鹿の王 ユナと約束の旅の紹介:2020年日本映画。「精霊の守り人」の上橋菜穂子によるファンタジー小説「鹿の王」を映画化したアニメーション作品です。故郷を守るために戦う戦士団の男と感染症の治療に奔走する若き天才医師が困難に立ち向かってい姿を描いていきます。
監督:安藤雅司、宮地昌幸 声優:堤真一(ヴァン)、竹内涼真(ホッサル)、杏(サエ)、木村日翠(ユナ)、阿部敦(ヨタル)、安原義人(トゥーリム)、玄田哲章(アカファ王)、西村知道(ケノイ)、櫻井トオル(マコウカン)、藤真秀(オーファン)、青山穣(迂多瑠)、日野聡(シカン)、折笠富美子(ヴァンの妻)、松本惣己(ヴァンの息子)、堀井茶渡(トマ)、中博史(オウマ)、定岡小百合(オウマの妻)、川上ひろみ(季那)、祐仙勇(ヨキ)、河村梨恵(ヨキの妻)、田中誠人(ヨキの子)、ほか
映画「鹿の王 ユナと約束の旅」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「鹿の王 ユナと約束の旅」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「鹿の王 ユナと約束の旅」解説
この解説記事には映画「鹿の王 ユナと約束の旅」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
鹿の王 ユナと約束の旅のネタバレあらすじ:起
アカファ王国はかつて隣国のツオル帝国の強大な軍事力の前に蹂躙された過去のある国です。そして現在、ツオル帝国は再びアカファ王国への侵攻を開始しました。ツオル帝国は国の象徴である気球“玉眼”を侵略した地域に掲げ、ツオル皇帝が進軍することを“玉眼来訪”と呼んでいました。
ところが、ツオル帝国軍は謎の疫病“黒狼病(ミッツァル)”の突然の感染拡大に悩まされていました。黒狼病は山犬に噛まれることで感染する病ですが、感染力の強さから噛まれなくても発症する確率は高く、致死率の非常に高い難病でした。
しかし、ツオルの民には感染しても何故かアカファの民には噛まれても感染する者はいませんでした。ツオル軍はあと一歩まで迫ったアカファの聖地“火馬の郷”への進軍を止めざるを得ませんでした。
かつて飛鹿(ピュイカ)を駆り、ツオル帝国に最後まで抵抗した戦闘集団“独角(どっかく)”の頭だった戦士ヴァンは戦いに破れ、妻子を喪って囚われの身となり、アカファ岩塩鉱で奴隷として働かされていました。
ある日、岩塩鉱は山犬の群れに襲撃され、ヴァンや奴隷たちは次々と山犬に噛まれていきました。奴隷たちは次々と病を発症して死んでいきましたが、なぜかヴァンは死なずに生き残り、突如として湧いてきた不思議な力により窮地を脱することができました。ヴァンはその場にいた幼い少女・ユナを連れ、森で見つけた飛鹿に乗って旅立ちました。
鹿の王 ユナと約束の旅のネタバレあらすじ:承
ツオル帝国に仕える若き天才医師のホッサルは助手のマコウカンとともにツオル皇帝の息子で後継者のヨタルに呼び出され、アカファ岩塩鉱で発生した謎の病の実態を調べるよう命ぜられました。現地に向かったホッサルは死体の症状からこの病が黒狼病であることを見抜きました。
そしてホッサルはまだ新しい血だまり(ヴァンの血)があることに気づき、まだこの血の者が生きている可能性があること、この血を調べれば黒狼病に打ち克つ抗体を探ることができると確信しました。
その頃、ツオル皇帝がアカファを視察に訪れていました。アカファ国王は表向きはツオルに従うフリをしていましたが、裏ではアカファからツオルを排除すべく側近のトゥーリムと共に策略を練っていました。
アカファ王とトゥーリムは黒狼病をツオルへの対抗手段としており、火馬の郷を護る戦士オーファンや山犬を操る“犬の王”ケノイの協力も得て黒狼病のウイルスを宿す山犬をツオルの陣地に放とうと目論んでいました。アカファ王とトゥーリムは生き残りであるヴァンの血が黒狼病の治療に利用されることを阻止するため、跡追い狩人の女サエにヴァンの追跡と殺害を命じました。
その頃、飛鹿に乗って旅を続けていたヴァンとユナはいつしか心を通わせあうようになり、親子のように絆を深めあっていきました。やがてヴァンとユナは飛鹿の持ち主であるトマと出会い、トマの住む村に身を寄せることにしました。
鹿の王 ユナと約束の旅のネタバレあらすじ:転
ヴァンとユナは村で穏やかに過ごしました。ヴァンは村人たちのために一生懸命に働き、ユナはトマから飛鹿の世話を教わりました。ヴァンは村の長老に、鹿には弱い子鹿を身を挺して守る習性を持つ強き鹿、すなわち“鹿の王”の話をしました。
程なくして、ヴァンの居場所はサエに突き止められました。村は山犬に取り囲まれ、ヴァンは村人たちに危害が及ばないよう自分ひとりだけで投降しようとしましたが、山犬はユナを連れて去ってしまいました。
ユナを助けようとしたヴァンはサエの矢により傷を負ってしまいました。そこにホッサルが現れ、ヴァンの手当てをしつつ抗体を得るため協力を求めました。ヴァン、ホッサル、サエはサエの持つ跡追いの能力を生かし、ヴァンはユナを探すため、ホッサルは黒狼病の治療法を探るため、それぞれの目的のために三人で旅をすることになりました。
ヴァンたちは火馬の郷へ辿り着きました。そこにはツオルへの反攻を計画しているオーファンとケノイが待っており、ヴァンは年老いたケノイから犬の王の後継者になってくれと頼まれましたが拒絶しました。
一方、ホッサルとサエは山犬の群れにいたユナを無事保護しました。ホッサルはヴァンから提供された血で黒狼病の治療薬開発を開始する一方で、ユナから教えてもらった飛鹿の好物“アッシミの草”には黒狼病の抗体を作る物質があることに気づきました。
元来から飛鹿の乳を飲む習慣のあるアカファの民(ヴァンやユナも含む)が黒狼病に感染しないのに対し、ツオルの民には飛鹿の乳を飲む習慣がないのです。
鹿の王 ユナと約束の旅の結末
オーファンは黒狼病の病原菌を有する山犬の群れをツオルの玉眼来訪に襲撃させる計画を実行に写しました。ケノイはユナを犬の王の後継者に仕立てる決意を固め、ユナを山犬の群れに同行させました。
ヴァンはユナを取り戻すため、自らが犬の王となる決心をしました。ヴァンは飛鹿に乗って山犬の群れに向かい、不思議な力を発して山犬たちを屈服させると、ユナをその場に残して山犬たちと共に森の中へと消えていきました。
一方、ホッサルはヨタルにこのまま進軍すれば貴重なアッシミが失われてしまうため進軍を中止するよう進言しました。ホッサルに信頼を寄せるヨタルは意見を聞き入れました。
季節は流れ、ユナはトマの村で平和に暮らしていました。ホッサルは治療薬の開発と共にアッシミの葉の研究にも着手していました。
ある日、ユナは山で1頭の飛鹿を見つけました。その飛鹿はかつてヴァンが山犬を連れて去る際に乗った飛鹿であり、ヴァンとの再会を確信したユナは穏やかな微笑みを浮かべました。
以上、映画「鹿の王 ユナと約束の旅」のあらすじと結末でした。
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