マスカレード・ホテルの紹介:2018年日本映画。東野圭吾のミステリー小説『マスカレード』シリーズ第1作を『HERO』『本能寺ホテル』などの鈴木雅之監督が映画化したミステリー・サスペンス作品です。鈴木監督とは『HERO』でコンビを組み、刑事役は初挑戦となる木村拓哉と長澤まさみがダブル主演を務め、豪華キャストが集結しての二転三転する驚愕の展開が描かれます。都内で連続殺人事件が発生。犯人から次は高級ホテル「ホテル・コルテシア東京」で犯行を起こすと予告されたことから、潜入捜査のためホテルマンに扮して配属されたエリート刑事が教育係のホテル従業員と共に事件の核心に迫っていきます。
監督:鈴木雅之 出演:木村拓哉(新田浩介)、長澤まさみ(山岸尚美)、小日向文世(能瀬)、梶原善(本宮)、泉澤祐希(関根)、東根作寿英(久我)、石川恋(川本)、濱田岳(宿泊客)、前田敦子(宿泊客)、笹野高史(宿泊客)、高嶋政宏(宿泊客)、菜々緒(宿泊客)、生瀬勝久(宿泊客)、宇梶剛士(宿泊客)、橋本マナミ(宿泊客)、田口浩正(宿泊客)、勝地涼(宿泊客)、松たか子(宿泊客)、鶴見辰吾(田倉)、篠井英介(尾崎)、石橋凌(藤木)、渡部篤郎(稲垣)、ほか
映画「マスカレードホテル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マスカレードホテル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マスカレードホテルの予告編 動画
映画「マスカレードホテル」解説
この解説記事には映画「マスカレードホテル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マスカレードホテルのネタバレあらすじ:起
東京都内で3件の連続殺人事件が発生しました。現場に残された手がかりから、次の犯行の場は高級ホテル「ホテルコルテシア東京」だと断定した警察は対策本部を設置、捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)ら刑事数名が、ホテルマンを装って潜入捜査することになりました。
帰国子女で英語が堪能なことからフロントスタッフに任命された新田の教育・補佐係には優秀なホテル従業員でフロントクラークの山岸尚美(長澤まさみ)があたることになりました。以前に綾部貴彦(濱田岳)という客がわざと室内でタバコを吸い、あたかも部屋にタバコの臭いが染みついているとクレームを入れて部屋のグレードアップを狙ったことがあり、山岸は冷静に対応してことを収めたことがありました。
山岸は早速不愛想で短気な新田の態度や動作などを注意し、ボサボサと伸びた髪の毛を切らせ、髭も剃らせました。早速接客にあたった新田は他の客よりも先にチェックアウトするよう要求してきた宿泊客の大野(笹野高史)に順番を守るよう指示しましたが、「お客様がルール」がポリシーの山岸は自ら大野の応対にあたりました。
ある時、古橋(髙嶋政宏)という客がチェックアウトした際、山岸は以前にもここに宿泊したことのある古橋の部屋から1着2万円する備品のバスローブがなくなっていたことを思い出し、部屋を確認したところ今回もバスローブはありませんでした。山岸は古橋の荷物を点検しようとしましたが、新田はそれを制すると部屋のベッドの下からバスローブを発見しました。
新田は刑事の勘から、古橋の狙いはバスローブがなくなったことでわざと荷物を検査され、クレームをつけて金を騙し取ろうとしていたことを見破ったのです。山岸は新田に感心しながらも、ホテルスタッフとしては接客よりも事件解決を優先させる新田と反りが合わず、事あるごとに衝突するようになりました。
マスカレードホテルのネタバレあらすじ:承
ある日、ホテルに片桐遥子(松たか子)という視覚障害者の老婆が訪れました。スタッフが片桐の世話をするなか、新田は片桐が手袋をつけており、目の代わりとなっている杖の感触の妨げになることから、片桐は本当は目が見えるのではないかと疑いました。しかし、山岸はたとえ見えない振りをしていてもホテルのルールには反していないからと片桐に対して丁寧な接客を続けました。
