さよならくちびるの紹介:2019年日本映画。インディーズ・シーンで注目を浴び出したのに、解散を決意した女性デュオ〈ハルレオ〉。ローディー兼マネージャーのシマと三人で、最後のツアーに臨むが…。小松菜奈と門脇麦が歌唱とギターを初歩から学んでハルレオ役に挑む。この映画のために主題歌「さよならくちびる」を秦基博が、挿入歌「たちまち嵐」と「誰にだって訳がある」をあいみょんが提供している。
監督:塩田明彦 出演:小松菜奈(レオ)、門脇麦(ハル)、成田凌(シマ)、篠山輝信、松本まりか、青柳尊哉、松浦祐也、篠原ゆき子、マキタスポーツ、ほか
映画「さよならくちびる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さよならくちびる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さよならくちびるの予告編 動画
映画「さよならくちびる」解説
この解説記事には映画「さよならくちびる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さよならくちびるのネタバレあらすじ:起・ツアーが始まる
2018年7月14日。ツアー車の助手席に座ったハル(門脇麦)は、先に後部座席にいたレオ(小松菜奈)が食事をしているのを見て、ローディー兼マネージャーのシマ(成田凌)に、「バカ女に車内は食事禁止だと言え」と言う。「バカで何が悪い」が口癖のレオも、車内禁煙のはずなのにタバコを吸い始めたハルをとがめる。デュオ〈ハルレオ〉の全国7都市を回るツアーの出発の朝は荒れ気味に始まった。
最後の函館のライブが終わったらハルレオは解散するという、二人の意志を運転席のシマは確認する。ノートに詞をメモし続けるハル。一方、レオはガソリンスタンドでトイレに入ったついでに、見ず知らずの男の自動車に乗り込んでしまった。
時間になっても浜松のライブハウスにレオが来ない。客が騒ぎ始める。ハルレオ即解散の危機に、やっとレオが到着するが、男と喧嘩して目にあざをつけていた。しばらくして、何ごともなかったかのようにハルレオはステージに上がり、アコースティックギターを弾きながら歌う。シマもステージ上で二人をサポートする。
四日市へ向けて出発した車の中、ライブ前にレオから押しつけられた封筒をハルは開ける。ビーズを糸で結んだブレスレットが入っていた。7月14日はハルが初めてレオに声をかけた日だった。二人のバイト先のクリーニング工場で、服のたたみ方が悪いと上司に叱られて、むくれて外に出てタバコを吸っていたレオに、ハルが「音楽やらない?あたしと」と誘ったのだ。
それからハルはレオにギターの弾き方を教え、二人は食事や寝起きを共にするようになる。レオはハルの作る曲が好きだった。ある日、なぜ私に声をかけたのと尋ねるレオに、ハルは、歌いたそうな目をしていたからと答える。〈ハルレオ〉は路上で歌い始める。
人気が出始め、ライブツアーに出ることにしたハルレオは、ローディーを探す。ハルは元ホストというふれこみのシマを面接する。なんで他のバンドでなくハルレオなのかと問うハルに、「ハルの作る歌が好きだ」と答えるシマを採用する。ただしユニット内の恋愛は厳禁とハルは言い渡す。ツアー出発の日、売れたバンドが使っていたというツアー車を用意してきたシマ。彼は売れないバンドは長続きしないと言う。レオは「目指せ武道館」と、ハルは「いつまでもハルレオが続くように」とそれぞれの夢を叫んだ。
だが、今やハルとレオは口もきかない関係になっていた。
さよならくちびるのネタバレあらすじ:承・波乱含みのツアーが続く
四日市でのライブの後、三人は大阪に。ライブ開始までの空き時間、ハルはギター店で試し弾きをし、中古レコード店に行ったレオはシマと鉢合わせ。シマが取りあげたオススメのレコードのジャケットには、今より若いシマの姿が。シマは彼がかつてバンドに所属していたことを初めて明かす。
その日のライブの後、シマはライブハウスのトイレで男たちに、殴るけるの暴力を受け、その夜はハルがツアー車を運転する。シマを襲った男は、かつてシマがいたバンドのライバルだったバンドにいたが、彼の彼女とシマが寝てしまったのだった。寝てから好きになることもあると言うレオに、シマは「寝たけど好きにならなかった」と言う。
翌日、シマが目覚めると自動車は湖の側に止まっている。森の中でシマはレオに、ハルの父親の法事に付き合わされた時の話をする。ハルの母親からNASAで研究しているハルの幼馴染の女性から届いたハガキを見せられた。その幼馴染がハルの初恋の相手だった。レオはシマに「ハルレオが解散したらハルと活動するのか」と聞く。
ネット番組の取材等で注目が集まるのは作詞・作曲をするハル。レオは自分の居場所がないように感じていた。そしてラブホテルに行こうとレオが誘うが、シマは断る。シマがハルを好きなのをレオは知っていた。
夜、酒を買いこんで出かけるレオをハルが止めようとするが、レオは男のアパートに入ってしまう。レオを守るためにアパートに踏み込んだシマは、男ともみあいになり、けがをしてしまう。シマが入院している間に、ハルはレオと話をしようと思うがうまくいかない。
さよならくちびるのネタバレあらすじ:転・盛り上がるラストツアー
新潟のライブは多数の観客で盛り上がる。観客からはやめないでという声が上がる。解散は公表していなかったが、ハルレオ解散必至という情報が、どこかのライブハウスから流されたのに違いない。ハルレオが解散したらレオとユニットを組むのか?とシマに尋ねるハル。シマはハルにキスしようとするが、ハルはそれを避けて、次のライブ会場の酒田まで別行動をとる。ライブはいっそう盛り上がり、自主製作のCDもどんどん売れていった。
酒田の次の弘前でのライブの後、シマは三人で最後の食事をとろうと言い、三人は店に入る。解散後の計画を話す三人。だが、食事の最中にシマにメールが。昔の音楽仲間が死んだという知らせ。シマが葬儀に出るために、ハルが函館までツアー車を運転することになる。
さよならくちびるの結末:感動のラストライブ
7月24日。函館のライブ会場。ハルが最後のライブだからと言うので、レオは外でファンたちにサインをする。ハルの腕には浜松でレオが贈った腕輪がはめられていた。
開演時間頃にシマがやっと到着する。死んだ親友は子供に「音楽はするな」と言っていたとシマは言う。音楽をすると、人生で大事なことを失うと。だが、シマは、自分は音楽をして後悔をしたことはないと言いきる。
ライブが始まる。直前に大きな会場に変更になったが、それでも会場に入れなかった人たちはインターネットでの中継をスマホで見ている。最後の曲の前にハルは、自分たちはこの曲を手放すと言って、ハルレオの解散を明らかにする。ハルレオと共に、自分たちの曲は消えるのか、それとも新しい生を得るのか。
東京に帰ってきた三人。ツアー車は、最初のツアーに出発した同じ場所に停まる。シマは「もう自分はローディーじゃないから自分の荷物は自分で持って出ろ」と言い、ハルとレオは荷物を持って車を降りていく。だが、しばらくすると二人は荷物を持って戻ってきた。感動のラストライブの後にハルレオ続行は絶対無いとあきれるシマ。それはともかく、ハルとレオは「とにかく食事に行こう」と言い、ツアー車はまた走り出すのだった。
以上、映画「さよならくちびる」のあらすじと結末でした。
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