めめめのくらげの紹介:2013年日本映画。世界的に活躍する現代アーティスト、村上隆の監督デビュー作となるファンタジー映画です。震災後の日本の架空の町「都雲市」を舞台に、村上隆自らデザインした不思議なキャラクター「ふれんど」と子供たちの交流を描きます。本作の続編『めめめのくらげ2 マハーシャンク』(仮)の制作も計画されていましたが、新型コロナウイルス問題などにより頓挫しています。
監督:村上隆 出演者:末岡拓人(草壁正志)、浅見姫香(天宮咲)、窪田正孝(青竜)、染谷将太(白虎)、塩澤英真(玄武)、池永亜美(朱雀)、大朏岳優(古平竜也)、根岸泰樹(相楽樹蘭)、石川新太(中川巧)、村上航(土信田)、黒沢あすか(天宮静子)、津田寛治(草壁辰男)、鶴田真由(草壁靖子)、斎藤工(幸塚直人)ほか
映画「めめめのくらげ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「めめめのくらげ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
めめめのくらげの予告編 動画
映画「めめめのくらげ」解説
この解説記事には映画「めめめのくらげ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
めめめのくらげのネタバレあらすじ:起
小学6年生の草壁正志(末岡拓人)は震災で父・辰男(津田寛治)を失い、母・靖子(鶴田真由)と共に叔父(靖子の弟)・幸塚直人(斎藤工)の住むのどかな田園地帯の学園都市「都雲市」へと引っ越してきました。
街の小学校「私立都雲浦鹿学園小学校」への編入手続きを終え、靖子より先に新しい家に帰宅した正志は、荷物の段ボールなどが散らかっているのを目撃、その中から今まで見たこともない、くらげのような奇妙な生物が現れました。
正志は謎の生物の入った段ボールを抱えて神社の裏へ行き、中の生物にかつて辰男の勤めていた工場で作られたチーかまを与えました。するとその生物はチーかまにかぶりつき、正志は生物に“くらげ坊(声:矢島晶子)と名付けて一緒に遊ぶことにしました。その夜、正志は辰男が津波に飲み込まれる夢を見ました。
翌朝、正志はカバンに“くらげ坊”を潜ませて登校しました。ところが、驚いたことにクラス中には謎の生物たちが溢れており、生徒たちはスマホのようなデバイスを使って先生にバレないようこっそりと生物を操っていたのです。
クラスを仕切るガキ大将・古平竜也(大朏岳優)が正志に生物を使ったいたずらを仕掛けてきました。思わず正志は“くらげ坊”を使って反撃、驚いた竜也は「お前の“ふれんど”、デバイスないの?」と驚きました。どうやらこの不思議な生物は“ふれんど”と呼ばれているようです。
めめめのくらげのネタバレあらすじ:承
正志が学校から帰宅すると、この近くの「都雲大学」の研究施設で働く叔父の直人が訪ねて来ていました。直人は自らが関わっている研究が非常に危険なものであることから、靖子と正志が「都雲市」へ引っ越してきたことについては反対していました。
正志は“ふれんど”を操る竜也やその仲間である相楽樹蘭(根岸泰樹)にいじめられていたところを“るくそー”という巨大な“ふれんど”を操る少女・天宮咲(浅見姫香)に助けられました。ケンカは嫌いだという咲は、この町に“ふれんど”が出現するようになった経緯を語り始めました。
それはある日のこと、町に黒づくめの四人衆(青竜(窪田正孝)、白虎(染谷将太)、玄武(塩澤英真)、朱雀(池永亜美))が現れ、町の子供たちに「絶対に裏切らない“ともだち”をあげる」と言って“ふれんど”を操るデバイスを与えたのです。その日以来、子供たちは“ふれんど”同士の争いにのめり込んでいったというのです。
そして咲の場合は母・静子(黒沢あすか)が土信田(村上航)という教祖の率いる新興宗教団体「天地救世教会」にのめり込んでおり、咲も無理やり教団の集会に付き合わされて辛い思いをしていた時に“るくそー”のデバイスを受け取ったのです。
直人はこの黒づくめの四人衆と共に研究をしていました。この研究施設では「天災を防ぐ」との名目でとあるエネルギーを研究していました。それは宇宙を一つの生命体と考えると、“負のエネルギー”が溢れた時に天災が発生するというものであり、この“負のエネルギー”を最も有しているのが子供だというのです。