片桐は用意された部屋に幽霊のようなものが見えるとクレームをつけ、山岸を呼んで別の部屋に変えてもらいました。チェックアウトの際、片桐は山岸に実は自分は目が見えること、そして近く上京する予定の霊感のある視覚障害者の夫のための下見であることを明かし、山岸の丁寧な接客を絶賛しました。
一方、新田は宿泊に来た元相棒の品川警察署刑事・能勢(小日向文世)の接客をしていました。能勢は第1の被害者である会社員・岡部哲晴(平山祐介)殺人事件の容疑者にアリバイがあったことに悩む新田に、岡部は人妻と不倫していたという情報を与えました。能勢は捜査のためすぐに部屋を出、ルームキーを預かった新田はホテルマンは使命されたら無条件で部屋に行かなければならないことから、犯人は宿泊客だけではなく従業員もターゲットにしている可能性があるとのヒントを得ました。
新田は山岸を屋上に呼び出し、捜査関係者しか知りえない極秘情報を話し始めました。第1の被害者である岡部、第2の被害者である主婦・野口史子(千咲としえ)、第3の被害者であ高校教師・畑中和之(白畑真逸)。いずれの事件も手口は異なるものでしたが、現場には必ず暗号らしき数字を記した紙片が残されているという共通点がありました。それは次の犯行場所の緯度経度を指し示すものであり、解読した結果、その場所とは何とこの「ホテルコルテシア東京」だったのです。
新田は犯人は宿泊客だけでなく従業員も標的にしている可能性、客室なら犯行に及びやすいこと、そして犯人は部屋に自由に出入りできる従業員の可能性もあるという推理を展開、内部の人間の犯行を疑われた山岸は憤慨して協力依頼を拒否しました。しかし、新田はあえて山岸に情報を流すことで内部の人間まで注視してもらうことをあらかじめ計算に入れていました。
マスカレードホテルのネタバレあらすじ:転
ある時、新田は宿泊客の栗原健治(生瀬勝久)の応対することになりました。栗原はわざわざ新田を指名して部屋まで荷物を運ばせました。さらに栗原は眺めの良い部屋がいいと言い出して部屋の交換を命じ、結局は元の部屋に落ち着きました。新田は栗原にどこか見覚えがありました。栗原は荷物のパソコンのデータがなぜか消えていたことから新田に書き直すよう命じ、30分おきに連絡するから部屋の電話からかけ直すよう命じて外出していきました。
新田の作業を手伝った山岸は、自分がこのホテルに就職した経緯を語りました。山岸は大学受験でこのホテルに泊まった際に大事なお守りを部屋に置き忘れてしまったのですが、わざわざホテルマンの一人が受験会場まで届けにきてくれたのです。山岸はこの時のホテルマンの親切丁寧で手際よい対応に感服してこのホテルへの就職を決意したのです。
山岸は安野絵里子(菜々緒)という客を応対した際、絵里子から1枚の写真を見せられ、写真の人物・館林光弘(宇梶剛士)はストーカーなのでもしホテルに来たら追い返すよう頼まれました。山岸は断りますが、警察は写真を預かって警戒することにしました。山岸はこの件から自分が1年前に経験したことを思い出し、新田にこのことを語りました。
それはある女が宿泊客の男の部屋番号を知りたいと言ってきたことでした。山岸は客の部屋番号は決して他者に教えてはならないとのことから男は宿泊していないと嘘をつきましたが、この男のストーカーである女は執拗に食らいつきました。山岸はこの客は部屋をキャンセルしたと答え、既に満室だと言うと女は仕方なく引き上げていったのです。
やがてホテルに舘林が宿泊客として訪れ、山岸はうっかり絵里子に舘林の部屋番号を教えてしまいます。山岸は絵里子に部屋から出ないよう指示していたのですが、絵里子は舘林の部屋へ向かいました。監視カメラで確認した山岸は絵里子こそがストーカーだと思い、新田と共に舘林の部屋に向かったところ、実は絵里子は舘林の妻であり、舘林が愛人(伊藤優衣)と浮気している現場を押さえようとしていたことが判明しました。絵里子は舘林に離婚届を突き付けて去っていき、山岸は部屋番号を教えてしまったことを反省しました。
