泣くな赤鬼の紹介:2019年日本映画。直木賞作家・重松清の短編小説集『せんせい。』に収録の同名短編小説を映画化したヒューマンドラマです。“赤鬼”の異名を持つ熱血の高校野球部監督と、末期ガンを患ったかつての教え子の再会を描きます。主題歌は竹原ピストルが手掛けています。
監督:兼重淳 出演者:堤真一(小渕隆(赤鬼先生))、柳楽優弥(斎藤智之(ゴルゴ))、川栄李奈(斎藤雪乃)、竜星涼(和田圭吾)、堀家一希(高校時代の斎藤智之(ゴルゴ))、武藤潤(高校時代の和田圭吾)、佐藤玲(小渕佐知)、キムラ緑子(斎藤智美)、麻生祐未(小渕陽子)、田島芽瑠(溝口遥)ほか
映画「泣くな赤鬼」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「泣くな赤鬼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
泣くな赤鬼の予告編 動画
映画「泣くな赤鬼」解説
この解説記事には映画「泣くな赤鬼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
泣くな赤鬼のネタバレあらすじ:起
2007年7月、“赤鬼先生”の異名を持つ小渕隆監督(堤真一)率いる城南高校野球部は、夏の甲子園出場を賭けて地区予選に挑んでいました。しかし、その夢はもろく碎け散り、赤鬼先生はマスコミのインタビューに応じました。その様子を、ひとりの茶髪の少年が寂しそうに聞いていました。
10年後。赤鬼先生はある人物に会うため病院にいました。現れたのは“ゴルゴ”の通称で呼ばれていた、かつての教え子・斎藤智之(柳楽優弥)です。ゴルゴは今では妻・雪乃(川栄李奈)と結婚し、子供もいましたが、実はゴルゴは既に末期ガンに侵されており、余命半年の宣告を受けていました。
赤鬼先生とゴルゴは野球のことなど語り合いましたが、ゴルゴは「俺に思い出話をする資格はない」として、途中で切り上げてしまいます。
赤鬼先生は今では城南高校から進学校の西高へ異動しており、ここでも野球部の監督はしていましたが、かつての情熱はすっかり失われていました。部員たちとはうまくかみ合わず、もはや甲子園を目指すどころではありませんでした。
そんなある日、野球部の指導をしている赤鬼先生の元に雪乃が訪ねてきました。ゴルゴは自分の病を受け入れられずに家族に当たり散らす日々を送っており、雪乃は限界を感じて離婚をも考えていました。
泣くな赤鬼のネタバレあらすじ:承
ゴルゴ(堀家一希)が初めて赤鬼先生と会ったのは2005年のことでした。自信過剰で活発なゴルゴは攻走守に優れ、練習試合でも先輩たちに引けをとらない活躍をみせて、三塁手のポジション争いに加わりました。これで念願の甲子園行きも夢ではないと感じた赤鬼先生は、ゴルゴの闘志に火をつけるべく、技量はゴルゴより若干劣るものの、熱意とひたむきさなら負けない和田圭吾(武藤潤)と正三塁手の座を競わせることにしました。
しかし、人と競い合うのが苦手なゴルゴは次第に脱落していき、それでもゴルゴを信じて叱咤激励し続ける赤鬼先生との間に溝が生まれていきました。やがてゴルゴは部活にも顔を出さずに悪い友だちと遊ぶようになり、そして問題を起こして学校を退学してしまいました。
そして現在。赤鬼先生は最初のうちはゴルゴと会うのをためらっていましたが、娘の佐知(佐藤玲)から「お父さんは人の弱い所をみる勇気がないんでしょ」と指摘されたことで改めて最期までゴルゴと向き合うことを決意しました。
死期を悟ったゴルゴは赤鬼先生に、生徒の葬式に出たことがあるのか尋ねてみました。30年も教師をやってれば悲しいこともあると答える赤鬼先生に、父のいないゴルゴは父の面影を重ね合わせていました。
泣くな赤鬼のネタバレあらすじ:転
赤鬼先生は意を決し、今ではエリートサラリーマンになっていた和田(竜星涼)の元を訪れました。赤鬼先生は和田にもゴルゴの見舞いに行くよう促しますが、いまだにあの日の地区予選で敗れたことを引きずっている和田は「アイツのこと見放したの先生じゃないですか。俺らは先生の夢を叶えるための道具でしかなかった」と断りました。
ゴルゴの容態は日に日に悪化していきましたが、ある日、赤鬼先生にもう一度また野球をやりたいとこぼしました。ゴルゴの願いを叶えてあげることにした赤鬼先生は、西高の野球部の部員たちに「俺の教え子をグランドに立たせてやって欲しい」と頭を下げ、彼らの協力を得てゴルゴをもう一度グラウンドに立たせてあげました。
雪乃と息子、ゴルゴの母・智美(キムラ緑子)が見守るなか、ゴルゴは満身創痍の身をおして赤鬼先生のノックを必死に受けていました。そこに。「しっかりしろよ、サード!」との掛け声と共に和田が現れ、ゴルゴは和田に三塁を託すと、久しぶりに和田と泥まみれになりながら野球に向き合いました。
和田は10年前、ゴルゴとポジション争いをしていた時に練習に来なくなったゴルゴに「赤鬼もお前に辞めて欲しいと思ってる」と嘘を付いたことを後悔し続けており、和田はそのことを詫びますが、和田の実力を認めていたゴルゴは「お前のせいじゃない。俺が自分で勝負を降りたんだ」と許しました。
泣くな赤鬼の結末
それから間もなくして、ゴルゴは危篤状態に陥りました。雪乃からの電話で病院に駆け付けた赤鬼先生はゴルゴに「悔しいけど、お前は精一杯やった。俺の生徒になってくれてありがとな」と涙を流しながら呼びかけ、ゴルゴは最後の力を振り絞ってサインを送ってみせました。
赤鬼先生の脳裏には、地区予選に敗れたあの日、ベンチから「まだ終わりじゃないよな。努力は報われるんだろ?あきらめんな、赤鬼!」と檄を飛ばすゴルゴの姿が映っていました。そして赤鬼先生はゴルゴの懸命に闘ってきた姿に、失いかけていた野球への情熱を完全に取り戻していきました。
新入部員の入部の日。赤鬼先生はかつての熱血だった頃に戻っていました。新入部員の自身満々のアピールにかつてのゴルゴを重ね合わせた赤鬼先生は、ふと笑みを浮かべました。
以上、映画「泣くな赤鬼」のあらすじと結末でした。
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