HEROの紹介:2015年日本映画。フジテレビ系列で放送された木村拓哉主演のTVドラマ『HERO』の劇場版第2弾です。キャッチコピーは「新たなる伝説が始まる」で、ある一人の若い女性の不審な交通死亡事故を発端に、常識にとらわれず自分の価値観で捜査をする検事・久利生公平と東京地検城西支部の個性的な仲間たちが、外交特権という高い壁に立ち向かっていく姿を軽妙なタッチで描いたサスペンス・ヒューマン映画です。この作品は、第33回ゴールデングロス賞(2015年)の日本映画部門・優秀銀賞を受賞し、出演した吉田羊は第40回報知映画賞助演女優賞しました。
監督:鈴木雅之 出演:木村拓哉(久利生公平)、北川景子(麻木千佳)、杉本哲太(田村雅史)、濱田岳(宇野大介)、正名僕蔵(井戸秀二)、吉田羊(馬場礼子)、松たか子(雨宮舞子)、佐藤浩市(松葉圭介)、ほか
映画「HERO(2015年・木村拓哉主演)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「HERO(2015年・木村拓哉主演)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
HERO(2015年)の予告編 動画
映画「HERO(2015年・木村拓哉主演)」解説
この解説記事には映画「HERO(2015年・木村拓哉主演)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
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HERO(2015年)のネタバレあらすじ:1.交通事故発生
平成17年12月6日、鷲の紋章がついた扉を開け、一人のドレス姿のうら若き女性が「イヤ!」と叫びながら、屋敷の外へ走って出ようとしていました。彼女は誰かに追われているようでした。彼女は追っ手から逃れ、高い塀で囲まれた屋敷の外へ逃げることに成功しました。彼女はヒールを脱ぎ捨て、必死で逃げようとしました。その時、真っ赤な車が突然、猛スピードで彼女を跳ね飛ばしました。彼女は高く宙に浮き、地面に叩きつけられ、即死しました。雨が降ってきました。息絶えた彼女をよそに、誰かが彼女が脱ぎ捨てた靴を持ち去りました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:2.久利生の疑念
翌日、東京地検城西支部の検察官(検事)・久利生公平は、いつものように朝を迎えました。かつて久利生の下で事務官として働いていた雨宮舞子は、晴れて検察官となり、大阪地検難波支部で勤務していました。雨宮は今、広域暴力団・二崎(おとざき)会の一連の恐喝事件を担当していました。雨宮は上司・木下高雄から、その二崎会の事件の真相を握る証人の一人・三城紗江子が交通事故で昨夜23時3分、交通事故で死亡したという知らせを受けました。場所は東京都港区元麻布、警察は単なる事故死と判断したようでしたが、雨宮は疑念を抱き、直接、現場を調査に行くことにしました。ただ、この事件は東京地検城西支部のあの久利生検事が担当していました。一瞬躊躇した雨宮でしたが、決意を固め、事務官・一ノ瀬隆史を連れて東京へ向かいました。
その頃、城西支部はいつもと同じ面々が仕事に取りかかっていました。Gパンにダウンジャケット姿の久利生の下には、若い女性事務官・麻木千佳が就いていました。久利生は麻木と共に、昨夜の交通事故の取り調べをしていました。「平成17年12月6日23時3分頃、東京都港区元麻布…普通乗用車でパーティーコンパニオン・三城紗江子を死亡させた」という久利生の警察での調書を読み上げると、三城を撥ねたという運転手・徳本健也は、「あの方がいきなり飛び出してきんです」と呟き、容疑を全面的に認めました。しかし、久利生は被害者・三城が靴を履いていなかったこと、ストッキングが泥だらけだったことに疑問を抱きました。久利生の「自分自身が納得しない限りトコトンまで追究しなければ気が済まない型破りな性格」が動き始めました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:3.久利生と雨宮の再会
