まともじゃないのは君も一緒の紹介:2020年日本映画。いま注目度ナンバーワンの俳優・成田凌と清原果耶がW主演を果たした本作は、他人とうまくコミュニケーションがとれない予備校講師と、恋愛に関する知識だけは豊富な頭でっかち女子高生とのおかしなラブストーリー。数学の講師・大野はイケメンなのに相手の言葉をすぐくり返してしまう残念な男。そんな大野にイラッとしつつ恋愛指南をする意識高い系女子の香住。ふたりの噛み合わないハイスピードな会話がなんともクセになる、そんな思わず笑っちゃう映画だ。
監督:前田弘二 脚本:高田亮 キャスト:成田凌(大野康臣)、清原果耶(秋本香住)、泉里香(戸川美奈子)、小泉孝太郎(宮本功)、山谷花純(君島彩夏)、倉悠貴(柳雄介)ほか
映画「まともじゃないのは君も一緒」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「まともじゃないのは君も一緒」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
まともじゃないのは君も一緒の予告編 動画
映画「まともじゃないのは君も一緒」解説
この解説記事には映画「まともじゃないのは君も一緒」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
まともじゃないのは君も一緒のネタバレあらすじ:起
女子高生の秋本香住(清原果耶)は、4~5人の友人グループのおしゃべりにウンザリしています。同学年の女子・君島彩夏(山谷花純)が他校のかっこいい男子とつき合っているとかなんとか…。
香住は予備校に行くと講師の大野康臣(成田凌)にそのことをグチり、憧れている青年実業家・宮本(小泉孝太郎)の“新しい生き方”について力説します。しかし大野はそれについて「具体的な中身がない」と取り合いません。
授業を終えて予備校を出たふたり。入口で待ち伏せしていた女性に大野は呼び止められ、助けを求めた香住に教えてもらった店で食事をすることになりました。一方、香住は宮本が講演会をしている会場を訪れ、タバコを吸いに出てきた彼に話しかけます。一方的に好意を伝えていると、美しい女性が現れ宮本の喫煙を咎めます。それは宮本の婚約者・美奈子(泉里香)でした。
翌日。昨日食事のあと「好きだ」と言われたという大野。しかし数学に例えた質問をしてしまい、相手の女性は困惑した模様。機嫌の悪い香住は、「そんなことじゃ一生結婚できない」と言い放ちます。慌てた大野は香住にどうしたらいいか恋愛指南を受けることに。
ふたりは雰囲気の良い店に行き、兄と妹という設定で二人連れの若い女性に声をかけます。うまく話せない大野の代わりに会話を盛り上げようとする香住でしたが、焦りすぎて帰られてしまいました。
今度は場所を変え、ホテルのバーにやってきたふたり。奥の席には宮本と美奈子が座っています。香住は美奈子がこのホテルのオーナーの娘であることを調べ上げ、宮本と美奈子を破局させるため、大野に美奈子を誘惑させようと目論んでいたのです。美しい美奈子に惹かれた大野は香住の計画に乗ることにしました。
まず大野にスーツと自分用の洋服を買わせた香住は、美奈子のインスタから、彼女が親しくしている“お姉さま”のオープンしたての食器店を見つけ、そこで客としての大野を印象づけてパーティで紹介させようとします。投資会社の社員を装って顧客用の食器をさがす芝居をするはずでしたが、大野にはうまくできませんでした。
計画が失敗し香住は怒っています。大野は「君以外誰も“普通”を教えてくれない。今変わらないと一生変われない」と協力を懇願し、香住は次の計画を考え始めます。
まともじゃないのは君も一緒のネタバレあらすじ:承
友人たちはまた、彩夏がいかがわしい場所でバイトしているとうわさ話で盛り上がっています。でも香住がその情報源をたずねても誰も答えられません。香住は突然立ち上がると、彼氏の柳雄介(倉悠貴)と談笑している彩夏に直接質問しにいきます。そして彩夏と雄介は同じ商店街で育った幼なじみであること、雄介の父が彩夏の手伝っている家のスナックの常連であることを知ります。ふたりの馴れ初めを聞いて香住はなにかを感じたようで…。
ある日、大野と待ち合わせた香住は「康臣」「香住」と恋人同士のように下の名前で呼び合う練習をさせます。作戦を練るためカラオケボックスに入ったふたりですが、ご機嫌な香住はノリノリで歌っています。すると大野は、「自分でもいろいろ調べた」と美奈子に関する大量の資料を出してきました。香住は少しイヤな気分になります。
いよいよ作戦決行の夜。美奈子は父親と宮本と三人で食事をしていましたが、男二人はビジネスの話で店を出てしまい、日本料理店のカウンターには美奈子がひとり残されています。そこまで下調べ済みだったので、大野は約束を忘れられてしまったビジネスの相手という設定で美奈子に話しかけます。最初は警戒していた美奈子ですが、食材のことをなにも知らない大野との微笑ましいやりとりの中、お酒の力もあり徐々に打ち解けていきます。