この“負のエネルギー”が実体化したものが“ふれんど”であり、四人衆は子供たちに配ったデバイスを通じて“負のエネルギー”を研究施設内の魔法陣に集積しているのです。
正志と咲は直人の勤める研究施設に向かいましたが、その入り口には静子が待ち構えていました。正志と咲は静子から逃れるように施設内に入り、魔方陣のある部屋に紛れ込んでしまいました。魔法人は明らかに強いエネルギーを有する正志の存在に強く反応して異変を起こしていました。正志と咲は直人に助けられ、魔方陣の部屋から脱出しました。
めめめのくらげのネタバレあらすじ:転
翌朝、咲と一緒に登校した正志はまたしてもいじめに遭い、“くらげ坊”を山中のゴミの中に隠されてしまいました。正志の有するエネルギーに目をつけていた四人衆は、“くらげ坊”を失った正志に例のデバイスを授けました。しかし、正志は“くじら坊”がいなくなってしまった現状を父を失ったあの時と重ね合わせて嘆き悲しみました。
正志をいじめていた者たちは先生に叱られ、その時に発生した“負のエネルギー”は続々と魔法陣に蓄積されていきました。更なる“負のエネルギー”を手に入れたい四人衆は“ふれんど”同士を対決させる一大大会を主催、児童養護施設にいた中川巧(石川新太)にデバイスを渡して大会へ参加させました。
一方、咲は竜也に大会に参加しないよう説得を試みましたが聞き入れられませんでした。咲はうなだれる正志に一緒に大会を阻止しに行こうと呼びかけますが、正志は自分が行ったところで何の役にも立たず、いじめっ子を助けるつもりもありませんでした。しびれを切らした咲は一人でも大会を止めに行くとして、大会の会場である研究施設へと向かっていきました。
会場では、竜也と樹蘭の“ふれんど”と、巧の“ふれんど”の“KO2”(声:桑島法子)が激突していました。“負のエネルギー”がどんどん貯まっていくなか、意を決した正志も咲と合流して一緒に研究施設に向かい、劣勢にあった竜也と樹蘭を助けました。こうして正志は竜也や樹蘭と和解を果たしました。
四人衆はかねてから研究方針を巡って折り合いの悪かった直人を拘束、偽者の直人を正志に差し向けました。偽の直人に襲われた正志は“くらげ坊”の名を叫び、その声に反応した“くらげ坊”は遂に立ち上がって研究施設に駆け付け、“KO2”と戦い始めました。
そして拘束を逃れた直人は偽の直人と戦い始め、竜也と樹蘭は窮地に陥った巧を助けて和解し、ケンカは終わりだと宣言しましたが、そこに四人衆の目論見通りに魔法陣から巨大な“ふれんど”の“オーバル”が出現してしまいました。
めめめのくらげの結末
四人衆は“再生”のためには“破壊”が必要だと嘲笑い、正志や“くらげ坊”はエネルギーを吸われて弱ってしまいました。“オーバル”は自分を神だと勘違いして近づいてきた静子を下敷きにしようとし、咲は静子を助けるために“るくそー”を使いますが、自らも“オーバル”に引きずり込まれて上空に連れ去られてしまいました。
竜也は学校の生徒たちに協力を呼びかけ、みんなの“ふれんど”の力を合わせて事態を打破しようとしましたが、“オーバル”を倒すということは“負のエネルギー”を清算することであり、全ての“ふれんど”が消滅してしまうことを意味していました。
それでも子供たちは力を合わせて“ふれんど”を操り、“オーバル”を追い詰めました。“オーバル”から逃れた咲は落下してしまいますが、間一髪で正志と“くらげ坊”によって助けられました。そして正志と“くらげ坊”は“オーバル”に最後の戦いを挑み、弱点を突かれて敗れ去った“オーバル”は、全ての“ふれんど”を吸い込みながら崩壊していきました。
戦いが終わり、“くらげ坊”をはじめとする全ての“ふれんど”は消滅していきました。正志や咲は“ふれんど”との別れを惜しんでいましたが、巧はデバイスを“オーバル”が消滅した穴に投げ込むと、何と“ふれんど”が元通りに復活して正志たちの元に戻ってきました。
正志は蘇った“くらげ坊”との再会を喜び、子供たちもまたそれぞれの“ふれんど”との再会を果たしていました。
以上、映画「めめめのくらげ」のあらすじと結末でした。
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