もみの家の紹介:2020年日本映画。富山県を舞台に、不登校になった少女が自立支援施設に入居し、様々な出会いと別れを通して成長していく姿を描いたヒューマンドラマです。物語の舞台となった施設「もみの家」は富山県に実在する「Peaceful House はぐれ雲」をモデルとしています。
監督:坂本欣弘 出演者:南沙良(本田彩花)、緒形直人(佐藤泰利)、田中美里(佐藤恵)、中村蒼(梶原淳平)、渡辺真起子(本田朋美)、二階堂智(本田隆司)、菅原大吉(丹保繁)、佐々木すみ江(太見ハナエ)、島丈明(聡志)、上原一翔(伴昭)、二見悠(晋哉)、金澤美穂(麗奈)、中田青渚(萌絵)ほか
映画「もみの家」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「もみの家」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
もみの家の予告編 動画
映画「もみの家」解説
この解説記事には映画「もみの家」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
もみの家のネタバレあらすじ:起
16歳の女子高生・本田彩花(南沙良)は東京で父・隆司(二階堂智)や母・朋美(渡辺真起子)と暮らしていました。彩花は周囲になじめず、いつしか不登校になって半年が経過していました。心配する両親は彩花を富山県の農村にある自立支援施設「もみの家」に入所させることにしました。
「もみの家」の経営者である佐藤泰利(緒形直人)は気さくな笑顔で彩花を出迎えました。泰利はここでの生活の基本は「早寝早起きと農作業」であると説明し、無理せずのんびり過ごすよう彩花を励ましました。
泰利は身重の妻・恵(田中美里)と共に施設を切り盛りしており、この施設ではそれぞれの悩みや問題を抱えた若者たちが合宿生活を送っていました。入所者は彩花の他に聡志(島丈明)、伴昭(上原一翔)、晋哉(二見悠)、麗奈(金澤美穂)、萌絵(中田青渚)の5人がおり、それぞれが恵を支えながら家事や掃除などを分担していました。
彩花は入所当日から、まるで家族のように賑やかな施設の空気に溶け込めないでいました。翌日から彩花は早速施設の仲間たちと共に田植えの準備作業をすることになりました。農作業の指導にあたるのは近所に住む丹保繁(菅原大吉)と「もみの家」出身者である梶原淳平(中村蒼)です。
もみの家のネタバレあらすじ:承
彩花は入所者たちと共に田んぼの田植え前の慣らし作業に入りましたが、慣れない作業に悪戦苦闘しました。他の入所者たちは田んぼの泥にまみれてはしゃぎ合い、彩花もその輪の中に加えようとしましたが、それでも彩花は誰にも心を開かぬままでした。そんな彩花に、近所に住む太見ハナエ(佐々木すみ江)が優しく声をかけ、彩花は思わず「東京に帰りたいよ」と泣き出してしまいました。
この季節はちょうど入所者たちが畑で栽培した野菜の収穫の時期でした。しかし、好き嫌いの激しい彩花はせっかく収穫された新鮮な野菜の数々に見向きもしようとしませんでした。そんな彩花を見かねた淳平は「好きなものでいいから採ってみなよ」と勧め、試しにトマトを食してみたところ、あまりの美味しさに驚きました。恵は彩花に「自分で採ったトマトの味は格別でしょ」と声をかけました。
萌絵は年齢の近い彩花を何かと気にかけてくれました。萌絵は彩花に、この施設の入所者たちは親がいない者もいれば親に無理やり連れて来られた者、就職に失敗した者など様々な事情や悩みを抱えていることを教え、誰もがどうにかなりたいと願っていることを伝えました。
ある日、彩花は淳平に誘われ、ドライブに連れて行ってもらいました。彩花は小高い丘から夕暮れの町を眺め、その美しさに心を奪われました。淳平は彩花に自分が「もみの家」に来た経緯を伝えました。かつていじめられっ子だった淳平は教師だった父にこの施設に入れられたのであり、父から「いじめは逃げるが勝ちだ」という言葉をもらったことを明かしました。彩花は淳平と触れ合ううちにすっかり彼に心を開くようになり、そして次第に淳平へのほのかな想いを募らせていきました。
もみの家のネタバレあらすじ:転
そんなある時、彩花と淳平との別れの時は突然訪れました。かねてから父と同じく学校の教師になることを希望していた淳平はこの度地元の中学校に赴任することになったのです。「もみの家」では淳平のお別れ会が開かれ、萌絵は彩花に告白することを勧めました。そして翌日は淳平との別れの日、彩花は告白することができませんでしたが、笑顔で互いに健闘を誓い合いました。
季節は移ろい、秋の気配が近づいてきました。「もみの家」は毎年、地元の秋祭りの伝統行事である獅子舞の踊り手を出しており、泰利は彩花にやってみないかと誘いました。引き受けることにした彩花はその日から練習に精を出し、練習の合間にはハナエの家を訪れては美味しいおはぎをいただく日々を送るようになりました。
やがて稲刈りの季節となり、「もみの家」の面々は丹精込めて育て上げた稲を刈り取っていきました。彩花は早速取れたての新米を東京の両親に送り、両親は娘の成長を涙ながらに喜びました。「もみの家」に来てからというもの、彩花は東京にいた頃とはうって変わってすっかり明るくなっていました。
そして秋祭りの当日。彩花は「もみの家」の仲間たちが見守るなか、緊張しながらも見事に獅子舞を踊り切りました。
もみの家の結末
間もなく冬が訪れ、辺り一面は雪が降り積もりました。そんなある日、彩花は恵からハナエが急死したとの知らせを受けました。彩花は強い衝撃を受け、葬儀に参列することもままならず、すっかり塞ぎ込んでしまいました。
彩花の17歳の誕生日。恵は陣痛を起こし、病院へ運ばれました。かねてから出産に立ち会ってみないかと恵から誘われていた彩花は居ても立っても居られず、病院へと向かいました。そして彩花や泰利の見守るなか、恵は元気な赤ん坊を出産しました。
恵は「彩花もこうして産まれたんだよ」と微笑み、彩花の目からはとめどなく涙が溢れました。彩花は東京の両親にメールを送り、春から「もみの家」に近い学校に通うことにしたことを伝えると、両親への感謝の気持ちを表しました。
冬が終わり、春が訪れました。この日は彩花が新しい学校へ登校する日、泰利は「無理せず頑張れよ」と彩花を送り出してくれました。彩花は桜が咲き誇るなかを自転車を漕いでいきました。彩花の人生はまだ始まったばかりです。
以上、映画「もみの家」のあらすじと結末でした。
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