アキラとあきらの紹介:2022年日本映画。「半沢直樹」で一躍話題になった池井戸潤の同名小説の映画化。元銀行員だった経歴を持つ池井戸潤らしく業界内部を深く掘り下げた内容となっていて、そこで火花を散らす男たちの熱き戦いが描かれています。
監督:三木孝浩 出演:竹内涼真(山崎瑛)、横浜流星(階堂彬)、高橋海人(階堂龍馬)、上白石萌歌(水島カンナ)、児嶋一哉(階堂崇)、満島真之介(工藤武史)、塚地武雅(保原茂久)、宇野祥平(井口雅信)、戸田菜穂(階堂聡美)、杉本哲太(山崎孝造)、酒井美紀(山崎淑子)、馬渕英里何(井口由子)、奥田瑛二(羽根田一雄)、石丸幹二(階堂一磨)、ユースケ・サンタマリア
(階堂晋)、江口洋介(不動公二)、ほか
映画「アキラとあきら」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アキラとあきら」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アキラとあきら」解説
この解説記事には映画「アキラとあきら」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アキラとあきらのネタバレあらすじ:起
山崎瑛は幼い頃、父親が町工場を倒産させる姿を目の当たりにしました。山崎一家は追い出されることになり、瑛が大好きだった工場はなくなってしまいます。唯一残った父親の開発した部品を握りしめ、瑛は悔しさのあまり泣きじゃくり、立ち去るトラックを追いかけて飛び出した時、後ろからやってきた車に轢かれそうになりました。
そこで大企業「東海郵船」の御曹司・階堂彬と出会います。それはアキラとあきらが、偶然同じ名前で全く違う境遇の二人が出会った瞬間でした。
彬の父親が経営する東海グループは、父親の兄弟たちがそれぞれ社長を務めていますが、兄弟仲が悪く足の引っ張り合いをしています。彬はそんな状況に心を痛めていたのです。
それから12年が過ぎました。産業中央銀行の新人社員研修で瑛(竹内涼真)と彬(横浜流星)が敵対するチームとなり、凌ぎを削っています。両者譲らぬ勝負となり、それは後にバンカーの中でも語り草となるほどの勝負となったのです。その勝負は伝説のトップバンカーと呼ばれる融資部長の羽根田(奥田瑛二)も見守るほどとなります。
アキラとあきらのネタバレあらすじ:承
やがて瑛は上野支店に配属になり、町工場の井口ファクトリーの融資を担当することになりました。瑛はどんな厳しい状況でも親身になり対応する良いバンカーです。しかし井口ファクトリーの大手取引先が倒産し、工場も不渡りが出てしまいます。
瑛の上司・不動(江口洋介)は融資を取り止め、他行の預金を押さえ融資金を回収するよう命じました。その預金が難病の娘の手術に使うお金だと知っていた瑛は、融資をどうにか続けられないかと訴えますが、相手にされませんでした。
幼い頃の辛い記憶がある瑛は、他の誰にも辛い思いはさせたくありません。瑛は至急預金を下ろすよう井口社長(宇野祥平)に進言しました。瑛はこの一件で地方の支店に左遷となります。
4年後、彬は本社勤務で順調に出世街道を歩んでいました。しかし、父親の一磨(石丸幹二)が突然倒れて亡くなってしまいます。これで一族が遺産相続で揉めてしまい、さらに憎み合うようになりました。結局、父親の東海郵船は弟の龍馬(高橋海人)が継ぐことになります。
アキラとあきらのネタバレあらすじ:転
龍馬は一族の争いに嫌気が差して逃げ出し銀行マンになった兄・彬に不満を持っていました。そんな兄に負けじと父親の会社を盛り上げていこうとしましたが、経験不足の龍馬は伯父の晋(ユースケ・サンタマリア)と崇(児嶋一哉)にはめられてしまい、東海郵船を倒産の危機に追い込んでしまいます。
その頃、瑛は左遷先で苦しんでいました。瑛の思う以上に企業と銀行の信頼関係が希薄だったのです。何の力にもなれない状況に瑛は苦しんでいましたが、娘の手術が成功したと井口社長の知らせの手紙を見て奮起、経営難に苦しむ企業を救うことに成功します。
そして、そこから瑛は人に親身になれるトップバンカーへと成長し、実績を認められ、本社に返り咲くことになりました。
東海郵船のメインバンクとして融資をしていた産業中央銀行の水島(上白石萌歌)は、多額の資産運用に気づき、龍馬に問い正しますが龍馬にはぐらかされてしまいます。水島は彬の同期でありトップバンカーとなった瑛に相談することにしました。彬を呼び出し、弟を助けてあげるよう告げますが、冷たく突き放します。
やがて、取り返しのつかない所まで来てしまった東海郵船、追い詰められた龍馬は倒れてしまいました。弟に全てを擦り付けていたせいだと後悔した彬は、家族を守る決意をし、銀行を辞めて東海郵船の社長になりました。
アキラとあきらの結末
伯父である晋と崇にどうにかしろと押し付けられた彼らのリゾートホテル、この再興のために彬は水島を頼り多額の融資を願い出たのです。かなり不利な状況の中、融資の担当にやってきたのは出世街道に乗っていたはずの瑛でした。「後悔するぞ」彬の言葉に「これは宿命なんだ」と瑛は返します。
まずはリゾートホテルを売却しようと動きますが、負債を抱えてまで買いたいという会社はありません。残る道は東海商会や東海観光などのグループ会社の全株を東海郵船に譲渡し、傘下に入ることでした。それには元々仲の悪い伯父たちを説得することが必要で、案の定説得は難航を極めます。
しかし、彬が一人一人と向き合っていき、土下座までしたことで、少しずつ風向きが変わってきました。これに瑛も応えます。自らの進退をかけ不動本部長に掛け合いました。瑛は最後まで弱い者の味方で、誰かを救うことを貫いてきたのです。
それが不動の心を動かし、瑛の稟議を通しました。瑛は喜び、瑛の退職を止めようとやってきた彬と固い握手を交わします。
その後、二人は瑛の故郷にいました。アキラとあきら、幼き日に出会った二人が今こうして友情を深めている。それは会うべくして出会った宿命のようでした。
以上、映画「アキラとあきら」のあらすじと結末でした。
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