レア・エクスポーツ ~囚われのサンタクロース~の紹介:2010年フィンランド映画。「本物の」サンタクロースを巡って巻き起こる騒動を描いたブラック・コメディ。北フィンランドの田舎町に住む少年ピエタリは、サンタクロースを恐ろしい存在だと信じて疑わなかった。そんな中、ロシア国境近くのコルヴァチュンチュリ山の山頂では、ある企業が大規模な掘削作業を行っていた。山の地下400メートルには、なんと本物のサンタクロースが凍ったまま埋められていたのだ。時を同じくして、ピエタリの周囲では不可解な事件が続発する。町がサンタクロースに狙われていると考えたピエタリは、勇気を振り絞って立ち向かう覚悟をするのだった。
監督:ヤルマリ・へランダー 出演者:オンニ・トンミラ(ピエタリ)、ヨルマ・トンミラ(ラウノ)、イルマリ・ヤルヴェンパー(ジューソ)、ペートル・ヤコビ(ピエタリの妖精)、ペール・クリスティアン・エレフセン(ライリー)ほか
映画「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
レア・エクスポーツ ~囚われのサンタクロース~の予告編 動画
映画「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」解説
この解説記事には映画「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レアエクスポーツ 囚われのサンタクロースのネタバレあらすじ:恐怖のサンタクロース
クリスマスまで24日、北フィンランドの田舎町。とある企業が、ロシア国境近くのコルヴァチュンチュリ山で大規模な掘削作業を行っていました。地下400メートルから発掘されたおがくずに社長は興奮し、長年の夢が叶うと小躍りします。社長は作業員達に、必ず24日まで掘り起こせと厳命しました。
その様子を、物陰から隠れて見ている人影がふたつ。山の麓の町に住む少年ピエタリと、その友人ジューソです。2人は山に近付いてはいけないと言われていましたが、気になってフェンスに穴を開け、こっそり作業場に忍び込んでいました。社長の話を聞いたピエタリは、埋められているのはサンタクロースに違いないと言い出します。しかしジューソは馬鹿にして相手にしませんでした。
帰宅したピエタリは、『サンタクロースの真実』という古い本を開きます。本にはサンタクロースは恐ろしい存在であると記されており、雪の上を裸足で歩き、悪い子どもを捕まえ死ぬまで尻を叩くと書いてありました。本の内容を信じ込んだピエタリは震え上がります。
ピエタリはサンタクロースを警戒しながら日々を過ごし、ついにクリスマス・イヴの朝を迎えました。2階の窓から外を見たピエタリは、1階の屋根に裸足の足跡が残っているのを見つけます。ピエタリは急いで父ラウノに確認しましたが、彼は屋根に上っていないそうです。ピエタリはサンタクロースが自分を見張っているのだと思い、恐怖に震えました。
レアエクスポーツ 囚われのサンタクロースのネタバレあらすじ:不可解な出来事
町の住人は、多くがトナカイで生計を立てています。今年もその時期がやって来ました。ピエタリはラウノに連れられ、トナカイを囲い込む柵まで見に行きます。しかしトナカイはほとんど現れず、訝しんだ大人達やピエタリは先に進みました。すると大量のトナカイが惨殺されています。
ラウノ達はフェンスが破られていることに気付き、ここから狼が入ったのではないかと考えました。その原因は山頂の爆破作業にあると踏み、激怒して作業現場に怒鳴り込むことにします。ピエタリは、トナカイの死体の下に裸足の足跡があるのを見つけました。山頂に到着しましたが、作業員の姿はありません。近くには底が見えないほど巨大な穴が空いていました。
それを見たピエタリは、作業員達がサンタクロースを見つけたのだと考えます。家に帰ったピエタリはジューソを呼び、サンタクロースの真実について語りました。
本物のサンタクロースはとても恐ろしい存在であること。かつてサーミ族がサンタクロースを凍った湖に閉じ込め、夏になってその氷を地中に埋めたこと。その上に出来たのが、コルヴァチュンチュリ山であること。しかしジューソは真面目に取り合ってくれませんでした。
その頃、掘削作業員グリーンはパニックを起こしていました。「脈がある」と無線で叫んでいます。すると突然周囲の作業員が消え、裸足の人影が現れました。
レアエクスポーツ 囚われのサンタクロースのネタバレあらすじ:謎の老人
クリスマス当日。トイレに出たピエタリは、狼用の落とし穴の上にぶら下げておいた豚の頭がなくなっていることに気付きます。ラウノは鳥が持って行ったのだろうと言いますが、穴の中に人間が落ちているのを見つけぎょっとしました。家の中にいるようピエタリに厳命すると、ちょうどやって来た町の住人ピパリネンと落とし穴に向かいます。
