ラーメン侍の紹介:2011年日本映画。父のラーメン店を継ぐのが嫌で久留米を出ていた光は、父の死と共に久留米に帰り、父のラーメン店『弾丸ラーメン』を復活させます。店は繁盛していましたが、光の夢は久留米の街にかつての活気を取り戻すことでした…という内容の久留米市の「大砲ラーメン」の社長の史著を元にしたご当地ムービーです。
監督:瀬木直貴 出演者:渡辺大(神代光/神代昇)、山口紗弥加(神代嘉子)、高木古都(きな子)、宮野薫(神代光・子供時代)、中村有志(柳川一男)、甲本雅裕(的場洋二)、高杢禎彦(児島)、鮎川誠(菊川基次郎)、西村雅彦(山村千吉)、津川雅彦(森田)ほか
映画「ラーメン侍」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラーメン侍」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラーメン侍の予告編 動画
映画「ラーメン侍」解説
この解説記事には映画「ラーメン侍」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラーメン侍のネタバレあらすじ:起
福岡県久留米市で人気ラーメン店『弾丸ラーメン』を営む神代光(渡辺大)は、若い従業員2人が手抜きをしたことに激怒し、二人を呼びつけて恫喝します。するとキレた一人が「やめてやる」と言って出て行きました。もう一人の若者も「僕も辞めます」と言って出て行きます。
亡き父のラーメン店を継いで6年の光は、ラーメン店を継ぐのが嫌で家を飛び出した時の事を思い出します・・・・
1974年。光は、店と住居が一緒だった『弾丸ラーメン』を黙って出て行きます。駅まで追いかけてきた母の嘉子(山口紗弥加)は「自分の生きたいようにしたらいい」と言って、弁当を渡して送り出します。気丈に振る舞った嘉子は、列車が出ると同時に泣き崩れ、光は列車の中で母の弁当を食べました。
やがて、なりたかったグラフィックデザイナーの会社に入った光は、先輩社員の甲本が妻の作った弁当を食べずに外食する態度を見て怒りを覚え「奥さんがどんな思いで、朝早くから弁当を作っていると思ってるんですか!」と注文を付けます。
しばらくして光に父の急死の知らせがありました。帰る決心をした光が甲本に挨拶をすると、甲本は妻の弁当を食べていました。久留米に帰った光は、かつて栄えた屋台通りに向かいます。放置された屋台と、空き店舗だらけの街並みを見て、母の嘉子を呼び出します。母と屋台で酒を飲みながら「親父の店を復活させ、自分のラーメンを作り上げたい。そしてこの街にあの頃の活気を取り戻す」と言います。
ラーメン侍のネタバレあらすじ:承
嘉子はあの頃を思い出します。
1970年。父の昇(渡辺大)は嘉子と一緒に屋台のラーメン店『弾丸ラーメン』を切り盛りしていました。子供の光(宮野薫)はいつも道路にチョークで絵を描いて遊んでいます。ある日、屋台にいた若い男が隣の女性の尻を触りはじめ、女性が嫌がっています。怒った昇は男を叩きだします。すると近所の屋台の店主が「もめごとが起こった。助けてくれ」と昇を呼びます。
男気の強い昇は、周辺の屋台の喧嘩やトラブルを全て解決していました。一件落着すると、一緒に酒を飲む毎日でした。屋台に帰って酒を飲んでいると、尻を触られた女性が、怖くて震えています。女性は口がきけないようで、嘉子が光の持っていた黒板に書いて質問します。彼女はきな子という名で、さっきの男に風俗に売られようとしていることがわかりました。昇は「今日から従業員だ、うちに住め」と言ってきな子を引き取ります・・・