そこにやって来たのはかつての事務官・雨宮でした。雨宮は検事となり、8年ぶりに城南支部にやって来ました。久々にやって来た雨宮を、城南支部の面々は久利生との再会をハラハラしながら歓迎しました。過去の二人の事情を知らない麻木は、ハラハラドキドキするみんなを余所に、歓待しました。雨宮は、死亡した三城が二崎会の恐喝事件の証人であったことを、久利生、そして支部長・川尻健三郎に話しました。それを聞いた久利生は思わず「それって、口封じ…」と呟きました。雨宮は久利生たちに「これは単なる交通事故ではないかもしれません」と抱いていた疑念を言いました。久利生、雨宮は早速、麻木と一ノ瀬を連れて現場検証に行きました。そこは閑静な住宅街でした。
そこにあったのは、高い高い塀でした。「誰かのお屋敷?」「地主系?」と久利生、雨宮は疑念を積もらせ、その塀沿いに歩きました。長く高い塀で囲まれた屋敷は、なんと「ネウストリア公国大使館」でした。電話でそれを聞いた川尻は「大使館はダメだぞ」と言いました。なぜなら、大使館には日本の司法権が及ばない外交特権「治外法権」があるからでした。久利生たちがベルを鳴らして、簡単に開けてくれる訳がありませんし、そんなことをしたら外交問題になりかねません。閉じられた大きな門を前に、雨宮、麻木、一ノ瀬たちは諦めて帰ろうとしました。しかし、久利生は「無理っ“ポイ”よな~」と呟きながら、門の横のベルを何度も何度も押し、中から誰かが出てきたら質問しようとしました。そんな久利生を三人は引き留めました。
ちょうどその頃、大使館内では日本とネウストリアとの予備外交交渉が行われていました。日本の外務省・松葉圭介がその担当主任として、その交渉を行っていました。松葉はネウストリア公使のクレマンス・ヴェルネやエリック・コールマンらと交渉していましたが、話は暗礁に乗り上げ、松葉はまだ面識のないジャック・ローラン大使と面談を要求しました。しかし、ヴェルネらはそれを拒否しました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:4.「国境を越えるもの…」「あるよ」
何も得られず支部に帰った久利生と雨宮は、東京地検本庁次席検事・牛丸豊演に呼び出されました。ネウストリア広告から外務省、外務省から法務省、法務省から東京地検へと久利生がした行為に対しての厳重注意が寄せられたのでした。牛丸は久利生に「外交特権を知らんのか!」と切々と説教をしました。しかし、久利生は牛丸に交通事故で亡くなった三城が2時間前に一人のネウストリア男性と会っていた写真を見せ、「おかしいと思うのが普通でしょ?」と彼を困惑させました。牛丸は困惑しましたが、「もう大使館は忘れろ!」と久利生と雨宮に厳命しました。
後日、久利生は麻木を連れ、大使館の開かずの門に立ち「これが国境か」と呟きました。その日、久利生たち城西支部の面々は、雨宮と一ノ瀬の歓迎会を行きつけのバー「St.George’s Tavern」で開きました。昔の久利生と雨宮の関係を知らない麻木は、雨宮に突っ込んだ質問をして、周囲をハラハラさせました。支部長・川尻も二人の事情を知らないため、意表をつきドキッとする質問をしました。
そんな状況の中、雨宮はみんなに、今自分は1つ年上のイケメン弁護士からプロポーズを受けたことや、その相手の両親が貿易会社の経営者であることなどを、ペラペラと話しました。久利生は「国境を越えるもの…」と一人呟き、考えていました。歓迎会終了後も、久利生は「国境を越えるもの」について考えていました。傍にいた麻木はそんな久利生の言葉を聞き、「愛」「歌」「食べ物」と思いつくものを言いました。久利生は「食べ物」という彼女の言葉で、「ネウストリア料理の店がないか?」と考えました。するとマスターは「あるよ」と言い、教えてくれました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:5.ソーセージとペタンク
早速、久利生は麻木を連れて、マスターが教えてくれた都内の1軒しかないネウストリア料理店に行きました。二人はとりあえずビールと、店主・サルキンが奨めるソーセージを頼みました。そして、久利生は店主に事故直前の三城とネウストリア男性の写真を見せますが、店主は知りませんでした。そうこうしていると、注文したソーセージがきました。それは巨大で非常に美味しいものでした。驚く久利生と麻木に、背後から別の奥の席に座っていた初老の男が「ネウストリア人は1日に7本食べる」と日本語で教えてくれました。驚く久利生は、その初老の男性からネウストリア人はペタンクというスポーツが好きだという情報を得ました。