そして穴から人間を引き上げ、解体作業用の小屋へ運び入れました。罠に落ちていた人間は、白く長い髭の痩せた老人で、裸にグリーンのジャケットを着ています。狼用の罠を設置するのは違法なので、他の住人に知らせる訳にもいきません。そこでラウノは老人を解体しようと考えますが、驚くべきことに老人はまだ生きていました。
目は覚まさないままですが、頻りに鼻を動かし匂いを嗅いでいます。ラウノとピパリネンは、ジャケットから出てきたグリーンのパスポートを見て、山頂の作業員だと考えました。一方、穴が気になって仕方がないピエタリは、こっそり降りてみました。底には麻袋が落ちていて、中にはミイラのような人形が入っています。
恐ろしくなったピエタリは小屋を覗き、老人の姿を見てしまいました。逃げ出したピエタリに気付いたラウノは、急いで車で追いかけます。するとそこへパトカーがやって来て、ピエタリを乗せてジューソの家に向かいました。ラウノも仕方なくついて行きます。
警官によると、町中で奇妙なことが起きていました。ほとんどの家でストーブが盗まれたというのです。更にジューソの父アイモは、じゃがいもを入れていた麻袋だけが大量に盗まれたと話しました。ピエタリがジューソの部屋へ行ってみると、彼の姿はなく、代わりに例のミイラのような人形が置かれています。
ピエタリはラウノ達に、ジューソが連れて行かれたと急いで報告しました。しかし大人達は、ジューソが家を抜け出しただけだろうと相手にしてくれません。
レアエクスポーツ 囚われのサンタクロースのネタバレあらすじ:老人の正体
ラウノは英語を話せるアイモに、老人との通訳を頼みます。帰宅すると、ピパリネンが耳から血を流していました。老人に噛まれたらしいのです。老人は小屋の中で蹲っており、怒鳴っても箒の柄で強く突いても、全く反応しません。
ピエタリはその間に、町の子ども達の家に電話をかけてみました。するとどの家でも子ども達がいなくなっているそうです。ピエタリはラウノにフェンスを壊したことを自白し、尻を叩いて欲しいと懇願しました。罰を受けなければ、自分も他の子ども達のように連れて行かれると怯えているのです。
すると今まで無反応だった老人が、ピエタリにだけは反応を示しました。知り合いかと問われたピエタリは、この老人こそがサンタクロースだと気付きます。彼は山から掘り出され、ピエタリを連れ去りに来たのです。すると、グリーンのジャケットに入っていた無線機に社長から着信が入りました。
ラウノは金と引き換えにサンタクロースを渡すと言います。ラウノ達は老人にサンタクロースの格好をさせ、檻に入れて、夜の雪山に入りました。ヘリから降りて来た社長は、檻の中のサンタクロースをまじまじと観察します。すると突然、サンタクロースの目がぎょろりと動きました。社長は仰け反り、これはサンタクロースではなく彼の召使い、妖精だと叫びます。
社長は事態についていけないラウノ達に、サンタクロースは善人と悪人を仕分けすると警告しました。するとヘリの運転手が何者かに襲われ姿を消します。気付くとラウノ達は武装した妖精達に囲まれていました。社長は飛んで来た斧で頭を割られ、死亡します。
ピエタリを追って倉庫に逃げたラウノ達は、ついに本物のサンタクロースを見つけました。山羊のような角が突き出た、巨大な氷の塊。その中で脈を打つ禍々しい存在、それがサンタクロースでした。
レアエクスポーツ 囚われのサンタクロースの結末:逆転の一手
巨大な氷の周囲には、町中から盗まれたストーブが置かれています。妖精達が氷を溶かそうとしていたようです。更に放置された麻袋の中には、さらわれた子ども達がいました。妖精達はぞろぞろと倉庫に近付いて来ます。しばらく考えたピエタリは、妖精達の動きを止めるため、サンタクロースに消えて貰おうと言い出しました。
まずは二手に分かれます。ピパリネンがヘリを操縦し、子ども達を入れた麻袋を網で吊り上げました。その網にピエタリも捕まり、倉庫から離れます。すると子ども達に釣られ、妖精達が追いかけて来ました。ピエタリはトナカイ用の柵に妖精達を閉じ込めるため、自ら飛び降りて柵のゲートを開けます。
その隙にラウノとアイモは氷の塊にダイナマイトを設置し、サンタクロースごと爆破しました。主を失った妖精達はピエタリを捕まえることもせず、ただ呆然と立ちすくみます。
翌朝。柵の中にいる198人の妖精を見たピエタリは、ラウノ達に「いくらになると思う?」と尋ねました。それから妖精達の教育が始まりました。体を清潔にし、髭も整え、子ども達にプレゼントを渡す特訓を課します。合格した妖精には、サンタクロースの赤い帽子を被せていきました。
そして妖精達は「サンタクロース」として木箱に入れられ、世界中に出荷されました。ピエタリ達が思わぬ貴重な輸出品を手にし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「レア・エクスポーツ ~囚われのサンタクロース~」のあらすじと結末でした。
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