ポンチョに夜明けの風はらませての紹介:2017年日本映画。『ひゃくはち』『イノセント・デイズ』などの原作者である小説家・早見和真の同名青春小説を『世界グッドモーニング!!』の廣原暁監督が映画化した青春ロードムービーです。卒業を間近に控える三人の仲良し高校生が成り行きから父の車を奪って高校最後の旅に出、行く先々で様々な人々との触れ合いを通じて成長していきます。
監督:廣原暁 出演者:太賀(又八)、中村蒼(ジン)、矢本悠馬(ジャンボ)、染谷将太(中田)、佐津川愛美(白石愛)、阿部純子(マリア/大貫カンナ)、角田晃広(東京03)(DJジャミラ(声))、佐藤二朗(八兵衛)、西田尚美(尚美)ほか
映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ポンチョに夜明けの風はらませての予告編 動画
映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」解説
この解説記事には映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「ポンチョに夜明けの風はらませて」のネタバレあらすじ:起
春が近づき、世間では大学受験や桜の開花予想などで盛り上がるなか、運転免許を取ったばかりの陽気な又八(太賀)が親友のジャンボ(矢本悠馬)の父・八兵衛(佐藤二朗)の愛車トヨタ・セルシオを拝借、DJジャミラ(角田晃広(東京03))のラジオ番組で流れる『ポンチョに夜明けの風はらませて』という楽曲を聴きながら不慣れな運転で国立東政大学の合格発表の場へと向かっていました。
又八とジャンボはこの大学を受験していた親友のジン(中村蒼)をセルシオに乗せ、ジンの話も聞かずにこれから海にドライブに行って大はしゃぎしようと持ち掛けましたが、ジンが大学に落第したと知るや又八とジャンボは言葉を失いました。
その頃、又八・ジャンボ・ジンの親友である中田(染谷将太)はギターを担いでジャンボの実家の店を訪れましたが誰もおらず、又八の母・尚美(西田尚美)の営むバーへと向かいました。中田は又八・ジャンボ・ジンと共に卒業式を乗っ取ってライブを強行しようと計画していましたが、その場にいた八兵衛はあの三人はロクに練習もしていないし恥をかくだけだから止めておけと忠告、尚美や中田に貯金をはたいて買ったばかりのセルシオの自慢話をし始めました。又八が慣れない運転で傷をつけてしまったとも知らずに・・・。
「ポンチョに夜明けの風はらませて」のネタバレあらすじ:承
ジャンボは頭を抱えるなか、又八はとりあえずセルシオの傷にペンキでも塗ってごまかそうと言い出しました。そんな時、三人はコンビニの駐車場で、人気のグラビアアイドルでありながらも歌手を志望して事務所の方針に反発していた白石愛(佐津川愛美)が暴走族にタバコの吸い殻を投げ捨ててトラブルを起こしている様を偶然にも目撃してしまい、逃げようとしたところに何と愛がセルシオに乗り込んでしまいました。
結局三人も暴走族に追われる羽目になってしまい、暴走族はセルシオのフロントガラスを割り、車体にスプレーで落書きをして去っていきました。半狂乱に騒ぎ立てる愛を尻目に、ジンは八兵衛から電話でセルシオに傷ひとつでもつけたらタダじゃおかないと脅されてしまいました。しかし、愛のファンである又八は彼女を音楽フェスティバル“黄金島フェス”に誘い、卒業式はどうするというジンとジャンボに卒業式ライブなど中止にすればいいと言い出しました。フェスには又八がファンであるペルー人ミュージシャンの“ペドロ・エ・インディヘナ”が18年ぶりに来日して出演することが決定していました。
「ポンチョに夜明けの風はらませて」のネタバレあらすじ:転
