メン・イン・キャットの紹介:2016年フランス,中国映画。ひょんなことから猫に意識が移ってしまった男性が、家族との絆と取り戻す様を描いたドタバタコメディ。ワンマン社長で猫嫌いのトムは、娘にせがまれ渋々猫を購入する。ところがある出来事がきっかけで、トムの意識は猫の中に入ってしまった。何とか家族に気付いて貰おうと奮闘する内に、トムは今まで蔑ろにしてきた家族の大切さに気付いていく。
監督:バリー・ソネンフェルド 出演者:ケヴィン・スペイシー(トム・ブランド)、ジェニファー・ガーナー(ララ・ブランド)、ロビー・アメル(デヴィッド・ブランド)、シェリル・ハインズ(マディソン・カムデン)、マーク・コンスエロス(イアン・コックス)ほか
映画「メン・イン・キャット」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「メン・イン・キャット」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
メン・イン・キャットの予告編 動画
映画「メン・イン・キャット」解説
この解説記事には映画「メン・イン・キャット」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
メン・イン・キャットのネタバレあらすじ:ワンマン社長
舞台は現代アメリカ。大企業ファイヤーブランドの社長トム・ブランドは、今まさに飛行機からスカイダイビングに挑もうとしていました。スカイダイビングはトムの趣味のようなもの。何度誘っても怖気づいて断る、社員で息子のデヴィッドのことを腰抜けと評するほどです。飛び降りたトムはパラシュートを広げ、建設中の自社ビル「ファイヤーブランド・タワー」の屋上に着地しました。完成間近の屋上で記者会見に応じます。トムは北半球で一番高いビルを建てることに夢中になっていました。ところが会社に戻ると、社員のイアン・コックス達が株式公開の資料を広げて会議中です。社の重役達はタワー建設にかかる費用に頭を悩ませ、株を売却して補填しようと考えていました。しかしトムは会社を売るつもりなどさらさらありません。51%の株を所有する彼は上場に断固反対し、次にこんな話をすればクビだと宣告します。トムはとても傲慢なリーダーでした。デヴィッドに「一人前の男になった時のために」とメッセージを添えてパラシュートを贈り、妻子が待つ家に帰ります。
メン・イン・キャットのネタバレあらすじ:パーキンスの警告
トムは若く美しい妻ララと、10歳の娘レベッカと一緒に暮らしています。デヴィッドは前妻マディソン・カムデンとの間に生まれた子どもです。帰宅してようやく、明日がレベッカの誕生日だと思い出したトム。愛娘の誕生日すら忘れる仕事熱心ぶりにララは呆れていました。デヴィッドも放っておかれた父に会いたい一心でファイヤーブランドに入社したのです。翌日。レベッカにプレゼントの希望を尋ねると、猫という答えが返ってきました。トムは大の猫嫌いなので誤魔化そうとしますが、去年も同じ手を使った負い目もあり、渋々ペットショップへ向かいます。カーナビの案内でたどり着いたのは、パーキンス・ペットショップという若干怪しげな店。到着して早々、1匹の猫がボンネットに飛び乗りました。店主のパーキンスは人間が猫を選ぶのではなく、猫が人間を選ぶのだと話しその猫を薦めます。トムが苛々しながら店のテレビを見ると、シカゴにファイヤーブランド・タワーより18メートルも高いビルが出来ると報道されていました。トムはさっさと店を出ようと適当なエサ皿を手に取ります。そこには「Mr.もこもこパンツ」と書かれていました。するとパーキンスは急に「電話には出るな」と言い出します。トムは不気味に思いながらもイアンからの電話に出てしまい、呼び出しを受けたので家ではなく会社に行きました。Mr.もこもこパンツを連れ、建設中のタワー屋上へ行ったトム。シカゴのビルについてイアンを激しく糾弾し、クビを宣告しようとしたところ落雷に驚いて足を滑らせます。イアンが冷たく見下ろす中、トムとMr.もこもこパンツは屋上から落下してしまいました。金属棒に接触し、ガラスを突き破って途中の階に落ちたトムとMr.もこもこパンツ。意識を失ったトムが次に目を覚ますと、自分の体がストレッチャーで運ばれていくのが見えました。どういう訳か、トムの意識はMr.もこもこパンツの中に移ってしまったのです。
メン・イン・キャットのネタバレあらすじ:悪あがきと悪巧み