翌日、久利生は早速、ペタンクの道具を購入し、その競技の解説書を読んでいました。そこへ大使館相手では捜査ができず、進展がみられない雨宮は、久利生に「大使館は無理です!」と言って、一ノ瀬を連れて大阪へと帰っていきました。さてペタンクという球技はフランス発祥のもので、コート上に描いたサークルを基点とし、目標となる球である木製の「ビュット」に金属製のボール「ブール」を投げ合い、相手よりその「ブール」を「ビュット」に近づけることで得点を競うスポーツでした。但し、これは3人一組のチームで戦うのが基本でした。久利生は同僚で麻木に片思いしている宇野大介に半ば強引に声をかけ、麻木と宇野と3人でチームを組みました。久利生は、早速、ネウストリア料理店へ行き、ネウストリア大使館職員を待ち伏せしました。久利生の読み通り、大使館職員の3人組がやって来ました。久利生は彼らにブールを見せて競技しようと声をかけました。
久利生らは翌日、彼らと対戦しました。思いの外、ペタンクで盛り上がった久利生ら一同は、ネウストリア料理店で乾杯しました。親しくなった勢いに任せて、麻木は彼らにあの写真を見せました。その一人・カッセルは久利生の素性を怪しみました。久利生は仕方なく自分が検事であることを告げると、すぐさまカッセルらは「利用された」と勘違いし憤りました。久利生と麻木はそんな彼らに謝罪しますが、彼らは席を立ち、去って行きました。ただ、久利生はその写真の男がコールマンという大使館職員だという情報を得ました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:6.狙われた久利生
その翌日から、久利生は命を狙われ始めました。通勤途中で赤色信号時に、久利生は何者かに車道に押し飛ばされ、危うく車に轢かれそうなりました。久利生は出勤すると外務省の欧州局局長・松葉から呼び出しをくらいました。松葉は「国益を損ねている。違法な捜査を直ちにやめなさい」と久利生に言いました。「違法」と言われた久利生は松葉に写真を見せ、「交通事故の捜査をしているだけ」と言い返しました。松葉は「あの国の事は私が一番よく知っているつもりだ。…“たかが”交通事故で、この国の外交を邪魔するな」と久利生に言い放ちました。「たかが」と言われた久利生は、内心憤りました。
その夜、久利生は麻木を誘い、屋台のおでん屋で食事をしました。雨宮と自分を比較し自分を卑下する麻木に、久利生は「比べるな。今はお前が俺のパートナーだから」と言い、励ましました。そんな久利生たちのところへダンプが暴走し、突っ込んできました。明らかに久利生を狙ったものでした。久利生は巻き添えになりそうなおでん屋の店主を庇い、負傷し病院に担ぎ込まれました。幸い、久利生は腕の打撲で済みました。心配した麻木は雨宮にその事を連絡すると、雨宮は大阪から上京、久利生の見舞いに跳んできました。
翌朝、久利生が目覚めると、そこには雨宮がいました。雨宮は久利生に「事故じゃありませんよね。ヤクザのやり方です」と言いました。雨宮は「外交官と暴力団がつながってる。まだ続けるんですか」と久利生に言うと、久利生は「ここで辞めたら、あの夜、何があったのか何もわからないまま終わる」と言い、容疑者の徳本も人生がかかっていると呟きました。「俺たち検察が諦めるわけにはいかない」と久利生は、捜査を続行する決意を雨宮に伝えました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:7.見えてきた事実
この二人の会話を病室の外で密かに聞いていた城西支部のメンバーは、独自の判断で、手分けをして久利生の捜査を手伝うことにしました。宇野は末次隆之と青山のレストランへ聞き込みに行き、馬場礼子と井戸秀二は大使館員のコールマンの捜査を、田村雅史と遠藤賢司は久利生を轢いたダンプカーの行方を捜査しました。支部長・川尻はみんなに「ダメだぞ」と言いますが、みんなはその言葉を聞き流し、徹底的に捜査しました。そうメンバーに言った川尻は、上司の牛丸次席検事のもとへ行き、一連の事件についての容疑を訴えました。それはノーチェックで税関を通れるという外交特権のある大使館員を運び屋にして、広域暴力団・二崎会がネウストリア外交官を使い、違法薬物を密輸しているという容疑でした。また川尻は牛丸に「次席、検事が命を狙われてるんですよ!」と声高に訴えました。それを聞いた牛丸は外務省の松葉にその事を説明し、捜査の懇願をしますが、松葉は牛丸の懇願を一蹴、「久利生を止めればいい」と言い放ちました。牛丸はそんな松葉に「久利生ひとりに危険なことはさせられません。無理です。検察は独任官庁です。あいつは絶対に諦めません」と言い返しました。
