金メダル男の紹介:2016年日本映画。ウッチャンナンチャンの内村光良が2011年に上演した一人舞台『東京オリンピック生まれの男』をベースに自ら監督・脚本・主演を務めて映画化した作品で、あらゆるもの全てで“一等賞”を目指した男の半生を描いています。
監督:内村光良 出演者:内村光良(秋田泉一)、知念侑李(若き日の秋田泉一)、木村多江(亀谷頼子)、ムロツヨシ(村田俊太郎)、土屋太鳳(横井みどり)、平泉成(秋田留一)、宮崎美子(秋田房江)、笑福亭鶴瓶(難波寅太)ほか
映画「金メダル男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「金メダル男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「金メダル男」解説
この解説記事には映画「金メダル男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
金メダル男のネタバレあらすじ:起
1964年、東京オリンピックが開催された年。秋田泉一は長野県塩尻市で生を受けました。1973年、9歳になった泉一(大西利空)は小学校の徒競走で初めて一等賞を獲り、その時初めて一番になることに至福感と優越感を感じるようになりました。それからというもの、泉一はスポーツのみならず絵画や書道、工作などでも一等賞を獲り、“金メダル男” “塩尻の神童”との異名を取るようになりました。1977年、中学生となった泉一(知念侑李)は水泳部や剣道部でも一等賞を目指しましたが、思春期ゆえに同級生の女子に興味を示すようになった泉一は次第に勝利から見放されるようになり、部活を転々としましたが結局中学では一等賞を獲れずに終わりました。1980年、高校に入学した泉一は引き続き一等賞にこだわりますがどうしても獲れませんでした。
金メダル男のネタバレあらすじ:承
ある日、泉一は同級生の竹岡啓二(ささの友間)と知り合い、彼に誘われてバスケットボール部に入部しますが、結局団体行動に馴染めずに退部します。1981年、すっかり目標を見失っていた泉一は、テレビでアイドル歌手の北条頼子(清野菜名)が歌った「私のサンクチュアリ」という曲に勇気をもらい、自ら“表現部”なる部活動を立ち上げ、パフォーマンスや芸術活動など思いつくままに活動し、やがて学校内から拍手喝采を得て泉一は再起を果たします。1982年、泉一は表現部に入部した後輩の女子生徒・横井みどり(土屋太鳳)に一目惚れし、彼女と組んで創作ダンスの練習に取り掛かります。泉一は意を決してみどりにキスしますが結局フラれてしまい、泉一は高校卒業と同時に上京を決意しました。1983年、東京に出た泉一は寿司職人の難波寅太(笑福亭鶴瓶)に弟子入りする傍ら、仮装大賞やクイズ番組、アイドル事務所のオーディションなどに果敢に挑みますが全て落第、寿司職人への道もあきらめた泉一はひょんなことから村田俊太郎(ムロツヨシ)率いる「和洋折衷」なる小劇団へ入団します。1989年、看板役者にまで上り詰めた泉一は、村田が同性愛者と知るや劇団を逃げるように退団しました。
金メダル男のネタバレあらすじ:転
1991年、世界中を旅して回る決意をした泉一は中国に渡り、自転車で各国を走る旅を開始します。自転車を盗まれると今度は北極点単独徒歩到達に挑むも断念、その後はヨーロッパ各地やインド、タイなどを転々とします。しかし、タイで交通事故に遭い瀕死の重傷を負った泉一は数年かけてリハビリに励み、今度は手漕ぎボートで太平洋横断に挑戦しますが嵐に遭遇してしまい、無人島へ流れ着きます。泉一は島で数ヶ月もの間過酷なサバイバル生活を送り、2003年に無事救出されます。その時、泉一(内村光良)は既に39歳となっていました。帰国を果たした泉一は奇跡の生還劇ということで一躍時の人となり、マスコミに大々的に取り上げられるようになりました。泉一はマネジャーに亀谷頼子(木村多江)という女性を迎え、テレビのクイズ番組に出演するなど活躍していましたが、時間が経つと共に泉一は世間から飽きられ、仕事も激減しました。そんなある日、泉一は頼子がかつてアイドル歌手だった北条頼子本人であることを知り、彼女に交際を申し込みます。
金メダル男の結末
2005年、40歳になった泉一は晴れて頼子と結婚、コンビを組んでダンス大会や漫才コンクールなどに挑戦します。やがて頼子は妊娠し、泉一は生まれてくる子供のためにもまともな職に就こうと決意、両親と同じくデパート販売員の職を得ます。2007年、泉一夫妻の元に待望の長男・究一が産まれ、泉一はひたすら仕事に精を出しました。2009年、泉一はデパート屋上から引っ掛かった垂れ幕を降ろそうと作業をしていたところ危うく落下しそうになり、垂れ幕を引っ張りながら降りたところ、これがまさかの大ウケとなり、テレビにも取り上げられた泉一はまたしても注目の的となりました。しかしブームもやがて下火となり、2011年、高校時代の表現部の後輩だった星川優馬(高嶋政宏)がスペシャルショーを開くや完全に話題をかっさらわれてしまいます。落ち込んだ泉一に、究一は手製の金メダルをプレゼントしました。2012年、デパートを辞めた泉一はカメラ屋に転職、自らも写真に興味を持ち、写真を撮るようになりました。かつて劇団の座長だった村田はオネエタレントに転身し、旧友の竹岡(温水洋一)は今や高校教師となっていました。そして泉一の獲った両親(平泉成、宮崎美子)の写真がコンテストで総合グランプリを受賞し、再び一等賞を得た泉一はカメラマンとして活躍するようになりました。2016年、52歳になった泉一は、息子・究一が徒競走で一等賞を獲ったことに刺激を受け、2020年の東京オリンピックに向けてゴルフの練習を開始しました。
以上、金メダル男のあらすじと結末でした。
現実の1969年から2016年を背景に、内村光良演じる泉一の人生が描かれます。その時々のテレビ番組や流行語などが効果的に盛り込まれている他、服装なども「当時っぽい」ものになっており、ある意味コメディ映画とは思えないほど、丁寧に作りこまれています。木村多江演じる頼子の酔っ払いシーンと、夫婦漫才のシーンでのはじけっぷりが、個人的にはツボでした。