光は弟子を実家に呼び、開店時から使っているタレを見せ、配合を教えます。そして「今日から『弾丸ラーメン』はお前に任せる」と言って、友人の木材店に向います。そこで「屋台を作ってくれ」と言いますが、友人は「市の条例で作っても店として出せないぞ」と言われます。光は「古い屋台の女将から、直系なら跡を継げると聞いた」と言います。傍らで聞いていた友人の父の千吉(西村雅彦)が「あんた昇の息子だろ、ワシが作ってやる」と言います。
ラーメン侍のネタバレあらすじ:転
・・・全く笑わないきな子に光は、父のバカ話を次々話します。それでも笑わないきな子に光は「うちは、ラーメンを売っても売っても、父が酒を飲んでお金が残らない。そこで何度でも消して書ける黒板を買ってもらった」と話します。それを聞いたきな子は初月給で光にスケッチブックをプレゼントします。
ある日、屋台にホームレスが有り金を持ってやってきて「酒をくれ」と言います。昇はコップいっぱいに酒を注ぎましたが、慌てた男はこぼしてしまいます。昇は「注いだらすぐコップを持つんじゃない」と言ってもう一杯注ぎます。その姿を見たきな子が男の横に行き、1枚の写真を見せます。男は「きな子か!」と言って泣きだし、二人は抱き合いました。
それは生き別れになっていたきな子の父・一男(中村有志)でした。昇は一男の面倒も見る為、『弾丸ラーメン』の屋台の横にもう一台作り、焼き鳥屋を始め、一男ときな子にまかせます。店は大繁盛しましたが、地元のヤクザの森田(津川雅彦)に目をつけられます。
少しして昇の自宅が火事になりました。燃える家の中から嘉子は枕、きな子はスケッチブックをとって来ます。きな子から渡された光は泣いて喜びます。街の再開発に絡み、屋台の立ち退きが始まります。絶対にやめないという昇に対し、再開発の利権を奪った森田が、「昇を殺せ」と組員たちに命じたことがわかりました。
普段は強気の昇がビビっているのを見て、嘉子が一人で森田邸の乗り込み「私を代わりに殺してくれ」と啖呵を切ります。嘉子の昇に対する気持ちを汲んだ森田は納得し「もういい」と言います。しばらくして森田が屋台にやって来てラーメンを頼みます。スープまで飲み干した森田は「うまか!オレはもうお前のラーメンは食えない」と死期が近い事を告げて立ち去りました。・・・
ラーメン侍の結末
思考錯誤を繰り返した光は自分のラーメンを作り上げました。そこへ店をやめた二人が無礼な振る舞いを謝りに来ました。光は「もう一回うちでやるか」と言って二人を復帰させます。・・・
「警察が屋台の立ち退きの話に来た」と昇に話すと、「屋台をやめる時はオレが死ぬ時じゃ」と昇が怒鳴ります。嘉子は「屋台をやめて店を出そう。あんたのラーメンを食べに来てくれる人がおるんよ」と言います、昇は「そんな金、何処にあるんじゃ」と言うと、嘉子が火事の時に持ちだしていた枕を押し入れから出し、中から通帳を渡します。嘉子の貯金を見て昇は「ありがとう」と言って泣き崩れました。昇は「屋台の葬儀じゃ」と言って屋台を燃やします。そして一男ときな子は「田舎に帰って焼き鳥屋をやる」と言って去って行きました。
1957年、嘉子は、神社でテキヤをする昇に会います。その後二人は恋仲になり、昇が「結婚しよう」と言って、嘉子の実家に行って父に会います。嘉子の父は「あんた仕事は何をしている、男は仕事が無いと嫁も子供も養えない」と言うと、昇は「久留米でラーメン屋をやっている」と口から出まかせを言います。これがきっかけになりラーメン店を始めるべく修行をしますが、昇は長続きせず酒ばかり飲んでいました。嘉子は「酒ばっかり飲んでるんなら死ね。お腹の子供に酷いおとうちゃんだったと言ってやる」と言うと、嘉子の妊娠を知った昇は改心し、ラーメンの仕事に励みます。・・・・
千吉の屋台が完成しました。昇の『弾丸ラーメン』そのままでした。その様子を年老いた嘉子が嬉しそうに見ています。そして光は屋台を引いて店を開きます。店は大盛況で行列が出来ていました。
以上、映画「ラーメン侍」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する