馬場と井戸は恋人同士に化け、二崎会系の関東蝶葉会・若頭補佐の赤松を尾行しました。すると、彼が見知らぬ外国人とカバンを巧妙に交換している現場を目撃しました。ちょうどそこではお天気お姉さんの川端可憐がロケしていました。井戸はテレビ局に掛け合い、その録画テープを入手しようとしましたが、できませんでした。困っていると、彼女の大ファンの警備員・小杉啓太がその番組を録画していました。彼は毎日、録画していたのでした。そのテープには取引現場の一部始終が録画されていました。馬場と井戸は物証を入手しました。赤松と取引していた相手の男は、大使館ではナンバー2のヴェルネ公使でした。田村と遠藤は久利生を撥ねたダンプを見つけました。
それは二崎会傘下の石見興業所有のもので、壊れたバンパーの裏からおでんの具も見つかりました。そして、宇野は末次と、亡くなった三城の同僚のコンパニオン・里山琴美を見つけ、彼女から情報を得ました。彼女の携帯電話には、あの日の事故の2分前に三城からの録音メッセージがありました。その三城のメッセージの声のバックには、オルゴールの音楽が微かに流れていました。全員の捜査の甲斐で、推測通り、ネウストリア大使館員と二崎会がグルになり違法薬物の密輸をしている事が濃厚になり、そしてそれを知った三城は交通事故と見せかけ、殺されたという事が濃厚になりました。あとは三城が事故時に大使館内にいたことが証明できればいいだけとなりました。ただ、そこには治外法権という「高い国境」がありました。城西支部の面々が、久利生の担当事件をここ2,3日、徹夜で捜査していることを知った雨宮は、プロポーズを受けた矢口繁之に頼み、彼の親のツテで、ネウストリア公国独立記念パーティーの招待状を手に入れ、城西支部に上京して来ました。雨宮は「仲間に入れてください」と言いました。みんな歓迎しました。川尻は「いいのか?」と心配しました。実は雨宮は難波支部長には祖母が急死したと嘘をつき、一ノ瀬を残して単身、城西支部に来ていました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:8.諦めないで得た決定的証拠
久利生と雨宮は招待状を持ち、大使館のパーティーに潜入しました。久利生と雨宮はコールマンを見つけ尾行しました。二人は彼を追っているうちに大使館の裏奥に入りました。久利生はその裏庭でクリスタル製の靴の飾りを見つけました。久利生と雨宮は、三城がここで転んで靴が脱げて、ストッキングが泥だらけになったと推理しました。不審な行動をしていた久利生と雨宮は、ガードマンに捕らえられ、ある部屋に軟禁されました。そこに来たのはヴェルネ公使でした。彼は二人に「何をしていた」と執拗に尋問し、「違法行為だ」と言ってきました。すると、そこにヴェルネ公使の上司である大使がやって来ました。その大使の顔を見た久利生は驚きました。それはあのネウストリア料理店で「ネウストリア人は1日に7本食べる」と教えてくれた初老の男でした。彼がナンバー1のローラン大使だったのです。ローラン大使はヴェルネを無視し、二人を解放しました。解放された久利生らは、外務省の松葉に見つかり、「法務省に正式に対応を求める。他の仕事を探しておけ!」と怒鳴られました。その時、久利生らは大使館ロビーにいました。そこには時計があり、そこからオルゴール音が流れてきました。久利生はそれを耳にしました。それは紛れもなく事故2分前の三城の留守電のバックで流れていた音でした。
松葉の言った通り、翌日、外務省が検察を訴えてきました。城西支部長・川尻が対応に行きました。支部の面々は「キレないかな?」と心配しながら、送り出しました。そんなみんなを尻目に久利生は、「大使館の扉開けてくれるかもしれない人」と言い、外務省の松葉に会いに行こうとしました。川尻以外の他の面々は、そんな久利生に付き添い、外務省の松葉の説得に同行しました。久利生たちは必死で松葉に知り得た全ての証拠を突きつけ、説得しました。困惑する松葉に久利生は、最後にオルゴールの音が入ったあのテープを聞かせました。その頃、外務省高官の面々から尋問を受けていた川尻は、始めは静かに捜査の理由を説明していました。しかし、ある高官の「たかが、交通事故じゃないか」という言葉を聞いた川尻は、キレました。川尻は「何が“たかが”だ!人が一人亡くなってるんだぞ!検事が真実を知ろうとして、何が悪い!…法の番人たる検察は、…始めから諦めるなんて、私たち検察のあるべき姿ではありません!」と高官たちに怒鳴り、説教をしました。高官たちはその迫力に押され、閉口しました。
