狂覗の紹介:2017年日本映画。ある中学校を舞台に、いじめをテーマにした教師たちを描いた問題作です。体育の授業中に、教室で持ち物検査をする教師たち。彼らの教室での狂ったような行動を、延々映しだします。実話をモデルにした、宮沢章夫の『14歳の国』を原案にした作品で、監督は生地獄の藤井秀剛で、教師たちの異常さをおぞましいまでに増幅させています。
監督:藤井秀剛 出演者:杉山樹志(谷野十)、田中大貴(森由紀夫)、宮下純(橋本瑞穂)、坂井貴子(片山絵里子)、桂弘(管直樹)、望月智弥(野々村龍二)、種村江津子(舛添五月校長)、納本歩(小沢四郎教頭)、河野仁美(辻本清美)、井下原元(上西譲)ほか
映画「狂覗」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「狂覗」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「狂覗」解説
この解説記事には映画「狂覗」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
狂覗のネタバレあらすじ:起
ある中学校で、校長室に戻ってきた舛添校長は、暴行を受け半裸で縛られたままの上西先生を見つけます。舛添は教頭の小沢を実験室に呼び「警察には言わずに内部調査しましょう」と相談します。
そこへ生物教師の森が入って来ます。森は生徒指導もやっており、小沢は上西先生が生徒達に暴行を受けたに違いないと、今後の調査を命じます。森は、教え子で教師の免許を持つ谷野を自分の学校へ呼びます。谷野は過去に別の学校で諸問題があり辞めていました。
臨時教師として採用された谷野は、森から英語教師の片山と、理科教師の管を紹介されます。そして体育の授業を運動場でやっている片山のクラスの持ち物検査をやると言うのです。谷野は「これはまずいんじゃないですか?と言いますが、森は「今までやってきていることだ、生徒の中身を知るためには大事な事だ」と言います。
その教室に美術教師の橋本が入って来ます。「見せたいものがある」と言う橋本に、「先に持ち物検査だ」と森が言いました。
狂覗のネタバレあらすじ:承
「昨日の管先生のクラスでは、女物のパンツが5枚出てきた」と言う片山でしたが、早速女子のパンチラ画像と拷問道具が出てきます。更に多数の接着剤も見つかります。
橋本が万田美弥里の手帳から「14歳に満たないものは罰せられない」というメモを見つけます。「万田は要注意人物だ。小学生の頃、猫を爆竹で爆破させ、最近では同級生をイジメで精神病院へ送った」と話します。
しかし片山は「万田はクラスでトップの成績で、芸能界からも声がかかっている」と自分の生徒をかばいます。その時、橋本が「これを見せたかったの」と万田の描いた絵を見せます。「テーマは平和」という橋本が見せた絵は、悪霊のような呪われた暗い絵でした。
森が万田の携帯を見つけ調べようとすると、管が「それはやめろ」と叫びます。「何があるんだ」という森に、管が「ラブホテルで上西先生と万田が入るのを見た。援助交際をやっているんだ」と言うと、「じゃあ管先生は何故ラブホテルにいたの」と聞かれます。実は管も生徒と援助交際をやっていて、万田に携帯で写真を撮られていたのでした。
狂覗のネタバレあらすじ:転
森がSDカードを抜くと、管に渡します。そのころ谷野は、以前の学校での事がフラッシュバックします。女子へのイジメ、自分へのいじめなどが頭を巡ります。そして「万田に誰かがいじめられているんだ」と言うと、片山は「うちのクラスにいじめはない」と言います。
しかし橋本がゴミ箱をひっくり返すと、落書きされた教科書と切られた髪の毛が出てきます。更に切り刻まれた女子の制服がボードに画びょうで貼り付けられています。
イジメの実態を探るため、生徒のスマホを調べます。1台だけロックのかかっていないのを見つけると、SNSを調べます。そこには上西へのリンチがと、片山の授業のボイコットが書き込まれていたのです。上西が片山の生徒達にリンチされた事がわかります。そして実は荒れた教室だったことを告白する片山。
その時、片山が「机が一つ足りない」と言います。足りない机は万田の机で、窓から校庭に落とされていました。「いじめられていたのは万田だ」と言うと、管が「万田の携帯を探すんだ」と言って慌てます。森も「携帯を探せ」と言いますが、谷野が「万田がいじめられているんですよ」と反論します。
狂覗の結末
「生徒を殺した奴が黙ってろ」と森は言い放ちます。かつて谷野は、自分のクラスでいじめられている女子の携帯を覗き見して見つかります。女子は「いじめられてなんかいない」と怒って屋上へ上がります。追いかけた谷野は、女子と同級の先生の会話を聞きます。二人は関係をもっていて、結婚する先生に対し「お母さんに全部話す」と脅しています。
中を割って入った谷野でしたが、女子が先生に「離してよ」と暴れ出したはずみで屋上から転落死したのです。自首すると言う先生に谷野は「自殺をしたことにしよう」と言い、警察に話すと自殺になったのです。しかし生徒達は「嘘つき。死ね」と言いはじめ、谷野らを名指しでいじめはじめたのでした。
橋本の言葉で我に返った谷野は「体育の授業に万田がいない」と言う言葉を聞き、下駄箱を見に行くと靴があります。教室に戻った谷野が、窓際の椅子に貼りついてしまいます。椅子には接着剤が大量に塗られています。万田の椅子だと気付き、服を破かないと離れない事がわかると、谷野は「万田は教室にいる」と言い出します。
すると森がモップの柄を折って、掃除道具入れの扉の穴に何度も突き刺します。中には万田がいて血まみれで叫び声がします。森は「違う違う」といいながらよろけて窓から転落します。森は万田の机の上に落ちて死んでいました。
以上、映画「狂覗」のあらすじと結末でした。
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