栗原は元々新田が高校生だった頃に学校に来た英語の教育実習生でした。同級生は栗原をからかうために英語が得意な新田をぶつけ、新田から英語の発音を指摘された栗原は教職を諦めていた過去がありました。新田の正体が刑事だと知らない栗原はリベンジのためにわざと無理難題を押し付けたことを認めてホテルを去っていきました。
新田は山岸に、栗原はなぜわざわざ部屋の電話からかけさせたのか質問しました。山岸は外からホテルに電話を掛けるとオペレーターがどの部屋に繋いだか分からないというホテルの通話回路網の構造を説明しました。そのことでひらめいた新田は能勢にアリバイ崩しの説明をしました。
最初の被害者の岡部の同僚である手嶋は会社の金を横領していたのですが、犯行時刻には手嶋の元恋人・本多が犯行現場から離れた自宅にいる手嶋に電話をしており、その様子は本多の友人・井上が見ていたというのです。実は人妻である井上は岡部の浮気相手であり、新田は井上が浮気を隠すために本多の携帯の電話帳の手嶋の電話番号を書き換え、あたかも自宅に掛けたように見せかけたのではないかと推理しました。
新田の推理は的中し、アリバイが崩れて手嶋と井上は岡部殺害容疑で逮捕されました。押収された手嶋のパソコンからは闇サイトとの繋がりがあり、一連の事件の犯人は別々ながらもいずれも闇サイトで繋がっていてあたかも連続殺人事件のように見せかけられていたことが判明しました。
どうやらこの闇サイトを仕切る人物こそがこのホテルで次の犯行に及ぶ可能性が浮上、対策本部はこのことはホテルに伏せておくことにしましたが、新田はホテルに伝えるべきだと反論しました。一方、山岸は新田から聞いた話を藤木総支配人(石橋凌)と田倉宿泊部長(鶴見辰吾)に話し、田倉は従業員が犯人に狙われている可能性もあると考えました。
マスカレードホテルの結末
このホテルで挙式を開く予定の高山佳子(前田敦子)が打ち合わせに訪れました。山岸は友人から預かったというプレゼントのワインを高山に渡しましたが、新田はこのワインになぜかデパートの宅配シールが貼られていることに気づきました。実際には友人はワインを送っておらず、コルクには注射針の跡がありました。
高山はかねてからストーカー被害に悩まされており、警察は高山が第4の事件の標的にさらている可能性が高いとして翌日の挙式は万全の警備態勢で臨むことにしました。能勢は山岸に、新田は自分勝手で能力を生かし切れていないと話し、山岸はなぜ話したのか尋ねると「今はあなたが新田の相棒だから」と答えました。
一方、新田はフロント業務のため当日の現場警備から外されて不満を感じていましたが、チェックインした森川寛子(橋本マナミ)をサングラスの男が見ているのを不審に感じました。実はこの男は有名政治評論家(田口浩正)であり、森川と密会するために変装していたのです。山岸は密会の手口はいろいろあると新田に教えました。
新田と能勢は改めて一連の事件を整理しました。第1の事件の犯人は被害者の同僚および不倫相手、第2の事件の容疑者は被害者の夫でしたが、第3の事件については未だに容疑者は特定できないままでした。新田は黒幕には殺したい人間が2人おり、1件の事件を他の3件の事件と関連付けたうえでもう1件の犯行を隠したいのではと推理しました。
新田と能勢の会話を聞いていた山岸はすぐに公表すべきだと主張しますが、新田は明日の結婚式まで待ってほしいと頼み、山岸も了承しました。山岸はホテルに来る人はみな客と言う“仮面”を被っており、その仮面を外してはいけないと言ったうえでもし何かあればホテルを辞めると言い出し、新田もその時は自分も刑事を辞めると告げました。
