佐藤家の朝食、鈴木家の夕食の紹介:2013年日本作品。二人の母を持つ男子高校生と、その向かいに引っ越してきた二人の父を持つ引きこもりの少女。歪な家庭環境に疑問を抱いた二人が反発しながらも、やがてそれぞれの居場所を見つけていくまでの過程を描いたヒューマンドラマです。
監督:月川翔 出演者:山﨑賢人(佐藤拓海)、ちはる(佐藤晴子)、つみきみほ(平田彩)、三浦誠己(佐藤圭一)、小林涼子(鈴木そら)、池田政典(鈴木裕之)、藤井宏之(鈴木省吾)、山田裕貴(橋本)ほか
映画「佐藤家の朝食、鈴木家の夕食」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「佐藤家の朝食、鈴木家の夕食」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
佐藤家の朝食、鈴木家の夕食の予告編 動画
映画「佐藤家の朝食、鈴木家の夕食」解説
この解説記事には映画「佐藤家の朝食、鈴木家の夕食」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
佐藤家の朝食、鈴木家の夕食のネタバレあらすじ:起
17歳の男子高校生、佐藤拓海(山﨑賢人)は“二人の母”と暮らしていました。実の母である晴子(ちはる)と、彼女のパートナーであるもう一人の母・平田彩(つみきみほ)です。晴子は専業主婦として家を守り、彩はバリバリのキャリアウーマンとして家計を支えていました。
毎朝、出勤する彩に見送りのキスをする晴子を、拓海は見守っていました。拓海は自身のこの複雑な家庭環境について、高校の同級生には打ち明けられずにいました。
そんなある日、拓海の家の斜め向かいにある一家が引っ越してきました。この一家もまた拓海と同じように複雑な家庭環境であり、一人娘である鈴木そら(小林涼子)もまたカメラマンの裕之(池田政典)と省吾(藤井宏之)という“’二人の父”と共に暮らしていました。
そらは拓海より一つ年下ですが学校には通っておらず、自宅に引きこもってはゲームに没頭する日々を送っていました。空から風船を見かけたそらは、それを追いかけるうちに拓海の家に向かい、ちょうど帰ってきたばかりの晴子と挨拶を交わしました。省吾もそらの様子を見にやって来て、晴子と共に風船を取ろうと試みました。
佐藤家の朝食、鈴木家の夕食のネタバレあらすじ:承
拓海は学校の授業で“遺伝子の異変”について学び、自分の遺伝子は“組み換え”られたものではないかと不安を抱き始めました。
ある時、晴子はそら一家を夕食に招待し、その際に彩を姉だと偽りました。そらも裕之を省吾のビジネスパートナーとして紹介しましたが、うっかりそらは省吾を「パパ」と呼んでしまい、裕之と省吾は公私のパートナーであること、裕之は省吾を養子としていることを打ち明けました。
双方の家族は互いに「変な家族」だと語り、改めて自分の家庭がおかしいことに悩む拓海は晴子に自分の本当の父親の存在について問いかけました。
拓海もまた、人には言えない自身の性の悩みを抱えていました。放課後、学校の親友たちは街を行く女たちの見定めをしていましたが、拓海はその輪の中に入れずにいました。
友人の橋本(山田裕貴)から自分も複雑な家庭環境だと打ち明けられた拓海は、思い切って晴子の弟・圭一(三浦誠己)に自分の本当の父親について話を聞くことにしました。
すると、圭一は正直に自らが精子を提供したことを明かしました。彩が圭一との間で体外受精をした卵子を晴子が受け継いで出産したのです。
一方のそらは金銭的な面は裕之に相談し、女性特有の悩みは省吾に聞いてもらっていました。実はそらは裕之とは血が繫がっておらず、そらの実母である裕之の仕事仲間のモデルが若くして亡くなったために裕之がそらを引き取ったのでした。
帰宅した拓海は、圭一からすべて聞いたと晴子と彩に伝えました。どうしようもないやりきれなさを抱えた拓海は突発的に家を飛び出し、そらに声をかけられました。拓海は互いの家庭はおかしいと愚痴ると、そらは「おかしいのは君だ」と言い放ちました。
佐藤家の朝食、鈴木家の夕食のネタバレあらすじ:転
拓海は圭一に連絡を入れ、なぜ精子を提供したのか改めて問いました。圭一は、晴子が好きな人との間で子供を作れない苦悩を抱えていることがいたたまれなくなったことを打ち明けました。
帰宅した拓海は彩から20歳になったら打ち明けるつもりだったと言われ、「20歳になったら全てを受け入れられるのか?」と疑問をぶつけました。それからというもの、拓海は彩と同じ空間にいることを避けるようになっていきました。
そんなある日、拓海は彩が職場でもらってきたスイカをそらの家に届けるよう頼まれました。拓海はそらに自分の不安や不満をぶつけ、親の影響で同性しか愛せないことを打ち明けました。そらは拓海に「試してみたら?私、女だよ」と言うとキスを交わしました。
拓海は登校時にたまたま裕之と会い、血の繋がりがない男が娘と一緒にいることは不安ではないのかと問いかけてみました。すると裕之はきっぱりと「家族だから」と言い放ち、二人の会話を聞いていたそらは「自分たち三人が本当の家族になるために省吾の子供を産みたい」と言い出してきました。
佐藤家の朝食、鈴木家の夕食の結末
拓海は晴子の反対を押し切り、家を出て圭一と一緒に暮らすことを決意しました。その際、偶然にも玄関先でそらと目が合った拓海は彼女と共にどこか遠くへと向かいました。
どこかの公園に辿り着いた拓海とそらは改めて親とは何かを語り合い、拓海は性別なんてなければいいと言うそらに共感を覚えました。
その頃、晴子と彩、裕之と省吾は拓海とそらを捜しに圭一の家を訪れていました。圭一は拓海の“父”として一緒に捜しに行こうとしますが、彩は圭一が自分の断りもなしに拓海に話してしまったことを許せずにいました。
拓海とそらは結局両親たちの元に戻ることにしました。そこに両親たちが駆けつけ、ふたつの家族は裕之の言葉で和解することにしました。その後、拓海は晴子と彩と食卓を囲み、進学について話題をふられると「二人の子供だから」と言い切りました。
そらはフリースクールに通うことにしました。両親と真っ向からぶつかり合い、それぞれ理解を深め合った拓海とそらは晴れ晴れとした表情で人生の一歩を歩み出していきました。
以上、映画「佐藤家の朝食、鈴木家の夕食」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する