水の声を聞くの紹介:2014年日本映画。在日韓国人であるミンジョンは軽い気持ちから巫女をはじめるが、やがて真教「神の水」の教祖に祭り上げられる。人々の悩みを受け止める中、ミンジョンの中に変化が現れる。そして周囲の人々の喧騒を伴って教団は思わぬ方向へと転がっていく。果たしてミンジョンの祈りは救いに辿り着けるのか…。
監督:山本政志 出演:玄里(ミンジョン)、趣里(坂井美奈)、中村夏子(紗枝)、鎌滝秋浩(三樹夫)、小田敬(高沢)、萩原利久(シンジ)、薬袋いづみ(小宮佳恵)、松崎颯(小宮守)、富士たくや(宮沢裕太)、かわはらゆな(和子)、牛丸亮(ジュン)、村上淳(赤尾)、ほか
映画「水の声を聞く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「水の声を聞く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
水の声を聞くの予告編 動画
映画「水の声を聞く」解説
この解説記事には映画「水の声を聞く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
水の声を聞くのネタバレあらすじ:起
主人公ミンジョンは真教「神の水」の巫女を務めています。
マンションの一室で集まった人々の悩みを聞き、水の入った水槽に向かい祈りを唱え、神の声を告げます。
その中には母親の精神状態に悩む守や、性的虐待を受けてきたという紗枝など重い悩みに苦しむ信者もいます。
しかしそれは、「重要なのは特別な力があると信じさせること」と軽い気持ちで行っており、部屋を一歩でれば友達と遊びクラブで酒を飲む普通の女の子の暮らしをしています。
ミンジョンの亡くなった母親は韓国の巫女の血を引いているといいますがミンジョンにそんな実感はなく、父親はろくでなしで借金取りの高沢に追われています。
その父親三樹夫は高沢に借金のカタとして殺しを迫られますがしくじり、重症を負った高沢を捨ててその場から逃げ出し、行く当てのない三樹夫は教団の寝泊まりするようになります。
水の声を聞くのネタバレあらすじ:承
真教「神の水」は広告業界にいた赤尾が事業計画をたてるようになり信者を増やしていきます。
広報活動に力を入れ、韓国済州島の神に捧げる踊りトゥリン・クッをヒントにネットでミンジョンが行う儀式を生配信すると更に知名度があがりました。
一方、三樹夫は街で死んだと思っていた高沢に見つかり、手下達に追われます。
袋小路で三樹夫はシンジに見つかりますが、シンジはミンジョンの後輩であり三樹夫と顔見知りだった為、見逃してもらいます。
その頃ミンジョンは大きくなった教団で、悩みを聞きトゥリン・クッを踊る毎日を過ごしていました。
多くの悩みを聞くうちに遂にミンジョンは偽りの巫女の姿に精神的に疲れ「宗教的な知識もない。このままやっていく自信がない。」と教団に顔をださなくなり、赤尾は来なくなったミンジョンの代わりに信者の一人である紗枝を新しい教祖として祭り上げるのでした。
教団を去ったミンジョンは親戚を訪ね、済州島での悲しい歴史の裏にある祖母からはじまる自分のルーツを理解することで自分を取り戻します。
教団では父親の三樹夫が教団の資金を泥棒し、そのお金を高沢への口止め料としてシンジに渡していました。
紗枝は代理として順調に務めをこなしますが、守と深い中となり、紗枝と会うために守は精神を病んでいる母親を放置するようになります。
しばらくして教団に帰ってきたミンジョンは赤尾の筋書きではなく自分の言葉で信者と向き合い「祈りの力」で教団を次のステージへと導こうとします。
水の声を聞くのネタバレあらすじ:転
ミンジョンが教団をまとめ上げていく中、守は紗枝と一緒に行ったクラブで偶然に後輩であるシンジと会います。そこでシンジは守に“三樹夫が高沢に追われていること、三樹夫が盗んだ教団の資金を守の母親にも渡したこと”を告げます。
守は急いで母親の元に駆けつけますが、母親はシンジが配ったお金で好きなものを食べていました。守と母親は揉み合いになった末、母親が廊下から落ちて亡くなってしまい、守の心も壊れてしまいます。
教団を高めようとするミンジョンでしたが、採算の合わないやり方に赤尾達が反発し秘密裏に「神の水」を一旦潰して新しい宗教を作る動きをみせはじめます。
紗枝は守のことを心配してミンジョンに相談しますが、ミンジョンは企画した儀式の段取りに忙しく相談を流してしまいます。
そうしている間にマモルは命を絶ってしまい、憤った紗枝は高沢に三樹夫の居場所を告げるのでした。
水の声を聞くの結末
ミンジョンの企画した祈りの儀式の日。
山の中で信者と共に祈りを捧げ順調に進んでいたその時、紗枝が“三樹夫がミンジョンの父親であり教団の資金を盗んだこと”を皆の前でばらします。
それにより信者は混乱し、祈りの儀式は途中で終わってしまいます。
ミンジョンと三樹夫は高沢達に山奥に連れていかれ、そこでミンジョンは高沢に乱暴され三樹夫は拉致され行方知れずとなります。
その後、赤尾は紗枝を教祖に新しい宗教を作りますが、その様子を高沢が獲物を狙うように見つめていました。
傷ついたミンジョンは一人、祖母の墓参りに済州島に赴きます。
祖母の墓前でミンジョンが祈ると、それが通じたように、かつての教団があったマンションの一室に飾られた水槽の中に浮かぶ一枚の葉に炎が灯るのでした。
この映画の感想を投稿する