ペンギンが教えてくれたことの紹介:2020年アメリカ,オーストラリア映画。家族旅行で行ったタイで不慮の事故に見舞われたサムは、下半身不随で車いす生活を余儀なくされます。3人の息子の母であるサムは、その現実を受け入れることができません。そんなとき、家族のもとに1羽のカササギフエガラスがやってきます。その鳥が重苦しい家族の空気変えていく、実話を基にした作品です。
監督:グレンディン・イヴィン 出演:ナオミ・ワッツ(サム)、アンドリュー・リンカーン(キャメロン)、グリフィン・マレー・ジョンストン(ノア)、ジャッキー・ウィーヴァー(ジャン)、ほか
映画「ペンギンが教えてくれたこと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ペンギンが教えてくれたこと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ペンギンが教えてくれたことの予告編 動画
映画「ペンギンが教えてくれたこと」解説
この解説記事には映画「ペンギンが教えてくれたこと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ペンギンが教えてくれたことのネタバレあらすじ:起
ノアは3人兄弟でブルーム家の長男です。母はサム、父はキャメロン。両親2人は10代の頃に出会ってから、それからずっと一緒です。サムとキャメロンは海が大好きでした。
ある日、家族旅行でタイを訪れます。その旅行中にノアは、母にも来てほしいと高いところへと誘い、サムはその言葉通りに向かいます。サムはノアを眺めながら手すりに寄りかかると、木材が腐っていたようで手すりが壊れ、サムは墜落してしまいます。それによってT6という骨を骨折し、背中の上辺りから下は感覚が無くなってしまいます。
車いす生活を余儀なくされ、その事故の日からサムは心を閉ざしてしまいます。一方ノアは、自分のせいで母が骨折してしまったと責任を感じてしまい、同じく心を閉ざしてしまいます。今まではサムが中心となって子育てをしていましたが、キャメロンは子供の面倒を見ながら、サムの介護にもいそしみます。
サムは自分が家族のお荷物になっているとしか考えられなくなり、気分が落ち込みます。
ペンギンが教えてくれたことのネタバレあらすじ:承
ノアは木から落ちて路頭に迷っている小鳥を見つけて拾ってきます。その鳥はカササギフエガラス。体の色が黒と白だったのでノアが『ペンギン』と名付けます。ノアは飼いたいとせがみますが、サムはもう手がいっぱいだからとペンギンを飼うことに消極的です。
しかし、ペンギンは餌を食べられないほどに弱っていて、このまま自然に返すのはかわいそうだとノアは言い、熱心にペンギンの世話をします。
ある夜中、「パパ!!」と叫ぶ声が家に響きます。サムはすぐに気づきましたが、自分で助けに行くことはできません。キャメロンを必死で起こし、子供のところへ向かわせます。どうやらカキにあたって体調を崩したようで、トイレで吐いていましたが大事にはいたりませんでした。
しかし、サムは落ち込みます。こんな時には必ず子供たちに自分が呼ばれていたのに、迷わずキャメロンを呼び出したからです。子供たちからも必要とされない、役立たずになってしまったとサムは感じてしまいます。
学校に行っている間に、ペンギンの面倒を見てほしいとサムはノアから頼まれます。サムは放っておこうと思っていましたが、ペンギンは鳴き続けます。サムは仕方なくペンギンの元へと向かいます。餌を食べさせようとしますが食べません。しかし、ペンギンから離れると鳴きだします。うんざりしているサムを横に、ペンギンはちょこちょこと動き出し、家の中でいたずらをします。その姿を見て、サムはペンギンに対してだんだんと愛着が湧いてきます。
ノアが帰ってきてから、ノアは正式にペンギンを飼っていいかをサムに尋ねると、ペンギンの体調が戻るまでとの条件をつけてサムは飼うことを認めます。ノアは大喜び。ペンギンはたくましく成長をし、ブルーム家の一員となります。しかし、飛べてもいい時期だったのにペンギンはまだ飛ぶことができません。
ペンギンが教えてくれたことのネタバレあらすじ:転
サムは事故以来、病院に行く時くらいしか外に出なくなってしまいました。そこで、サムの母親と姉は半ば強制的にサムをランチに連れていきます。サムはあまり乗り気ではありませんでしたが、ランチへと向かいます。そこで病院で働いていた頃の同僚とばったり会います。サムはとても複雑な気持ちになります。
家に帰ってから、もやもやな気持ちを抱いたサムは、事故が起こる前の写真が飾られている壁を眺めます。そして、勢いで写真が入っている額を叩き割ってしまいます。キャメロンと子供たちが帰宅すると、家族の思い出の場所にガラスの破片や写真が散らばっている光景が広がります。キャメロンと子供たちはショックを受けます。
落ち着いて少し時間が経った後、キャメロンはサムに、カヤックをやってみてはどうかと提案をします。しかし、サムは「私の気持ちを分かっていない」とキャメロンに怒りをぶつけます。そのブルーム家の重苦しい空気を察したかのように、ペンギンは初めて飛び立つことに成功します。
さっきまでの重苦しい空気は一変、ブルーム家全員に笑顔が戻ります。サムはペンギンから勇気をもらい、カヤックにチャレンジしてみることにします。最初は海に入ることをとても怖がっていましたが、一度入ってしまうと、サムは海の魅力に魅せられていきます。
ペンギンが教えてくれたことの結末
サムの誕生日に家族みんなで集まってお祝いをするために、サムの実家へと向かいます。ペンギンも一緒に連れていきます。ノアはペンギンが外へ行きたいと感じ取り、窓を開けてあげます。最初、食事会は楽しい雰囲気でしたが、だんだんと重苦しくなっていきます。サムの母親は、不自由な妻を置いて仕事へ行ってしまうキャメロンに不満をぶちまけます。キャメロンとしてはサムは自立しているから大丈夫だと怒って反論をします。
そのとき、ペンギンが他の鳥に攻撃をされます。みんなでペンギンを助けようと叫びますが、ペンギンは相当被害を受けた様子。ケガを負ったままペンギンは飛び立って姿を消してしまいます。家族全員で終日探しますがペンギンは見つかりません。ペンギンが来てから元気を取り戻していたノアでしたが、再び落ち込んでしまいます。また自分のせいでケガをしてしまったと自分を責めます。
帰宅後、サムはノアのパソコンを見ると、「母親が骨折したのは自分のせい。自分が骨折をすればよかった」と発言している動画を見つけます。サムはそれを見て衝撃を受けます。ここまでノアは自身を追い詰めていたのかと改めて知ったからです。サムはノアに話しかけます。ペンギンのことは諦めること、ノアのせいではないこと、骨折もノアのせいではないことを伝えます。
するとノアは今まで溜まっていた気持ちを吐き出します。同じようにサムも吐き出します。家族で本音で話し合い、最後は家族みんなでハグをします。これを境に、少しずつ自分を取り戻していくサム。今まで極力外へ出ることを避けていましたが、自然ともたくさんふれあい、自然な笑顔が戻っていきます。
ある日、ペンギンが帰ってきました。家族全員で喜びあいます。再びサムはペンギンと同じ時間を過ごし、ペンギンが飛び立つ姿を見て、サムは「ありがとう」とつぶやきます。その後サムは、カヤックの障がい者部門の世界選手権で2度の優勝を果たすほどに、体力面、精神面ともに回復した姿を見せるのでした。
以上、映画「ペンギンが教えてくれたこと」のあらすじと結末でした。
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