バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~の紹介:2021年日本映画。ドラマや映画などの名脇役をメインに据え、これまで3シリーズに渡って放映されてきた「バイプレイヤーズ」の初の劇場版作品です。監督はドラマシリーズからの続投となる松居大悟が務め、ドラマシリーズのレギュラーである田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一らが顔を揃えました。本作では総勢100名ものの豪華な名脇役俳優陣が出演、そのほとんどが本人役を演じています。
監督:松居大悟 出演:田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、勝村政信、渡辺いっけい、近藤芳正、津田寛治、西村まさ彦、本宮泰風、菅田俊、小沢仁志、岸井ゆきの、でんでん、北香那、木村多江、北村一輝、有村架純、天海祐希、役所広司、ほか
映画「バイプレイヤーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バイプレイヤーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~の予告編 動画
映画「バイプレイヤーズ」解説
この解説記事には映画「バイプレイヤーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~のネタバレあらすじ:起
夜の漆黒の闇を走る汽車。その車内ではスーツにサングラスの強面の男たちが銃を手に座席に身を潜めていました。するとそこに、同じように銃を構えた強面の男たちが現れ、やがて男たちは車内で銃撃戦を始めました。
その時、どこからともなく大きな唸り声が聞こえ、窓の外を見てみると、そこには大きく白い犬のようなものが走り去っていました―――。
―――ここは富士山の麓にあるのどかな撮影所「バイプレウッド」。ここでは様々な映画や民放各局の連続ドラマなどの撮影が同時進行で行われているところです。冒頭の場面は撮影中のネット配信ドラマ「小さなおじさん」の一場面。主役は有村架純が演じる保育士、いつもの“バイプレイヤーズ”の常連である田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一も強面おじさん役で出演していました。
撮影の休憩の合間、有村は田口らと会話をする機会がありましたが、有村はバイプレウッドの看板犬であり「小さなおじさん」にも出演している風(ふう)の姿が見当たらないと語りました。田口らは心配する有村に、風の身に起こったことを語り始めました―――。
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~のネタバレあらすじ:承
―――それは1ヶ月前のこと。世界的なスターになるという野望を持つ遠藤はフィリピンに飛んでおり、大杉漣の元マネージャーで現在はバイプレウッド内の食堂「さざなみ庵」で働く女優志望のジャスミン(北香那)が遠藤を連れ戻すためフィリピンに飛んでいました。
その頃、バイプレウッドでは5人の若手俳優、濱田岳、柄本時生、菜々緒、芳根京子、高杉真宙が自主製作映画「月のない夜の銀河鉄道」の製作に入っていました。この映画は製作費もスタッフも明らかに足りないのですが、それでもキーパーソンとなる車掌役として役所広司がカメオ出演してくれることになりました。
この映画で初監督を務める濱田は、この作品のラストシーンは役者100人を登場させたいとの構想を思い描いており、菜々緒はそんな予算も人もないと反対しましたが、濱田は全く聞く耳を持とうとはしませんでした。
濱田ら5人は小さな駅でSLを借りて撮影をしようと考えていました。しかし、SLは少し前の「小さなおじさん」の撮影でボロボロにされてしまっており、鉄道会社側はもうSLは貸さないと通告してきました。
結局「月のない夜の銀河鉄道」の撮影は中断せざるを得なくなりました。芳根は濱田に、なぜそこまで100人にこだわるのかと尋ねてみました。濱田は偉そうに「監督の意向は言わずとも読み取れ」と言い放ち、濱田に愛想を尽かした芳根、菜々緒、高杉、そして主人公“カンパネルラ”役の犬は映画を降板して去っていきました。
残された濱田と柄本は「さざなみ庵」で光石、田口、松重とたまたま出くわしました。濱田らから話を聞いた光石らは二つの条件と引き換えに「小さなおじさん」で使っているSL内部のセットを無償で貸し出すと言い出しました。その条件とは人手不足の「小さなおじさん」の現場を手伝うこと、そして風の世話をすることでした。
条件を呑んだ濱田と柄本は、次の日から早速歴戦のバイプレイヤーたちに振り回されながらも現場の手伝いをしていきました。濱田はこの「小さなおじさん」が貧しい子供たちのためのプロジェクトの一環であることに気付き、風をカンパネルラ役に据えての「月のない夜の銀河鉄道」の撮影再開を決意しました。
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~のネタバレあらすじ:転