一方、久利生は松葉に、三城が車に撥ねられた瞬間をコールマンが見ているはずなので、彼を事情聴取したいとお願いしました。すると松葉は、外交パスを持っていないただの職員なので、ノーチェックでは税関を通れないコールマンは密輸できないと久利生らに明かしました。久利生と松葉は密輸をしているのはヴェルネ公使である可能性が高いと察しました。しかし、松葉は「交渉は無理だ。そんな生やさしいものではない。情で動くものではない」と言い放ちました。そんな松葉に久利生は「国が違えば、習慣も宗教も違う。…だけど、国境を越えるものっていっぱいあるじゃないですか。…結局分かり合えなかった。それでもいいんです。俺はちゃんと会って、しっかり目を見て話したいんです。あなたこそ本当にネウストリア公国のことを理解していますか」と言いました。そして、交渉で神経をすり減らしていると言う松葉に「ネウストリアの人たちが1日、何本ソーセージを食べるか。知ってますか?」と久利生は問いました。その頃、雨宮は一人、大使館の高い扉の前に立っていました。
HERO(2015年)のネタバレあらすじ:9.久利生たち、国境を越える
その夜、久利生に問われた松葉は、ネウストリア料理店にソーセージを食べに行きました。松葉はそこで、初めて大使館のナンバー1の存在・ローラン大使と出会いました。ローラン大使は久利生の事を知っていました。不思議に思う松葉にローラン大使は、「彼が国境を越えてきたからさ」と言いました。松葉はローラン大使にお願いをしました。
翌日、城西支部長・川尻の元へネウストリア公国大使館から電話がかかりました。大使館は正式に、久利生と雨宮と麻木を招待しました。ついに、あの高く閉ざされた扉が開きました。三人はついに国境を越えました。カッセルに導かれ大使館に入った久利生たちの前で、ヴェルネ公使はローラン大使に「後悔しまよ!」と悪態をつき、カッセルに「裏切り者」と囁き、呆然と立っていました。ローラン大使にすべてを知っていました。ローラン大使はヴェルネ公使を本国へ帰し本国で裁くこと、外交特権を持たないコールマンは、久利生らに引き渡すことを約束してくれました。久利生らが大使のお礼を言うと、大使はお礼は松葉に言ってくれと言い、昨夜の松葉が「自分の話(外交交渉)より、まず、久利生検事の言うことを聞いてやってほしい」とお願いされたことを吐露しました。
HERO(2015年)の結末:10.交通事故は解決したが…
久利生はコールマンを交通事故の参考人として聴取しました。コールマンは「何もしてない」と言い張りました。久利生は怒りを彼にぶつけました。久利生と麻木はコールマンに、次は暴走ダンプの事件で別の検事の尋問を受け、その後、大阪で違法薬物の件で雨宮というしつこい検事から尋問を受けることになることを告げました。久利生は、三城を撥ねた運転手の徳本を不起訴処分としました。しかし久利生は「三城さんがお亡くなりになったことだけは忘れないでください。安全運転を」と声をかけ、送り出しました。事件が解決し、大阪に戻る雨宮に、麻木は久利生について訊きました。雨宮は「大好きだった。久利生さんって、変わり者で、非常識で、頑固で、自分勝手で、我が儘で、諦めが悪くて、…しつこくて、私に大切なことを気づかせてくれる人」と言い、席を立ち去りました。
そして、雨宮はプロポーズを受けた矢口に電話で「やっぱりできません。結婚は」と断りました。ふと顔を上げると久利生が立っていました。雨宮は、久利生にかつて久利生が飛ばされた石垣支部に春、異動することを告げました。そして雨宮は久利生に別れを告げ、立ち去りました。松葉はこの事件をきっかけに大使と懇意になり、予備交渉もスムーズに行き、日本とネウストリア公国は双方にとってよい条約を結ぶことができました。
その頃、久利生と麻木は12時間かけてネウストリア公国に行っていました。交通事故事件は解決しましたが、久利生はヴェルネ公使と実際に会い話を聞くために、ネウストリアに来ていました。久利生のしつこい性分は誰にも押さえられないのでした。
以上、映画「HERO(2015年・木村拓哉主演)」のあらすじと結末でした。
2007年公開 HERO (ヒーロー)劇場版1作目のネタバレあらすじはこちら
木村拓哉演じる久利生公平と、松たか子演じる雨宮舞子のつかず離れずの関係性が見ていてドキドキして、とても魅力的でした。二人とも仕事はすごくできるタイプですが、恋には奥手というか不器用なところが可愛らしいと思いました。
事件自体はシリアスな内容ですが、ところどころでギャグシーンがあるので、たくさん笑いながら楽しみながら見ることができました。
普通ならば諦めてしまいそうな、物理的にも心理的にも大きく立ちはばかる大使館という壁に挑んでいく久利生はカッコよかったです。