅立った船に、お夕を乗せた小舟が近づく。紋次郎はお夕が入水自殺するのを目撃する。
木枯し紋次郎のネタバレあらすじ:もう一人のお夕
紋次郎にはもう一つ島抜けをできない理由があった。流人の中に、死んだお夕と同じ名の女がいた。彼女は愛する男のために身売りしたのに男に裏切られたために男を殺したのだった。紋次郎は妊娠しているお夕の面倒をみてやっていたのだ。お夕は伝馬町の牢屋で役人に、お前はいつか情状が酌量されて赦免されると言われたことに希望をかけていた。半年振りに、流人船が島に着いたが、お夕への赦免状はない。お夕は「赦免花はとうとう咲かなかった」と紋次郎に言い残して崖から身を投げた。
木枯し紋次郎のネタバレあらすじ:悲惨な島抜け
一方、新しく来た流人の亀蔵から紋次郎は、左文治の母が前年の暮れに既に死んでいたことを知る。左文治に疑惑を抱いた紋次郎は、拾吉、清五郎、性犯罪でつかまった源太、元遊女で放火犯のお花に、いっしょに島抜けをすると申し出る。その時、三宅島の火山が大噴火を起す。彼らは、混乱に乗じて舟を奪い海に漕ぎ出す。島抜けは成功したかに思えたが、舟の上ではいがみ合いが続く。そして絡み合う源太とお花を捨吉はひとまとめに殺してしまう。島抜けの秘密を知る者が少ないほどいいというのが捨吉の考えであった。嵐が起き、三人は伊豆の浜辺に漂着する。先に起き上った清五郎は捨吉の刀を奪おうとするが、逆に捨吉に斬られる。紋次郎は小刀で捨吉を殺して、水車小屋で清五郎の応急治療をする。賭場で金を稼いで帰ってきた紋次郎になぜか清五郎は斬りかかる。そして小屋の外には紋次郎を狙う男たちが。賭場で紋次郎の顔を覚えていた男がいたのだ。清五郎は、赦免と引き換えに紋次郎を殺害することを流人船に乗る前に牢番から依頼されていたことを告白して息を引き取る。黒幕は誰なのか。
木枯し紋次郎の結末:明かされる真実
紋次郎は日野を目指して歩く。途中で紋次郎は命を狙われるが切り抜ける。そして左文治が紋次郎殺害を指示していたことを知る。ついに左文治の家に着いた。紋次郎は実はお夕は生きていて左文治の嫁になっていたことを知る。仙松を殺害したときにお夕は既に左文治の子供を胎に宿していた。左文治とお夕が紋次郎をだましたのはそのためだった。しかし、紋次郎は仙松に代わって十手を預かり権力を笠に着る左文治を許さず、長楊枝で左文治の目を潰した上に斬り殺す。「父なし児を育てていけない。私とこの子を斬れ」とお夕は訴えるが、「あっしにはかかわりあいのないことでこざんす」と言い残して紋次郎は去っていく。
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