ここは退屈迎えに来ての紹介:2018年日本映画。山内マリコの同名小説を橋本愛と門脇麦のダブル主演で映画化した作品です。地方都市に住む二人の女性と一人の男性の馴れ初めを周囲の人々の時を超えた群像劇と共に描き上げた切ない青春ドラマです。
監督:廣木隆一 出演者:橋本愛(「私」)、門脇麦(「あたし」)、成田凌(椎名くん)、渡辺大知(新保くん)、岸井ゆきの(山下南)、内田理央(森繁あかね)、柳ゆり菜(サツキ)、瀧内公美(まなみ先生)、亀田侑樹(遠藤)、片山友希(なっちゃん)、木崎絹子(椎名朝子)、マキタスポーツ(皆川光司)、村上淳(須賀さん)ほか
映画「ここは退屈迎えに来て」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ここは退屈迎えに来て」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「ここは退屈迎えに来て」の予告編 動画
映画「ここは退屈迎えに来て」解説
この解説記事には映画「ここは退屈迎えに来て」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「ここは退屈迎えに来て」のネタバレあらすじ:起
2013年.
10年前にマスコミ業界への就職を目指して上京した「私」(橋本愛)は27歳となり、東京生活に見切りをつけて地元に舞い戻ってきました。「私」は実家に住みながらフリーライターとして地元タウン誌に記事を書いて生計を立て、同じく東京から戻って来たフリーカメラマンの須賀さん(村上淳)と仕事がてら他愛ない話に明け暮れていました。
そんなある日、「私」は高校時代の親友・サツキ(柳ゆり菜)と再会して意気投合、かつて高校時代にみんなの憧れの的だった椎名くん(成田凌)に会いに行こうと決心しました。
「私」とサツキは須賀さんの車に乗り込み、椎名くんの勤め先である自動車教習所に向けて出発しました。
途中で立ち寄った懐かしいゲームセンターで、高校時代の同級生だった新保くん(渡辺大知)が一人でゲームに打ち込んでいました。たまたま帰省中だという新保くんは、以前に椎名くんはこのゲームセンターの店長をしていたこと、そして今の仕事も新保くんが紹介したことを明かしました。
時を遡ること2004年
椎名くんの妹・朝子(木崎絹子)は家庭教師のまなみ先生(瀧内公美)の車に乗り、とりとめもない会話をしながら先生の家に向かっていました。朝子の自宅はとても勉強できるような環境ではなく、朝子はまなみ先生の家こそが自分を高めてくれる場所だと実感していました。
「ここは退屈迎えに来て」のネタバレあらすじ:承
2008年
書店でアルバイトをしている当時22歳の「あたし」(門脇麦)は、高校時代に椎名くんと交際していましたが、彼が高校卒業後に大阪に行ってしまってから音信不通となっていました。そんな「あたし」は心の隙間を埋めるため、椎名くんの友人だった遠藤(亀田侑樹)と体の関係を続けていました。
2010年
当時24歳の山下南(岸井ゆきの)と森繁あかね(内田理央)は行きつけのファミレスで他愛ない話に明け暮れていました。あかねはかつて東京でアイドルとして活動していたのですが、夢破れて地元に帰ってきていたのです。南は早く良い相手を見つけなきゃと焦るあかねを微笑ましく見つめていました。
2004年
当時高校生だった「私」とサツキは、地元出身のアイドル・あかねが雑誌に載っているのを見て興奮していました。ところが、憧れの椎名くんが「あたし」と一緒にいるのを見るなり、「あの娘、椎名君によくまとわりついてない?ずうずうしい」と不愉快になってしまいました。放課後、椎名くんは新保くんを誘ってハンガーガーでも食べようかと繰り出し、高校卒業後の進路について思いを馳せていました。
同級生のなっちゃん(片山友希)は中年男の皆川光司(マキタスポーツ)と援助交際をしていました。二人が入ったラブホテルの近くにまなみ先生のマンションがあり、朝子は高校を出たら東京の大学に進学したいという夢を語り、まなみ先生はかつて自分も同じ思いを抱いていたことを思い出していました。
ある日の放課後、「私」とサツキは椎名くんからゲームセンターに誘われ、夢のような楽しい時間を過ごしていました。「私」は椎名くんに卒業後の進路を尋ねたところ、椎名くんは「俺はずっと高校生のままがいいな」と応えました。
「ここは退屈迎えに来て」のネタバレあらすじ:転
時は2013年に戻り、須賀さんの車に揺られる「私」とサツキはかつての母校を通りがかりました。「私」とサツキは須賀さんに写真を撮ってもらい、「みんな元気ィ?」と校舎に手を振ってみせました。
2004年
プールサイドで清掃をしていた「私」はたまたま会った新保くんから、椎名くんと付き合っているのかと尋ねられました。付き合っていないという「私」に、新保くんは「私」が椎名くんに目線を寄せていることに感づいていました。
その頃、ホテルから出たなっちゃんは、帰りの車中で皆川から「今日が最後かもしれない」と告げられました。もう47歳になる独身男の皆川は親からお見合いを薦められているのです。その後、皆川はあかねと交際を始めました。
2008年
「あたし」はラブホテルで遠藤と情事に及びながらも「あんた彼氏じゃないからね」と冷たい態度を取っていました。深夜、ひとりでホテルを出た「あたし」はフジファブリックの「茜色の夕日」を口ずさみながら帰り道を歩いていたところ外国人に絡まれ、何とか振り払ったところに遠藤が駆け付けてくれました。車の免許を持っていない「あたし」は遠藤に免許を取るから金を貸してほしいとせがみました。
2013年
南とあかねはいつものファミレスで他愛ない話をしていました。結婚生活の愚痴をこぼすあかねは、南がいつの間にか結婚していたことを知り驚きました。何と南はあの椎名くんと結婚しており、南はあかねに椎名くんはつまらない男だと応えました。その頃、教習所の近くに差し掛かった「私」は、須賀さんから「東京には椎名みたいなのはいなかったの?」と聞かれ、「いなかった」と即答しました。「私」は「高校生のままだよね?」とこっそり呟いていました。
「ここは退屈迎えに来て」の結末
2004年
「私」はプールサイドで引き続き新保くんと語り合っていました。なりたいものはあるのかという「私」の問いに新保くんは「好きな人の中に存在し続けたいかな」と応え、「なれないものになりたくなるんだよ」と語りました。そこに椎名くんが現れて二人をプールに落とし、その場にいた同級生たちも続いてプールに飛び込み、皆で水を掛け合ってはしゃぎあっていました。
2013年
「私」はようやく椎名との再会を果たしました。サツキと須賀さんが二人を遠くから見守るなか、近況を語り合った椎名くんが仕事のために立ち去ろうとしたその時、思いがけない言葉を「私」に投げかけました。「すげぇ言いにくかったけど、ど忘れしちゃって。名前なんだっけ?」…「私」は言葉を失いました。それから、「私」は帰りの車中で、新保くんは自転車を漕ぎながら、サツキもまたそれぞれが「茜色の夕日」を口ずさみ、その歌声はいつしか大きくなっていきました。
その頃、東京では朝子がマンションからスカイツリーを眺め、「超楽しい」と呟いていました。
以上、映画「ここは退屈迎えに来て」のあらすじと結末でした。
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