糸の紹介:2020年日本映画。中島みゆきが1998年に発表した名曲『糸』をモチーフに、菅田将暉と小松菜奈のダブル主演で映画化したラブストーリーです。平成元年に生まれた男女が様々な出逢いと別れを繰り広げながら真実の愛に目覚めていく課程を描きます。
監督:瀬々敬久 主題歌:中島みゆき「糸」 出演者:菅田将暉(高橋漣)、小松菜奈(園田葵)、山本美月(高木玲子)、高杉真宙(冴島亮太)、馬場ふみか(後藤弓)、倍賞美津子(村田節子)、永島敏行(桐野昭三)、竹原ピストル(矢野清)、二階堂ふみ(山田利子)、松重豊(富田幸太郎)、田中美佐子(桐野春子)、山口紗弥加(園田真由美)、成田凌(竹原直樹)、斎藤工(水島大介)、榮倉奈々(桐野香)ほか
映画「糸」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「糸」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
糸の予告編 動画
映画「糸」解説
この解説記事には映画「糸」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
糸のネタバレあらすじ:起
平成元年(1989年)に北海道にて生を受けた少年・高橋漣(南出凌嘉)。
平成13年(2001年)の夏、13歳になった漣は美瑛で行われた花火大会で同じく平成元年生まれの少女・園田葵(植原星空)と運命的な出逢いを果たしました。その日、自転車で転倒し怪我を負った漣は葵から絆創膏を差し出され、その際に彼女の腕に包帯が巻かれていることに気付きました。
葵に一目惚れした漣は意を決して彼女に告白し、美瑛の丘で待ち合わせの約束をしました。ところが、約束の時間になっても葵は姿を現しませんでした。
葵の一家は夜逃げ同然で行方をくらましていたのです。漣は葵の友人から彼女が札幌にいることを聞き出し、現地へと向かいました。
葵は父を亡くし、母・真由美(山口紗弥加)の作った新しい男は葵に暴力を振るうようになっていました。真由美は暴力を止めることもせず、事情を聞いた漣は自分が葵を守ることを決心、二人で逃避行を決行しました。
函館近くの寂れたキャンプ場のロッジに身を寄せた漣と葵でしたが、翌朝になって二人は駆け付けた警察に保護されてしまいました。漣と葵は無理やり引き離され、それ以来会うことは叶いませんでした。
糸のネタバレあらすじ:承
月日が流れて平成20年(2008年)、成人した漣(菅田将暉)は美瑛のチーズ工房で働いていました。ある日、漣は中学時代からの友人・竹原直樹(成田凌)と葵の友人だった後藤弓(馬場ふみか)の結婚式に出席するため上京、そこで葵(小松菜奈)と再会を果たしました。
漣は改めて葵に想いを打ち明けようとしましたが、葵は「漣くんに会えて良かった」と言い残し、迎えに来たファンドマネージャーの水島大介(斎藤工)の高級車に乗り込んで去っていきました。淡い期待を打ち砕かれた漣は失意のうちに北海道に引き上げていきました。
真由美に連れられて東京に移り住んでいた葵は現地の大学に通っていたのですが、学費と生活費を稼ぐためキャバクラで働いていたのです。葵はそこで水島と出会い、交際する傍ら学費や生活費を工面してもらっていたのです。
しかし、順調に稼いでいた水島もリーマンショックの煽りを受けて事業が破綻、葵の前から忽然と姿を消してしまいました。葵は水島のいる沖縄に向かい、自分が水島を支えると告げました。水島は「お前の居場所はここじゃない」と言いつつ、葵の好意を受け入れました。
その頃、失意の漣は職場の先輩・桐野香(榮倉奈々)に慰められていました。香もまた恋人と別れたばかりであり、互いに同じ境遇の漣と香は交際を始めることとなりました。やがて漣は香との結婚を意識するようになりました。
糸のネタバレあらすじ:転
平成22年(2010年)、漣は香との入籍手続きのため美瑛町役場を訪れました。そこで漣は葵とまさかの再会を果たしました。
葵は疎遠になっていた母・真由美の生活保護の通知を受けたのですが、真由美の行方が掴めなかったので美瑛に戻っていたのです。漣は葵に協力することにし、函館に住む葵の伯父・矢野清(竹原ピストル)の元に向かいましたが、そこで漣と葵は真由美が既に他界していたことを知りました。
漣は衝撃のあまり取り乱した葵を慰め、二人は互いに胸に秘めていた切ない想いが蘇りそうになりましたが、それでもそれぞれの居場所に戻らなければなりませんでした。
平成23年(2011年)。水島はまたしても葵の前から姿を消していました。葵はキャバクラ時代の同僚だった高木玲子(山本美月)に誘われてシンガポールに渡り、現地のネイルサロンで働き始めました。しかし、玲子は客とトラブルになったことから解雇され、玲子と一緒に店を辞めた葵は営業マンの冴島亮太(高杉真宙)の協力を得てネイリスト派遣会社「AOI & REI」を立ち上げました。
時を同じくして、香のお腹には漣との子が宿っていました。ところが、香の体には腫瘍が発生しており、周囲は出産を諦めるよう勧めました。それでも香は腫瘍の治療は出産してからにすることを決意、やがて女の赤ん坊・結を出産しました。
