彼女の紹介:2021年日本映画。美香という彼女がいるレイの元に、突如10年間会っていない七恵から電話がかかってきます。久しぶりの再会を果たす2人。その時にレイは、七恵が夫から暴力を振るわれている事実を知ります。旦那を「殺してくれる?」と聞かれたレイはその翌日犯行に及び、レイと七恵は逃避行を始めます。2007年の漫画『羣青』を実写映画化。レズビアンをテーマに、愛のカタチが描かれた恋愛映画です。
監督: 廣木隆一 出演:水原希子(永澤レイ)、さとうほなみ(篠田七恵)、真木ようこ(美香)、鈴木杏(永澤悠)、田中俊介(永澤将人)、新納慎也(篠田孝太郎)、ほか
映画「彼女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「彼女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
彼女の予告編 動画
映画「彼女」解説
この解説記事には映画「彼女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
彼女のネタバレあらすじ:起
赤髪の女性(水原希子)がバーへとやってきます。その女性はバーカウンターに座り、同じバーカウンターに座っている男性にお酒を奢ります。それをきっかけに男は赤髪の女性に近づき、どこに行きたいかと聞かれ、赤髪の女性は「あなたの家に行きたい」と言い、タクシーで向かいます。
その赤髪の女性は終始機嫌が悪そうな表情をのぞかせます。家に着いてセックスをし、赤髪の女性は自分のカバンから小型のナイフを取り出し、その男の首に刺します。
パニックになった男は赤髪の女性を突き飛ばし、ワイングラスが割れて散らばります。その破片をつかんだ赤髪の女性はその男にそれでとどめをさし、その男の息の根を完全に止めます。その後、赤髪の女性は部屋の隅で体操座りをして時間を過ごします。
この事件が起こる前日。その赤髪の女性レイ(水原希子)は、整形外科医として働いています。付き合っている人は美香(真木ようこ)で、レイはレズビアンです。今日は美香の誕生日でしたが、レイの元に辻村と名乗る女性から電話がかかってきます。会えないかと聞かれ、レイは会いに向かいます。
レイが辻村七恵(さとうほなみ)と最後に会ったのは10年前。七恵はレイに300万円の借金をしていましたが、七恵がお金持ちの男性、篠田と結婚をしたことによって返済の目途が立ち、借りてから5年でレイにカフェでお金を返します。
レイは七恵を気に掛ける言葉をかけますが、七恵は「もう会うことはないから」となんだか素っ気ない態度です。カフェのお会計は1100円。七恵は「割り勘でいいよ」と言い、レイは550円を置いてカフェを後にします。
レイは七恵から指定された場所へ向かい、10年ぶりの再会にお互いにぎこちない様子。その後、七恵はレイに「好き」と言って甘えてきます。レイは「嘘」と無表情を貫きましたが、七恵が服を脱ぐと、その体の全身はあざだらけでした。
それに驚いたレイは、七恵を心配します。どうやら、旦那、篠田に暴力を振るわれ続けているようです。七恵はレイに篠田を「殺してくれる?」と聞き、その次の日にレイは犯行に及びます。
彼女のネタバレあらすじ:承
七恵の旦那を殺した後、レイは七恵に「終わったよ」と電話をします。そして、警察に捕まる気で、現場の監視カメラにも映り、指紋も残したと七恵に伝え、それに七恵は怒ります。レイは1人で夜道を歩いていきます。そんなレイを七恵は車で拾い、2人の逃亡生活がスタートします。
まずは車である病院へと訪れます。そこには七恵の父親が入院をしていました。七恵の父親はアルコール中毒をこじらせて植物状態になってしまいました。七恵の旦那は世間体を気にして、七恵の父親を生かし続けていましたが、これでそれも終わりだと、七恵は結婚指輪を置いて父親にさよならを告げます。
レイはもっと七恵のことを知りたいと言って、七恵の実家に行くことを提案します。その実家はさびれていて、いい暮らしをしていたようにはとても見えませんでした。七恵が高校生のとき、母親は男を作り、それ以来七恵は母親に会っていません。その代わりに父親は七恵を殴るようになったそう。
自分の価値が一番あるときに七恵が自分を売ったのが篠田でした。父親との生活から逃れるために七恵は結婚をし、新しい生活を手に入れようとしましたが、結果は旦那から暴力を振るわれる日々でした。
レイは高校生のときに七恵に片思いをしていました。その頃からレイは自分がレズビアンだという自覚もあったし、周りからもそういう目で見られていました。レイは陸上部の七恵がランニングシューズを万引きしているところを目にします。
七恵は店員から逃げようとしましたが、捕まってしまい、レイがとっさにお金を払って助けてあげました。その万引きのときに七恵は足を怪我してしまい、高校を辞めることになってしまいます。
陸上の奨学金でこのお嬢様学校に通えているだけであって、走れなくなってしまったら学費を払うことができません。そこで、レイはその学費を貸してあげることにします。それがあのとき七恵がレイに返済した300万円でした。
彼女のネタバレあらすじ:転
朝、出かけようとすると警察が七恵の車をのぞき込んでいます。どうやら駐車違反のようです。慌てた2人は急いで逃げて、途中バイクを盗んで逃げきります。2人は笑いながら楽しそうです。だいぶ田舎まで来て、バイクはガス欠になります。
定食屋に入ると、都会から来たレイと七恵は異様に目立っており、1人のタクシー運転手に目を付けられます。タクシーで駅まで送ってもらい、挙句の果てにレイはその男と売春をします。レイは夜に駅から美香に電話をかけて泣きながら謝罪をします。
翌朝、2人はレイの家族の別荘へと向かいます。鍵を持っていなかったので窓ガラスを割って無理やり侵入。管理人が来て注意をされます。その管理人はレイの兄・将人(田中俊介)に連絡をしたようで、将人とその嫁・悠(鈴木杏)が別荘へとやってきます。
将人は第一声、ニュースで放送されている殺人事件とレイは関係ないのかと尋ね、レイは否定をしませんでした。一秒でも早く警察に自首をしてほしいと将人に説得をされて、レイはすぐに出頭することを了承します。それを七恵に報告すると七恵は怒り、2人はケンカになります。七恵も出頭すると言い出し、その場はおさまります。
ふと、レイが七恵のたばこケースを見ると、そこにはレシートと550円が入っています。それは300万円の返済をしたときのカフェのレシートと、レイが払ったお金でした。10年も大切に唯一の思い出を持ち続けていたと知ったレイは、2人で逃げることを七恵に提案します。
2人は窓からこっそり飛び降り、車を盗もうとしますが、悠にばれてしまいます。なんとかレイが説得すると、悠から車の鍵と財布を渡され、2人は逃亡に成功します。
彼女の結末
レイと七恵は2人っきりになれるところに向かい、2人は体を初めて重ねます。2人は出会いについて思い出を話し始めます。
2人が初めて出会ったのはデッサンの授業のとき。たまたまレイと七恵はグループになり、お互いの顔をデッサンします。レイは七恵に元気がないことに気づいて、笑ってと頼みます。そのとき見せた七恵の笑顔にレイは一目ぼれをしてしまいます。
なぜあのときに元気がなかったのかレイが聞くと、母親が出て行って家族が崩壊した時だからと教えてくれました。レイはトイレに行ってくると言って、七恵には内緒で警察に電話をかけます。
途中ガソリンを入れているときに、警察に囲まれ、レイは警察に連行されていきます。抵抗する七恵でしたが、レイに「待っている」と涙を流しながら伝え、レイは笑顔でそれに「うん」と答えてこの映画の幕は閉じます。
以上、映画「彼女」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する