パーフェクトワールド 君といる奇跡の紹介:2018年日本映画。東京でインテリアコーディネーターの勉強をしながら建築会社で働く川奈つぐみ。ある日、高校の頃に想いを寄せていた鮎川樹先輩に再会する。彼は大学三年の時に交通事故に遭い体に障害を抱えていた。障害に対してどう対応したらいいのか、どう向き合えばいいのか戸惑いながらも真摯に向き合っていこうとするつぐみに、少しづつ心を開いていく樹だったが…。1日1日を大切に生きていこうとする素晴らしい恋愛物語。
監督:柴山健次 出演:岩田剛典(鮎川樹)、杉咲花(川奈つぐみ)、須賀健太(是枝洋貴)、芦名星(長沢葵)、マギー(渡辺剛)、大政絢(雪村美姫)、伊藤かずえ(川奈咲子)、小市慢太郎(川奈元久)、財前直見(鮎川文乃)、ほか
映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パーフェクトワールド 君といる奇跡の予告編 動画
映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」解説
この解説記事には映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パーフェクトワールド 君といる奇跡のネタバレあらすじ:起
川奈つぐみ(杉咲花)は長野県から東京に出てきて、今24歳になります。インテリアコーディネーターの勉強をしながら会社では先輩たちと楽しく毎日頑張っています。
ある日、大きなプロジェクトの話があり、相手の企業とコラボして仕事をすることになりました。今日はその会社との食事会があります。雑誌を見ているとそこの会社の1級建築士の名前に鮎川樹(岩田剛典)の名前がありました。彼は高校の先輩でつぐみの初恋の人でした。もちろん、楽しみにしてつぐみは参加しました。樹も気づいてくれて少しだけお話もしました。卒業してから久しぶりに会った先輩でしたが、やっぱり素敵な人でした。食事会も中盤になり同僚たちとトイレから帰って来ると樹は帰る準備をしていました。座っているときには気が付かなかったのですが、腕に力を入れて上半身を移動しながら車椅子に乗っていました。友人が樹の車椅子を押してそのまま乗って帰って行きました。
そのあと、二人で会って樹の行きつけの食事に行ったのですが、そこでも店に入るときは入り口が段差になっているので店員さんが二人でかかえて入店しました。そして、樹は「触れないのもどうかと思うので」と言って、大学三年の時に自転車に乗っていたら車とぶつかって骨髄損傷して下半身麻痺になったのだと話しました。それでも今の会社に入ってずっと夢だった1級建築士にもなり、今ではプロジェクトも任されるようになりました。今度は大きな仕事がもらえるチャンスで絶対に逃したくないので、コンペに出す資料の準備を頑張っていることも話しました。歩けなくなってからはお漏らしをすることもあるし、あの後、付き合っていた人とも別れたのでもう誰とも付き合うことはしないと決めたとも言っていました。
その少しあと、渡辺さん(マギー)から「樹が突然発熱して入院した」との電話があり、あわてて病院に行きました。病室ではコンペに出す資料作りをしていました。「コンペに出せなかったら今までのみんなの努力が無駄になる、今回がダメなら今度、と言っても今度があるかどうか分からないから辞められないんだ」と。看護師さんに無理をしてはいけないと、怒られているのを見て、つぐみは「自分が付き添うので無理させないようにするからどうかやらせてあげてください」と頼みます。ずっと横で補助的に支えてあげてましたが高熱のため、力尽きてしまいます。つぐみはなんとか協力したくて申し出ると、高校の時の絵が良かったと言って任せてくれました。なんとか間に合ってコンペも通って仕事ももらえることになりました。
パーフェクトワールド 君といる奇跡のネタバレあらすじ:承
