欲望のバージニアの紹介:2012年アメリカ映画。禁酒法時代のアメリカ。とりわけバージニア州のフランクリンは世界で最も密造酒の製造が盛んな街だった。その地において密造酒ビジネスで名を馳せ、不死身で知られたボンデュラント3兄弟の実話に基づく物語。原作はボンデュラント兄弟の末っ子ジャックの孫がつづった同名ベストセラー小説。アメリカ南部の無法地帯で起こった復讐劇と哀愁ある挿入曲の数々も見どころの作品。
監督:ジョン・ヒルコート 出演:シャイア・ラブーフ(ジャック・ボンデュラント )、トム・ハーディ(フォレスト・ボンデュラント)、 ジェイソン・クラーク(ハワード・ボンデュラント)、 ガイ・ピアース(チャーリー・レイクス)、ゲイリー・オールドマン(フロイド・バナー)、ジェシカ・チャステイン(マギー・ボーフォード)、 ミア・ワシコウスカ(バーサ・ミニクス)、デイン・デハーン(クリケット・ペイト)ほか
映画「欲望のバージニア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「欲望のバージニア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
欲望のバージニアの予告編 動画
映画「欲望のバージニア」解説
この解説記事には映画「欲望のバージニア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
欲望のバージニアのネタバレあらすじ:起
戦地にてボンデュラント兄弟の長男ハワードは仲間全員が海に沈む中、たった1人生き残りました。また同じ年、次男フォレストは全米を襲ったスペイン風邪で倒れ両親を失いますが、フォレストだけは命を落としませんでした。精神的ダメージによりハワードは酒浸りの毎日でしたが、フォレストは自分たち兄弟は死なないと確信します。当時のアメリカでは禁酒法により表向きでは酒の販売が禁じられていましたが、彼ら兄弟のホームタウンであるフランクリンは世界一密造酒の製造が盛んで、末っ子のジャックを含めた3兄弟も酒の密造で生計を立てていました。無法地帯とも言えるこの街はギャングの抗争も激しく犯罪の多い街でもありました。ある日、酒の取引で見張りをしていたジャックは見知らぬ男に金を出せと刃物を突きつけられます。フォレストに助けられましたがジャックは2人の兄とは違い、気が弱くそれをコンプレックスに感じていました。とある日、マギーという美しい女性が雇って欲しいと兄弟を訪ねてきます。フォレストは物静かで多くを語らないマギーに惹かれ雇うことにしました。また別の日、ギャングのフロイドが突然車でやってきて、ジャックの目の前で取締局の男に向け銃を乱発。あっさり射殺し去って行きました。ジャックは興奮気味に薬莢を拾うとそれを友人のクリケットの元へ走りプレゼントします。足に障がいのあるクリケットは手先が器用で、酒の製造機を自作していたところでした。
欲望のバージニアのネタバレあらすじ:承
ある日、フォレストの元に新任の特別補佐官であるレイクスがやってきて裏取引を持ち掛けてきます。フォレストは横柄なこの男が気に入らず、二度とくるなと追い払います。レイクスはこの兄弟に目をつけ、クリケットの家へ行き銃で脅すと酒を密造している場所や金の場所を教えろと執拗に迫ります。そこへジャックが現れクリケットを庇うものの今度はジャックを暴行します。その間、ジャックはただただ止めろと叫ぶことしかできませんでした。フォレストは何の抵抗もできなかったジャックを責め、こんな根性では商売ができないと罵ります。続けて言いました。ボンデュラント兄弟が生き残っているのは、恐怖を制するからだと。レイクスも次なる行動に出ます。保安官へ手を回し、フォレストを違法行為で逮捕すると脅して見せました。怒ったハワードは酔った勢いもあり保安官たちを殴り倒してしまいます。レイクスは次にマギーにも近寄ります。震え上がるマギー。レイクスは容赦なく次々と兄弟の周りの人々を脅していくのでした。一方ジャックは前から気になっていたバーサをドライブに誘うものの断られてしまいます。良からぬ噂で兄弟たちを恐れていたからです。レイクスによってボンデュラント兄弟に暗雲が立ちこめます。
欲望のバージニアのネタバレあらすじ:転
ある日、取引客とのいざこざがあり力によって収めたフォレストは車の異変に気付きます。様子を見ようとした時、待ち構えていた男たちによってナイフで喉を切られてしまいました。ところが重傷を負いながらも生きていたフォレスト。街では瀕死状態のまま病院まで歩いて行ったフォレストの噂が立ちます。マギーが病院に現れました。そして街を出ていくことを告げますが、フォレストは自分たちが守ると引き止めます。その言葉に静かに涙したマギーでした。ジャックは兄たちに黙って友人クリケットと酒の取引へと向かいます。ところが取引はフロイドの罠でした。2人は穴の中へ落とされ、フロイドは部下に撃つよう指示します。ジャックは勇気を奮い立たせ、兄弟の名を叫びました。そのとたん、フロイドの態度が一変します。フロイドはレイクスに立ち向かうこの兄弟たちを買っていたためジャックたちは殺されずに済みました。さらにフロイドはフォレストを襲った男たちがレイクスの手下であることを教えます。後日、退院したフォレストとハワードはこの男たちを殺しました。そしてフォレストは男性器を切り落とすと、それをレイクスへ突き出すことをジャックに指示します。ジャックは仕事を任されるようになり、みるみる頭角を表していきました。
欲望のバージニアの結末
街の密造酒製造者たちはレイクスの残忍な横行に次々と屈していき、身を引いていきます。ボンデュラント兄弟だけは抗い、ついに群最大規模の蒸留器が完成。森の中へと隠しました。そんな中、ジャックはバーサとのドライブを取り付け浮き足立った勢いで、自慢の蒸留所へ連れて行きます。ところが彼らを付けていたレイクスに蒸留所が見つかってしまったのです。ジャックはクリケットにバーサと逃げるよう言い残し、レイクスを撃退しようと試みます。ところがレイクスに銃を向けたものの発砲することはできずその場を離れます。蒸留所は燃やされ、さらに森の中に隠れているクリケットとバーサがレイクスに見つかってしまいました。クリケットはレイクスによって絞め殺されてしまったのです。蒸留所と大切な仲間だったクリケットを失った兄弟。ジャックは自責の念から居ても立っても居られず、復讐のために飛び出しました。続くフォレストをマギーは引き止めます。そして喉を切られた時に病院まで運んだのは自分だと告白。それだけではなく、フォレストを襲った男たちにマギーは乱暴されたことを知らされます。怒りが最高潮に達しフォレストは出て行きました。ジャックはレイクスに腹を撃たれてしまいしたが、兄たちが到着すると銃撃戦が始まります。フォレストも肩を撃たれ兄弟は苦戦を強いられていました。ところがそのときに、新たに街の人々が銃を持って応戦に駆けつけてきます。ジャックはレイクスに向け銃を放つと、すかさずハワードがナイフで刺しついにレイクスを倒しました。1933年、禁酒法が廃止されフランクリン郡の密造酒製造も不要になりました。ハワードは別の街へ移った後に結婚し子宝に恵まれ、フォレストはマギーと結婚、ジャックはバーサと結ばれました。俺たち兄弟は死なない、フォレストだけではなく誰しもがそう思っていましたが、ある日酒に酔ったフォレストは冷たい湖に落ちあっけなく亡くなりました。こうしてボンデュラント兄弟きっての無謀者フォレストの人生に終止符が打たれたのでした。
以上、欲望のバージニアのあらすじと結末でした。
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