皇帝ペンギンの紹介:2005年フランス映画。動物行動学の研究者でもあるリュック・ジャケ監督が、3人の仲間と極寒の南極で8880時間かけて撮影した皇帝ペンギンの生態を描いたドキュメンタリータッチの映画。人間味あふれるドラマチックなナレーションにより、過酷な環境の中で生き抜く皇帝ペンギンの親子のあたたかな物語を描き出しています。第78回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しています。
監督:リュック・ジャケ 出演者(ナレーション):父ペンギン(フランス語吹替:シャルル・ベルリング 日本語吹替:大沢たかお)、母ペンギン(フランス語吹替:ロマーヌ・ボーランジェ 日本語吹替:石田ひかり)、子ペンギン(フランス語吹替:ジュール・シトリュク 日本語吹替:神木隆之介)
映画「皇帝ペンギン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「皇帝ペンギン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「皇帝ペンギン」解説
この解説記事には映画「皇帝ペンギン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
皇帝ペンギンのネタバレあらすじ:起・懐かしい故郷へ
遥か昔、豊かな土地に生命があふれていた南極。氷河期以降、皇帝ペンギンの先祖はここに残ることになります。
平均気温マイナス40℃の南極に冬の兆しが訪れる三月。海で暮らしていた皇帝ペンギンたちは海中から飛び出し、100キロ先にある生誕の地オアモックへ、最初の行進“キャラバンの長い行進”となって歩み始めます。20日程の旅の末、迷うことなくオアモックに到着した皇帝ペンギンたちは、岩に守られた一番安全な場所でパートナーを見つけ毎年子作りします。
皇帝ペンギンのネタバレあらすじ:承・脆い命を守って
3ケ月後。産卵を終えた母ペンギンは、これから生まれるヒナと自分の命の糧を求めて、再び100キロ近く離れた海へ向かう必要があります。ダンスをするように上手に卵を転がして、父ペンギンが卵を受け取ります。しかし、経験不足である若いカップルの卵は寒さにやられる場合があります。母ペンギンの一団は、2度目の行進となる“たそがれの行進”となって海へと向かいます。
皇帝ペンギンのネタバレあらすじ:転・過酷な自然の掟
母ペンギンが帰還するまでの120日、父ペンギンは絶食状態で、仲間同士寄り添って寒さから卵を守ります。海に辿り着いた母ペンギンは海に潜り、ヒナと自分の命の糧のため獲物を捕獲します。100日後。母ペンギンが帰還する頃、あちらこちらでヒナが続々と孵ります。母ペンギンが外敵に襲われ帰還しなかった場合、体力の限界に近づいている父ペンギンはヒナを捨てて海に向かうことになります。無事帰還した母ペンギンにヒナを預け、父ペンギンの一団は最後の行進“飢えた者の行進”となって海へ向かいます。毎年この行進で、多くの犠牲者が出ます。
皇帝ペンギンの結末:巣立ちの時
春。自立し始めるヒナ達は連なり、氷上で“自由なヒナの行進”をしますが、最初の試練となるブリザードで命を落とすヒナもいます。不運にも我が子を失った母ペンギンは、他人の子を奪おうとする暴挙に出ます。1ヵ月後、団体行動を始めるヒナたちは、弱肉強食の世界を生き抜いていきます。海の氷が解けてきた夏。帰還した父ペンギンは、ヒナに餌を与えます。皇帝ペンギンの夫婦は、顔を合わせることなく交代で餌を捕獲するのですが、奇跡的に顔を合わせたこの夫婦は、我が子の成長を喜び合います。再会を誓った夫婦は、“別れの行進”の一団となって海へ旅立ちます。大人へ近づくヒナは仲間と共に海へ旅立ち、両親らと同じ道を辿っていくことになります。
以上、映画皇帝ペンギンのあらすじと結末でした。
このドキュメンタリー映画を見るまでは、ペンギンについてそれほど深くは知りませんでしたが、最大種である皇帝ペンギンの生涯について知ることができ、物語に感動したことを覚えています。フランス製作ということもあり、フランス語のリスニングも兼ねて見ていたような気もします。皇帝ペンギンの暮らしぶりから、-40度という厳しい南極大陸の寒さの中での母ペンギンの子育て、子ペンギンの可愛らしい姿や、集団行動の様子、餌を取りに行って、帰ってくるまでの苦労など、動物園で飼われているようなペンギンの環境とのあまりの違いの大きさにも驚きでした。海の中をスイスイ泳ぐペンギンの姿など、映像美も素晴らしく、撮影チームの大変さも伝わるかんじでした。