地元の長野で同窓会があるので一緒に帰省することになりました。樹はバスケ部のメンバーに久しぶりに会ってもやっぱり人気者でした。それをつぐみはとても嬉しく思いました。辺りを見回すと美姫先輩(大政絢)もいました。二人はなにか話をしていました。そして樹はつぐみのところに戻ってきて「ちょっと外に行ってくる。」と言って会場を出ました。同級生の是枝君(須賀健太)がやって来て「二人は付き合ってるの?」と聞きましたが「付き合ってない。」と最近は一緒に仕事をしていると言いました。まだ戻らないので他の部屋に入ろうとすると二人が話していました。美姫が「今度結婚するの。」と言うのですが、樹はそっけない態度でした。泣きながら「樹だって幸せになる権利はある。やっぱり来るんじゃなかった。」と言って泣きながらホテルの階段を降りていきました。つぐみは追いかけて行きました。そして呼びかけて「結婚するのですね、聞いてしまいました」と。すると美姫は「樹と仲良かった図書委員の川奈さんですね」と。「事故になったあと私が樹を捨てたとみんなに思われてる。でも、本当は私が突き放された。さっきも樹がそっけないのは私に対しての優しさなの」と言って去って行きました。
その後、つぐみが運転して樹と二人でドライブに出掛けます。行き先を告げずに着いた所は美姫の結婚式場。樹は「行かない。」と言うが、「美姫先輩のお祝いをしてあげて下さい」と頼みます。それでも嫌がる樹に「鮎川先輩のためにも行って下さい」と半ば強引に車椅子に乗せて式場に行きます。ちょうど結婚式で二人が歩いているところでした。お互いにアイコンタクトで樹は「おめでとう」美姫先輩は「ありがとう」と答えます。そして、帰りに樹はつぐみに「来て良かった」と言います。
その後、先輩のバスケを見に行って、二人でアイスクリームを食べていると、そこに猫がいて飼い主が見つかるまで樹が家で飼うことになりました。ところが、また樹は高熱で入院しました。鮎川先輩の母が心配してやって来ました。そして樹に一人で何かあったら大変なので長野に戻るように説得します。それでも樹は「今まで色々な事をあきらめて生きてきた、やっとつかみかけたチャンスを自分から放したくない、必ずチャンスを掴みたい」と自分の気持ちを母に伝えます。母は見舞いに来ていたつぐみに「合併症で命を落とすこともあるかもしれない、でも、樹には幸せになってもらいたい」と親としての思いを伝えます。
退院して、自分の気持ちを伝えようと思ったつぐみは雨の日に樹の所に行っていると、びしょ濡れになりながら猫を探している樹を見つけて家に戻るように言います。「俺のことはどうでもいい。」と言う樹に対してつぐみは「どうでもいいとか、私が自分といてもしょうがないとか勝手に決めつけないで下さい。」と。そして「先輩が好きなんです。」と告白します。樹はやっとつぐみの気持ちを受け止めてくれました。家に帰ると部屋の箱の中に猫はいました。
次のデートの時は付き合い始めた記念にと言って樹はネックレスを首につけてくれました。そしてつぐみは「彼女にしてくれてありがとう。」と言います。本当は樹が優しいから断りにくいのかと少し心配だったことも言いました。美術館に行ったりたくさんデートもしました。デートで外出するたびにジロジロ見られたり、段差があったり、心ない言葉をかけられたりすることも日常茶飯事のように起こります。
しばらくして樹の家に二人で行くと、すでに鍵を開けて長沢さん(芦名星)が家に入っていました。いつもの必要な買い物や身の回りの世話に関して長沢さんに教えてもらいました。樹が他の部屋から戻ってくると足から出血していました。ちょっとしたことでも本人は自覚症状がないので周りが気を付けないといけないことも言われました。長沢さんは帰り際に「今までずっと事故に遭って以来、看護師からヘルパーとして樹を看てきて思うことは、彼と付き合うには覚悟が必要よ。」と言いました。
それからは長沢さんは来なくなり、毎日つぐみは通い始めるようになりました。少しでも樹の役に立ちたい、樹の事を理解したい、食事も一緒にしたいと思いました。是枝君にそれを言うと「何か一生懸命にしたいと言ってもそれは恋愛とはちょっと違うような気がする」と言われました。
しばらくしてつぐみの親から長野に帰るように言われ、久しぶりに実家に帰ることにしました。樹の運転で二人で帰ると、父がいて車の窓越しから樹は挨拶してその場を去りました。家に帰って「1級建築士で仕事も真面目に取り組み尊敬できる人、車椅子だが仕事も他のことも全部自分でできる人」と伝えるのですが車椅子というのが親は引っ掛かります。そんなつぐみの気持ちを受け止めて樹は「今度は車から降りてきちんと挨拶する」と伝えます。
パーフェクトワールド 君といる奇跡のネタバレあらすじ:転