トムの体は意識不明の重態です。駆けつけたララは、中身がトムのMr.もこもこパンツを見つけ、きっとレベッカへのプレゼントだと解釈しました。トムの言葉は猫の鳴き声にしかならず、事情を説明出来ません。ララが離れた隙に、パーキンスが現れました。どうやら猫のトムとも会話出来るらしい彼は、何故猫になったのか自問し続ければ答えは出ると話します。ララに連れられて自宅に戻ったトムは、あの手この手で自分が人間であることを伝えようとしました。しかしペンを持っても字が書けず、iPadは反応してくれません。やけになってスコッチを灰皿に注ぎ、酔っ払ってしまう始末です。猫らしからぬその行動に、ララは早くも不信感を抱き始めました。会社ではイアンを中心に、株の売却について会議が行われます。今がチャンスと張り切る彼らに、デヴィッドは心を痛めました。
メン・イン・キャットのネタバレあらすじ:家族の絆
ある朝、トムはパーキンス・ペットショップの広告欄だけを残し、電話帳をズタズタに破きました。それを見たララはパーキンスを自宅に呼び、猫らしからぬ行動について相談します。パーキンスはこっそりと、トムに時間が無いと警告しました。人間のトムが死亡すれば意識は一生猫に移ったままです。家族を幸せにしたいなら猫の自覚を持てと言われ、トムは渋々猫らしい行動を心がけるようになりました。そんな折、ララにジョシュという男性から連絡が入ります。浮気を疑ったトムは外出するララの車に飛び乗り、真偽を確かめることにしました。ララが向かったのは、ジョシュが待つ売り家です。ララは家庭を顧みないトムとの離婚を考え、不動産屋のジョシュに相談していたのです。しかしトムが意識不明になった今、ララは家族への愛情を再確認し購入を取りやめました。レベッカも昔トムと踊った動画を見て悲しみを堪えます。これまで家族を蔑ろにしてきた自分の罪に気付き、「俺はバカだ」と呟くトム。それからは家族のことを第一に考え、悲しみを癒そうと奮闘します。そんなトムの様子を見たレベッカは、Mr.もこもこパンツはトムなのではないかと考え始めました。一方、デヴィッドは社の売却を進めようとするイアンの企みを阻止するため、トムの書斎を訪れます。トムの意思表示となる書類を探しているのです。デヴィッドが書類を詰めた箱にこっそり入ったトムは、一緒にファイヤーブランド社へ行きました。そこでイアンが会社の定款をシュレッダーにかけて破棄する瞬間を目撃します。定款にはデヴィッドに株式を譲るというトムの意思表示が記されていました。バラバラになった定款を見つけたデヴィッドは、すぐにマディソンに連絡を取ります。マディソンは会社の立ち上げ時からの記録を全て自宅に保管していました。無事定款を見つけたデヴィッドは、「ファイヤーブランド」という社名が、昔自分が描いた絵から取られたものだと知ります。
メン・イン・キャットの結末:決死のダイブ
そして迎えた落成式の日。レベッカはトムを連れパーキンス・ペットショップを訪ねていました。そこで昔と同じダンスをトムと踊ったレベッカは、Mr.もこもこパンツは父であると確信します。ところが同時刻、トムの体は脳死状態に陥ってしまいました。病院に駆けつけたデヴィッドは、トムの背広からタワーの入館証を発見し最後の賭けに出ます。タワーの屋上から落成式めがけて飛び降り、発言の機会をもぎ取ることにしたのです。トムは慌てて追いかけようとしますが、ララが医師と呼吸器を止める相談をしているのを聞いて足を止めました。レベッカはダンスを見せればララも信じてくれると訴えます。ここで信じて貰えれば、トムの体は助かるかも知れません。しかしトムはデヴィッドを助けるため走り出しました。パーキンスの協力を得てタワーに侵入したトムは屋上へ。飛び降りるデヴィッドを追いかけ身を投げます。デヴィッドは以前トムから贈られたパラシュートを身につけていました。トムは紐を引くようなジェスチャーを見せ、従ったデヴィッドは無事パラシュートを開きます。息子を誇りに思いながら落下するトム。地面に叩きつけられる直前、光に包まれたトムの意識は人間の体に戻っていました。付き添っていたララとレベッカは歓喜します。デヴィッドは見事スピーチ中のイアンの前に着地し、記者の注目を集めたところで社の売却はありえないことを宣言しました。諦めの悪いイアンは計画を断行しようと、電話をしながら早足で歩きます。そこへパーキンスが現れ「電話を切れ」と警告しました。警告を無視したイアンは車に轢かれてしまい、気付くと猫の体に意識が入っていました。後日、回復したトムはレベッカを連れてパーキンス・ペットショップを訪ねます。猫を欲しがるレベッカに、パーキンスが渡したのはMr.もこもこパンツでした。レベッカが大喜びでMr.もこもこパンツを抱きしめ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画メン・イン・キャットのあらすじと結末でした。
最初は何故猫になる必要があるのだと思っていたのですが、トムが猫に変身したのは人生においてのチャンスだったのだなと思いました。猫になったトムが娘と遊んでいるシーンは見ていてとても微笑ましいです。そして、息子が良い子で有能で今作のMVPだと感じました。