それから3年の月日が流れ、漣は辛い治療を耐え抜いた香や結(中野翠咲)と共にささやかな日々を送っていました。香は結に「泣いている人や悲しんでる人がいたら、抱きしめてあげられる人になってね」と言い聞かせていました。
ところが香の癌は再発してしまい、死期を悟った香は漣に結を託すと共に“運命の糸”は存在すると語り、「人生に悔いはない。幸せだった。だから行けよ、漣」と告げました。香は程なくしてこの世を去りました。
一方、シンガポールの葵は玲子の横領に遭い、これまで順調に成長していた会社を清算して東京に戻っていました。失意の底にある葵を慰めたのは中島みゆきの「糸」という曲でした。
糸の結末
平成31年(2019年)。漣は自分の作ったチーズが東京の三ツ星レストランのシェフに認められ、店で採用されるまでになっていました。
その頃、東京のネイルサロンで働いていた葵の元にシンガポールから冴島が訪れてきました。シンガポールで新たなビジネスを始めていた冴島は葵にも一緒に来てほしいと誘いましたが、葵が向かった先はシンガポールではなく、二度と戻るつもりのなかった美瑛でした。
平成最後の日である4月30日。葵は幼い頃にお世話になっていた村田節子(倍賞美津子)が「子ども食堂」を始めたという知らせを聞きつけ、節子の元に向かいました。
葵は節子にご飯を食べさせてもらっていると、これまでの想いが込み上げてきて思わず涙を流しました。そんな葵をそっと抱きしめたのは、漣と香の娘・結(稲垣来泉)でした。結は香の教えを守り続けていたのです。葵は結の母が既に他界していたことを節子から聞かされました。
その時、葵はたまたまチーズを届けに来ていた漣の姿を見つけましたが、漣はそのまま帰っていってしまいました。その後、結から葵のことを聞かされた漣は、結から背中を押されて葵の後を追うことにしました。漣の耳にはどこか遠くから「行けよ、漣」という声が聞こえた気がしていました。
改元を祝うカウントダウンが始まろうとしていたその時、葵は函館のフェリーターミナルにいました。漣は懸命に葵を追いかけ、ようやく葵と対面を果たしました。二人が固く抱きしめあったその時、平成が終わり令和の時代が幕を開けました。
その後、漣と葵はこれまでお世話になってきた人々や結に見守られながら結婚式を挙げました。二人の運命の糸はようやく結ばれたのです。
以上、映画「糸」のあらすじと結末でした。
「糸」感想・レビュー
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糸の歌詞に合わせたストーリー展開で、印象深いシーン・重要なシーンで糸が流れるので、感情移入して引き込まれます。糸は切れたり繋がったりするけれど、人の縁もそれと同じであり、それがとてもよく描かれていると思います。見終わった後は自分と今まで関わってきた人たちが思い出されて、自分はいろいろな人に支えられて生きてきたんだなあと、それぞれの縁に感謝が湧きました。泣きたい・感謝を思い出したい、そんな人におすすめです。
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ん〜。若いのに凄く 皆さん苦労人。
運命の糸 どうか 幸せになって欲しい。
映画の最後に気になったのは、、、大丈夫だとは思いますが、どうか結ちゃんが虐待にあわない事を願って仕方ありません。
年寄りですので 若い人の映画を このようにしか観れなくて すみません。 -
TVで放映したのをビデオ録画したら、最後の3〜4分がビデオの残量が無く見れませんでした。
こちらのサイトを見つけて良かった。久々に感動できる映画でした。 -
ハピさんと同感!
漣が葵を追いかけるところで切れてしまい、最後がとても気になりました!このサイトで読めてよかった。
結末に涙❢ -
冒頭から泣かせてくれました。
漣くん葵ちゃんの子役もそっくり。
葵が借金の清算まで愛人からの援助金に手をつけずにいたのも素晴らしい。
ラストシーンでフェリーチケットを無駄にしても下船した葵、美瑛から函館まで丸一日かかるけど夕方美瑛出発で追いつくなど展開にムリがあったがハッピーエンドで良かった! -
最後に手を握るのは葵
その葵の爪は派手に着飾ることのない白のネイルカラーが塗られているだけ
やっと素直な気持ちで漣の手を握りしめることができた暗喩かな?と思いました。 -
運命の糸はわかるのですが、それならしゅじんこうの蓮くんが結婚しなくて、最後結ばれるっていう結末の方がよかったです。
なんか結末がしっくりこない。 -
香の言葉や簡単には結ばれないのに胸を打たれました。
合唱で前歌った時は,泣いてしまいました。
幼馴染が小さいときに受けていた虐待を彼がちゃんと受け止めてくれるのが素晴らしく思いました。本物の愛情を知らないままに育ってしまったのに、海外でネイルサロンを始めて頑張っている姿に心打たれました。友達の結婚式で再会したのですが、そこでやっぱりカップルにならなかったことが現実味があって良かったと思いました。簡単にくっつかない2人の恋愛模様が苦労に苦労を重ねてきた感じに共感を覚えました。