いつものように会社からの帰り道、二人が電車を待っていると、つぐみがめまいを起こし電車の線路に足を踏み外してしまいます。一瞬でしたが、そのとき樹は手を差し伸べましたが車椅子では届くこともなくあっという間の出来事でした。病院に樹と是枝君が駆けつけますが、医者からは過労と言われたのを聞きます。是枝君は樹がつぐみに相当無理させたのでは?と言って帰っていきます。
つぐみの両親も心配して長野から駆けつけます。樹は見舞いに来ていたが、家族だけにしてくれと言われ席を外します。しばらくしてつぐみの父から「つぐみは末っ子で可愛がられて素直だが弱いところがある。不器用なところもあるので鮎川さん(樹)をかかえきれないのではと思う。だからつぐみと別れてくれ。」と言われ頭を下げられます。何度も「頭を上げて下さい。」と言ってもしばらく上げてもらえませんでした。その後、そんなことは何も知らないつぐみは、病院の中で車椅子に乗り、見舞いに来た樹を見つけては同じ目線になったねと言って嬉しそうに微笑みます。樹はつぐみの父の事を思いながらつぐみに「退院したら一緒にどこかに出掛けよう。」と言います。
つぐみが退院するまで樹は一人で寂しくバスケの練習をしていました。
しばらくして、退院するとつぐみと樹は遊園地に行きました。コーヒーカップに乗ったり、アイスクリームを食べたりメリーゴーラウンドに乗ったり本当に楽しい時間を二人で過ごしました。夜になり、夜景を見ながら観覧車に乗ると樹が横に座り、「自分がどんなに頑張っても川奈を傷つけたり、電車の事故の時も助けようとしても何もしてあげられなかった」と自分の無力や無念を伝えます。「事故になった頃、よく歩けていた頃の夢を見ていたが最近また同じ夢を見るようになった。あの頃のまま自分で歩けたらどんなに良かっただろうか、川奈、別れよう」と。つぐみは「嫌だ、嫌だ」と何度も泣きながら言うのですが、別れることになります。
そう言って樹は川奈から離れて、つぐみも仕事だけに専念するようになりました。
パーフェクトワールド 君といる奇跡の結末
仕事をしているとつぐみの母から「父が脳梗塞で倒れたのでしばらく戻ってくるように」と連絡が入ります。つぐみは仕事をしばらく休み長野に帰ります。思っていたより父の脳梗塞も軽かったようで、また、つぐみが戻ってきたことで両親も安心していました。
そんなある日のこと、長沢さんから樹が命に関わる大きな手術をすることになったと連絡を受けます。つぐみは「今行かないと後悔することになる。」と両親に言います。両親は心配します。父は「つぐみには黙っていて卑怯だったかもしれないが別れるように樹君に頼んだ。でも、それは親として間違っていないと思う」と言います。つぐみは「二人でなら乗り越えられる」と言います。父は「成長したなあ。」と言い、つぐみを送り出します。
東京に戻ると、もしものためにとつぐみ宛の手紙を長沢さんから受け取ります。
「高校の頃は夢や希望だけで一杯だった。でも、事故に遭ってからは色々なことがあるたびにあきらめたり、どうにもならないことがたくさんあった。人とも壁をつくっていた。身障者ということでちょっとしたことでも手間がかかることもあるから仕事も一緒にするのを嫌がる人もいる。でも、川奈はいつも正面からぶつかってくれた。そして壁を破ってくれた。もしまた逢えるのなら高校の頃に書いた川奈の絵がみたい」と。
つぐみは長野に帰り、自分の絵を見ました。それから懐かしい高校に行きました。桜の木の下で是枝君に電話しました。懐かしくていつもいいタイミングの是枝君はいつも通り笑っています。
自分が先輩にフラれたと勝手に思い、桜と体育館の絵を焼却場に捨てようとしていたときも是枝君が止めてくれて佳作になったこと、優しい鮎川先輩のこと、懐かしい高校の頃を思い出していました。電話を切ってふと気がつくと後ろに樹がいました。嬉しくなって「今まで秘密にしていたけど、本当は先輩に渡そうと思って描いた桜と体育館の絵だったけど結局渡せなかったこと、最近は先輩の夢をよく見ていた。夢の中の先輩は車椅子だった。私は今の車椅子の先輩が好き」と樹に言います。樹は「毎日ここで川奈が絵を描いてた、展覧会も観に行ったよ、結婚しよう」とプロポーズします。そして「はい。」と言って結婚を承諾します。
結婚式には是枝君やつぐみの両親や樹のお母さん、会社の同僚や先輩、長沢さんや美姫さんらが駆けつけてくれました。これから大変なこともたくさんあるかもしれないけれど、二人で乗り越えれるような素晴らしい人生の旅立ちとなりました。
感動した、車いすでも人はアイセル