翌日、高山の挙式当日。能勢は何やら心当たりがあった、1ヶ月前に発生した別の未解決殺人事件を洗い直していました。その事件の被害者・松岡高志(水間ロン)の死体から注射痕があり、殺害に使われた薬物は高山宛のワインに混入されていたものと同じものでした。名古屋の劇団員だった松岡は約1年前にこのホテルに泊まったことがありました。
高山の挙式披露宴が始まりました。新田と山岸は女装した男(勝地涼)が披露宴会場に向かったいることに気づき、新田から連絡を受けた警備の刑事が男を取り押さえましたが、男はある人物からネットで高山に手紙を渡すよう依頼されただけだと白状しました。手紙には一連の事件と同様に暗号の数字が書かれていました。
能勢は松岡が所属していた劇団のポスターの画像を新田に送りました。そこには先日このホテルに泊まった片桐の姿がありました。その片桐はちょうど再びこのホテルを訪れており、対応した山岸に夫は都合が悪いので来れなくなったと伝え、山岸が部屋に入ったところで手足を縛って拘束しました。片桐の正体は松岡と同じ劇団に所属していた長倉麻貴であり、老婆というのも変装であり、何と山岸が1年前に追い返した客だったのです。
あの時、松岡の子を妊娠していた長倉は責任を取らせるためにホテルに泊まっていた松岡の元に乗り込もうとしたのですが山岸に追い返され、雨の降る外で一晩待っていたのです。このことが原因で流産した長倉は恨みに思って松岡を殺し、山岸をも殺そうと決意したのです。長倉は闇サイトの黒幕であり、4件の時限現場に暗号を残したのも長倉であり、そして高山のストーカーも長倉がでっちあげたものだったのです。
長倉は部屋を5つ取っており、異変に気付いた新田は1部屋ずつ確認しながら山岸を探して回りましたが、長倉は山岸を連れて風呂場に隠れており、新田は部屋を出てしまいます。長倉は山岸の首に注射器を押し当てたその時、新田が部屋に駆け付けて長倉を逮捕、山岸を助けました。新田はいつもはきちんと置かれてある机の文鎮がずれていることのに気づき、出たフリをしていたのです。
その後、他の事件の犯人も続々逮捕されていき、事件は解決して本部も解散しました。藤木は新田に山岸を救ってくれた事を感謝し、新田は外でホテルに一礼して元の日々に戻っていきました。
後日、藤木は新田と能勢をホテルの最上階にあるレストランに招待しました。藤木と能勢は新田と山岸を二人きりにさせるために食事には参加しませんでした。新田は今度は宿泊客として訪れたいと語り、新田と山岸は楽しい一時を過ごしました。
以上、映画「マスカレードホテル」のあらすじと結末でした。
「マスカレードホテル」感想・レビュー
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木村拓哉さんの存在感が際立つ映画なのかなと思って観ていたら、どんどん個性的なホテル客が出てきて、全体的に面白くバランスが取れた映画になっていると思いました。犯人役の松たか子さんの演技力の高さには脱帽で、見事に騙されてしまいました。原作を読まず映画を観たので、最後の犯人の展開まで楽しむことができました。
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この作品は、すごく面白かったイメージがあります。木村さんや長澤さんをはじめとしたキャストの方の演技が凄く光っていました。
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おもしろいです。キムタクが、やっぱり、かっこいいです。観ていてハラハラドキドキしました。次回作が楽しみです。
まず、キムタクがめっちゃかっこいいです。THE木村拓哉です。物語には色んな小さな謎が見え隠れして、最後に全てのピースが合わさってスッキリします。この映画のもう一つの魅力は、何と言ってもキャストの多さ、豪華さだと思います。しかも隠れキャラとしてあの有名お笑い怪獣がエキストラ出演しています。見つけたときは思わず笑ってしまいました。リアル「ウォーリーを探せ」状態です。是非、皆さんにも映画を見て見つけて欲しいです。