その頃、別の仕事でバイプレウッドを訪れていた菜々緒は、かねてから尊敬している天海祐希とたまたま出くわしました。バイプレウッドの俳優やスタッフたちの差し入れのために訪れていた天海は、どうやらこのスタジオは外資に買収されるかもしれないという噂があることを教えました。
菜々緒は買収を阻止したいと息巻く天海に協力を願い出、自ら各スタジオを回って署名を集めることにしました。しかし、署名集めも思うようにはいかず、天海は起死回生の秘策として風を主役にした映画を撮ろうと思いつきました。菜々緒は風を連れてくることにしました。
一方、濱田は渡辺いっけいや近藤芳正、菅田俊ら「小さなおじさん」出演者たちの協力を得て、風と柄本のシーンを撮影していました。濱田の熱意を感じ取った芳根や高杉も撮影に復帰しましたが、そこに菜々緒が風を連れて行こうと現れました。不穏な空気を感じ取った風は現場から逃げ去ってしまい、濱田たちは必死で追いかけました。風は各スタジオやオープンセットなどを走り回り、撮影をストップさせていきました。
やがてバイプレウッド周辺には突然の雷雨が降り始め、更には折からの強風も吹き荒れる事態となりました。濱田たちは嵐で停電となった「さざなみ庵」で帰らぬ風のことを心配していました。
そんな時、元祖バイプレイヤーたちはこの「月のない夜の銀河鉄道」の企画はかつてバイプレウッドの所長だった故・大杉漣が企画したものであり、風は嵐の夜にバイプレウッドで震えていたのを大杉に拾われたことを明かしました。元祖バイプレたちは風がスタジオ内を駆け回ったのはみんなに嵐の到来を告げるためだったのだろうと考えました。
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~の結末
嵐は過ぎ去りましたが、バイプレウッドの周辺はセットが崩れるなど撮影再開が難しい状況に陥っていました。各スタジオで撮影していた俳優たちが一致団結してスタジオの復旧活動を開始し、風は未だに戻ってこないものの俳優たちは続々と「月のない夜の銀河鉄道」のラストシーンに出演すると名乗り出てくれました。
俳優たちに感謝の意を示した濱田は、ラストシーンにこだわる理由を「役者やスタッフが楽しく“銀河鉄道という繋がり”を通じて、お祭りみたいな映画が作れればいいと思っていた」と語りました。やがて映画は撮影再開となりましたが、未だに風は戻らぬままでした―――。
―――田口らは有村に事の真相を語り終えました。するとその場にフィリピンから戻ってきた遠藤とジャスミンが現れました。ジャスミンが連れてきたのは何と風でした。風はあの嵐の際に駅のホーム下に隠れていたというのです。田口たちは大喜びし、これで本格的に撮影再開かと思われましたが、濱田は風の体調を考慮して撮影を無期限延期にすることにしました。
その寄り、濱田たちは「さざなみ庵」で“残念会”をしていました。そこに何も知らされていない役所が気合い満々で現れ、濱田たちは真相を告げるかどうか迷いましたが結局伝えることにしました。役所はまた誘ってくれと笑顔で答え、みんなが集る撮影スタジオはまるでコンテナや電車みたいのようだとふと一言呟きました。
これに触発された濱田は一転して撮影再開を決断し、100人集合のラストシーンから撮ることにしました。すっかり酒に酔っていた有村がつい“役所広司”コールを口にしたのをきっかけに、その場はたちまり“役所広司”コールが鳴り響きました。
遂に「月のない夜の銀河鉄道」は完成し、一般試写会には遠藤、田口、光石、松重や有村、そして主役の風も姿を見せました。映画のラストシーンはバイプレウッドの各スタジオで撮影中の俳優やスタッフたちが続々と登場し、最後は空の彼方へと走り去っていく銀河鉄道に総勢100名ものの俳優たちが手を振って見送るというものでした…。
以上、映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」のあらすじと結末でした。
バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~の出演者一覧
田口トモロヲ、遠藤憲一、松重豊、光石研、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、勝村政信、渡辺いっけい、近藤芳正、津田寛治、西村まさ彦、本宮泰風、 菅田俊、小沢仁志、 阿部亮平、安藤玉恵、石丸謙二郎、宇野祥平、大倉孝二、尾美としのり、加藤諒、金子大地、佐々木希、宍戸美和公、志田未来、杉野遥亮、醍醐虎汰朗、滝藤賢一、田中要次、寺島しのぶ、長谷川京子、林泰文、原田龍二、ふせえり、堀内敬子、観月ありさ、向井理、村田雄浩、森下能幸、りょう、六角精児、池谷のぶえ、宇梶剛士、岡田浩暉、小木茂光、高畑淳子、富田望生、波岡一喜、浜野謙太、本田博太郎、本田望結、升毅、吉田羊、利重剛、相島一之、稲葉友、井上肇、伊武雅刀、岡山天音、尾上寛之、木下ほうか、甲本雅裕、今野浩喜、渋川清彦、田中泯、玉置玲央、野間口徹、橋本じゅん、速水もこみち、本多力、前田敦子、前野朋哉、松尾貴史、水間ロン、六平直政、MEGUMI、岸井ゆきの、でんでん、北香那、木村多江、北村一輝、有村架純、天海祐希、役所広司
この映画の感想を投稿する