店の外では香住が(失敗しろ)と念じながらイヤホンでふたりの会話を聞いています。店を出てタクシーを拾うため通りまで歩いていたとき、大野は美奈子に「また会えますか?」と質問します。婚約者のいる美奈子はそれを断りますが、その代わり「もう少し歩きますか」と返すのでした。
夜風の心地よさを感じて立ち止まる美奈子。大野は、昔から行き詰まると森へでかけて耳をすませて音を感じるのだと話し、ふたりはいい雰囲気に。ふたりの距離が縮まっていく様を、通りの向こう側から見ていた香住はとっさに大声を上げて邪魔をします。
結局、美奈子はタクシーに乗って帰り、大野は立ち去ろうとする香住を呼び止めます。美奈子といい感じになれたと興奮気味の大野と、大声を出してしまい自分の感情がよくわからなくなってしまった香住。大野は香住の行動が理解できませんでした。
まともじゃないのは君も一緒のネタバレあらすじ:転
すでに知り合いになってしまった大野と美奈子。パーティでの紹介という案はもう使えません。ストーカーに思われない程度の偶然を装っての再会方法を考える香住。美奈子がよく立ち寄る本屋で大野が待つという作戦を思いつきました。大野が入口に背を向けて立ち読みしていると、思惑通り美奈子が入ってきました。
大野に気づき、声をかけようか何度も悩んでいる様子の美奈子。すると大野が突然美奈子に声をかけました。見たわけでもないのに美奈子のつけていた香水で気づいたという大野。そのやりとりを聞いていた香住は、たまらずその場から逃げ出してしまいます。
そして香住は彩夏のいるスナックでジュースを飲みながら、常連のおじさん達相手にクダを巻いていました。香住が大野のことを好きなのだとわかっている彩夏と雄介はあきれ顔です。すると香住の携帯電話が鳴り、だれかと話していたかと思うとすぐに店を出ていってしまいました。
人待ち顔の香住の前に、ニット帽とマスクで顔を隠した男が現れました。宮本です。日本の将来について(?)ふたりで話そうと宮本は香住をホテルへ連れ込みました。
一方大野は、「いい店を見つけたのでよかったら来てほしい」と無理を承知で美奈子を誘い、ひとりカウンターで待っています。美奈子は宮本との夕食のための買物を終えて帰る途中、彼からの「残業で遅くなる」というメールを受け取りました。そして、大野の待つ店へとやってきたのです。
宮本は香住を押し倒そうとしますが、彼女が女子高生だとわかると「女子高生はまずい!」と大あわて。急いで身支度を整えると時間差でホテルを出ようと提案します。香住はさっと先に出ると大野に連絡をとり、美奈子といっしょに自分たちがいるホテル街を通るよう指示します。
入口横に潜んでいた香住は、宮本が出てきたタイミングで彼の腕に抱きつき、ちょうど通りかかった大野と美奈子にその姿を見せつけます。修羅場となったその場で美奈子は大野の手を取ってホテルの部屋に立てこもり、宮本を拒絶しました。宮本が立ち去って静かになると、ふたりは落ち着いて話をし、「あの人とちゃんと別れてきます」と言って美奈子は部屋を出ていきました。「待っています」と答えた大野はそのままベッドへ身体を横たえるのでした。
まともじゃないのは君も一緒の結末
しばらく経ったある日。美奈子から連絡がないと言う大野に香住は、宮本と美奈子がいっしょに映ったイベントの写真を見せ、ふたりが元のさやに収まったことを伝えます。
「これが普通?」と大野は、自分が振られたことより香住が宮本に傷つけられたのではないかと憤ります。
大野は香住を宮本の講演会会場へと連れてきます。香住は衆人環視の中、強引に宮本に質問しますが、口の達者な彼にうまく煙に巻かれ、講演会のスパイスとされてしまいました。
大野もまた仕事を装って美奈子を呼び出し、自分のことよりも美奈子の今後を心配して、宮本の本性について話しますが、それをわかった上で「このままでいいんです」と美奈子は答えます。大野は「さようなら」と美奈子に別れを告げるのでした。
「私も森の音きいてみたい」
そう言っていた香住を大野は森へと連れてきました。大野が昔から訪れていた場所で森の音に耳をすますふたり。やがて香住が「私、先生のことが好きだよ」と告白します。しかし大野は理解に苦しみ、どう接していいかわからなくなってしまいます。言葉づかいも以前のように、相手の言葉をくり返す悪いクセが戻ってしまっています。
あきれながらもうれしそうに歩く香住。大野も笑ってこう言います。
「普通はもういいよ」
以上、映画「まともじゃないのは君も一緒」のあらすじと結末でした。
二人のやりとりがおもしろかったです。純粋な大野さんとかすみのカップルがうまくいくといいなと思って観ていました。