ラストタンゴ・イン・パリの紹介:1972年フランス,イタリア映画。アパートの空室。パリの孤独なアメリカ人と若い女の情事。性描写によって公開当時にセンセーションを巻き起こす。ベルトルッチの名声を決定的にした傑作だが、マリア・シュナイダーはアナルセックスのシーンの撮影で彼女の同意を得ずにバターが使われたことに傷ついていた。シュナイダーの没後、ベルトルッチの晩年にこれがレイプと誤解されインターネットでの炎上騒ぎになる。R18+作品。
監督:ベルナルド・ベルトルッチ 出演者:マーロン・ブランド(ポール)、マリア・シュナイダー(ジャンヌ)、ジャン=ピエール・レオー(トム)、マッシモ・ジロッティ(マルセル)、マリア・ミーキ(ローザの母)その他
映画「ラストタンゴ・イン・パリ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラストタンゴ・イン・パリ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラストタンゴ・イン・パリの予告編 動画
映画「ラストタンゴ・イン・パリ」解説
この解説記事には映画「ラストタンゴ・イン・パリ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラストタンゴ・イン・パリのネタバレあらすじ:起・名前のない男と女
若い娘ジャンヌは冬のある日、パリの高架下の道で中年男が叫ぶのに出くわす。その直後カフェで彼女の前に公衆電話を使っていたのもその男だった。そして偶然の出会いは彼女が気に入った古いアパートで繰り返される。ジャンヌが見に来た空き室に男は先に入っていた。部屋を借りるの、借りないのと話しているうちに男はジャンヌを抱き上げる。二人は服を着たままセックスをした後何事もなかったかのようアパートを出て別々の道を行った。
ジャンヌは駅で恋人のトムを迎えるが、二人にカメラとマイクがついてくる。トムを監督とする企画がテレビ局に採用され、ジャンヌを主人公にした映画の撮影が彼女の承諾なしでスタートしていた。一方、男の名はポール。アメリカ人で様々な経歴を経てフランス人のローザと結婚し安ホテルを経営していたが、妻がバスタブで手首を切って自殺したばかりだった。
ジャンヌは鍵を返すためにあの部屋に引き返す。すると業者が椅子やテーブルやベッドを運びこみつつあるところだった。ポールはジャンヌに提案した。俺も君も名はない。お互いの過去も知らない。外の世界は忘れてここで会おうと。
ラストタンゴ・イン・パリのネタバレあらすじ:承・過去のない男
最初はお互いのことを何も知らずにただ裸でむつみあうのがすばらしく思えた。だが、ジャンヌは自分の身の上を話し始める。軍服が素敵だった、1958年にアルジェリアで死んだ父のこと。ポールも農村で過ごした子供時代の思い出を話す。だがそれは事実なのだろうか。ジャンヌは孤独な男の正体を探ろうとするがポールはなかなか尻尾をつかませない。
ポールはホテルの住人でローザの愛人だったマルセルを訪れる。ローザはポールと同じガウン、同じバーボンをマルセルに贈っていた。だが、マルセルと話しても妻の死はポールにとって謎のままだった。あの部屋に戻ったポールはジャンヌのお尻にバターを塗って彼女をうつぶせに押し倒してアナルセックスをする。
ラストタンゴ・イン・パリのネタバレあらすじ:転・豚になる
ジャンヌは撮影を無理強いするトムに不満をもっていたが、けんかしても仲直りして撮影が続いていた。そしてカメラを前にしてトムはジャンヌに来週結婚しようとプロポーズする。ウェディングドレスの試着も撮影される。ウェディングドレス姿のジャンヌをトムが雨に打たれながら熱狂的に讃えているうちに、ジャンヌは撮影スタッフの前から消えてしまう。ジャンヌはあの部屋に行く。ポールは濡れたドレスを脱がしてジャンヌを風呂に入れて体を洗ってあげる。あなたに恋しているというジャンヌに対してポールは右手の二本指を彼の肛門に突き立てるように命じる。自分は豚になると言うポール。豚の相手でいいというジャンヌ。帰宅したポールは司法解剖が終わって家に戻り義母が花で飾った妻の遺体に話しかける。うそつきとなじり、やがて遺体に取りすがって泣き始めたところに階下で呼び声がする。娼婦が部屋を使わせろと言う。ポールは娼婦の逃げ出した客を追いかけて暴力をふるう。
ラストタンゴ・イン・パリの結末:消えた男
ジャンヌはポールがもちこんだものが部屋から消えているのに気づき涙する。管理人もポールの正体を知らなかった。ジャンヌはトムを呼び寄せ、その部屋を二人の新生活に使おうと言うが、ポールはこの部屋は自分たちに向かないと言って提案を退ける。
その帰り道、ジャンヌはポールに高架下の道で追いかけられる。ポールはにこやかに、初めて自己紹介をする。「終わった」と言うジャンヌと「また始まる」と言うポール。二人はダンスホールに行く。社交ダンスのコンテストが開かれタンゴの曲が流れている。コンテストが終わってラストタンゴが踊られているフロアへポールはジャンヌをひきずっていきめちゃくちゃなダンスをする。ジャンヌは逃げるが、ポールは彼女が母と暮らすアパートまで追いかける。愛している、君の名前を知りたいと言うポール。ジャンヌは名前を答えながら、父の遺品の拳銃でポールの腹を撃つ。ポールはベランダに出て崩れ折ちる。「知らない男」、「私をレイプしようとした」とジャンヌはうわ言のように繰り返す。
以上、映画「ラストタンゴ・イン・パリ」のあらすじと結末でした。
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