ジャンボのあだ名の由来は“アソコ”がデカいことであり、散々又八やジンに突っ込まれていました。そこでジャンボは単身風俗店に行き、風俗嬢のマリア(阿部純子)に自身の性の悩みを打ち明けました。マリアは「試してみませんか?」とジャンボとの本番行為に応じ、店長に怒られてジャンボと共に店から逃げ出しました。ジャンボとマリアは動物保護の募金のフリをして旅費を稼いでいた又八・ジン・愛と合流、海に向かった5人は寂れた無人の海の家がある浜辺を駆け回り、夜は花火をして楽しんでいました。
しかし、フェスでペドロのライブが見たい又八と卒業式までに帰りたいジャンボとジンとの間で意見が分かれ、意見を却下された又八はみんなに1枚の写真を見せました。それは赤ん坊の頃の又八がペドロと尚美に抱かれている写真であり、実は又八はペドロと尚美との間に生まれた、日本人とペルー人のハーフだったのです。「こんなに長く一緒にいたのに、俺はお前のこと全く知らなかったよ」というジンはジャンボと共に、いつしか意気投合していた愛やマリア、又八らのはしゃぎ回る輪の中に入っていました。
翌朝、又八・ジン・ジャンボが目を覚ますと、いつの間にか愛とマリアは姿を消しており、セルシオには「GOOD BYE」と落書きされ、しかも又八たちが集めた金も全て奪われてしまっていました。愛とマリアは「童貞ブラザーズへ。ペルー人の歌には興味ないので帰ります。お父さんに会えるといいね」との置手紙を残していました。
「ポンチョに夜明けの風はらませて」の結末
無一文となり、黄金島へ行くフェリーのチケットも買えない三人は「何だったんだアイツらは。フェリー代くらい置いていくよね」と愚痴をこぼしました。そんな時、ジンはジャンボの服の背中にマリアが本名の“大貫カンナ”名義で電話番号を記したメモを貼り付けていたことに気が付き、ジンは「俺たちってこんなもんだよな。肝心な時に上手くうかないんだよな」とジャンボと共に帰ることにしましたが、又八は「お前は諦めが早い」「勇気を失うことは全てを失うことだ(実は八兵衛の言葉)」と引き留め、結局又八はジンとジャンボの助けを借りてロープでフェリーと小さなバナナボートを繋げ、一人で島へ密航することにしました。
ところが、途中でロープが千切れてしまい、又八はそれでも泳いで島まで渡ろうとするも既にフェスは始まってしまい、何とか又八が島まで泳ぎ切った時には既に撤収作業が開始されていました。それでも又八は何とかペドロと対面を果たし、写真を見せて再会を喜び合うと、又八はペドロからポンチョをもらい、ジンとジャンボのところまで連れて行ってもらいました。
又八はペドロについて一緒にペルーに行くつもりでしたが、ペドロとバンドメンバーたちは又八を置いて走り去ってしまいました。その後、写真の裏に書かれたペドロのメッセージをスマホアプリで翻訳したジンとジャンボは、このメッセージが実はペドロがCDを買ってくれた尚美へのお礼のメッセージであり、ペドロは又八の実の父ではなかったのです。
ジンとジャンボは翌日に控える卒業式には出ずに旅を続け、ジンの親戚がいる福岡まで行こうと決意しましたが、カーラジオからは中田が番組に宛てたメッセージが読み上げられ、そこにはクラスでは全く存在感がなく何の目的もなく生きてきた自分たちがバンドを組んで卒業式を乗っ取り、ライブを決行するという固い決意が示されていました。又八はジンとジャンボを車内で寝かせ、ひたすら夜の道を走りながら様々な思いに浸っていました。
卒業式当日。中田は一人ギターを抱えたまま、体育館の外で三人の帰りを待ち続けていましたが結局三人は戻ってきませんでした。中田はたった一人でステージに上がって「明日とかどうでもいい」を熱唱、卒業生は中田を止めようとする教師たちを食い止めて大盛り上がりしました。その頃、遂にセルシオは完全に壊れてしまい、又八・ジン・ジャンボはセルシオを路地に捨てて草原を走り回っていました。
以上、映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」のあらすじと結末でした。
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