略奪愛の紹介:1991年日本映画。田舎町で、母の段取りした縁談が元で喧嘩になった妙子は、家を飛び出して上京し、先輩の由美が務めるデザイン会社で働きはじめます。その会社で康夫に出会った妙子は一目ぼれしますが、康夫は由美の婚約者でした。いけないと思えば思うほど好きになる妙子は、康夫に迷惑電話をかけ由美と別れさせようとしますが…という内容の日本版「危険な情事」というべくスリラー映画。妙子のストーカー行為、どっちつかずの康夫、そして一番かわいそうな目に遭う由美と、3人の関係が上手く演じられています。
監督:梶間俊一 出演者:黒木瞳(落合妙子)、古尾谷雅人(水上康夫)、萬田久子(白石由美)、尾美としのり(山口博)、小川真由美(落合君代)、梅宮辰夫(白石喜久造)ほか
映画「略奪愛」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「略奪愛」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
略奪愛の予告編 動画
映画「略奪愛」解説
この解説記事には映画「略奪愛」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
略奪愛のネタバレあらすじ:起
田舎で母と水産会社に勤める落合妙子(黒木瞳)は、母の進める縁談話がもとで喧嘩になり家を飛び出します。上京した妙子はデザイン学校時代の先輩の白石由美(萬田久子)が務める会社に向かいます。会社に入ると、水上康夫(古尾谷雅人)がいて由美を呼んでもらいますが、由美は営業から帰っていないという事で、妙子は帰りを待っていました。
しばらくして照明の配置を確認していた康夫に妙子が近づき「もっと広く突き出したらいいんじゃないでしょうか?」と話しかけます。康夫は「それもいいかもしれない、まだいらしたんですか?僕が要件を聞きましょう」と言います。妙子は「この会社で働かせてもらえないかと由美に会いに来ました」と言うと、康夫が妙子の書いたデザインを見て「月曜日に所長に話しておきます」と言って書類とデザインを受け取ります。この時、妙子は康夫に恋心を抱きました。
翌日、妙子が由美の部屋を訪ねると、康夫がいました。二人は婚約していて、このマンションは婚約祝いに由美の父に買ってもらったものでした。由美のマンションから妙子が帰っていると、車で通りかかった康夫が「送りましょうか?」と声をかけ、妙子は車に乗ります。途中で大雨になり、妙子の部屋までは行くのにずぶぬれになった康夫は、服を乾かすため妙子の部屋に入ります。婚約時に禁煙を約束させられた康夫は、妙子の吸う煙草につられ、一緒に吸います。
略奪愛のネタバレあらすじ:承
就職が決まり、妙子は由美のいる会社で働きはじめます。康夫に頼まれたプレゼン用のデザインを描いていますが、一方では由美の目を気にしながら康夫の様子をずっと見ていました。由美の婚約者の康夫を好きになってはいけないと思えば思うほど、康夫の事が頭から離れなくなった妙子は、変声機を通して康夫の家に「由美と結婚すると不幸になる」という迷惑電話をかけ始めます。
一日何回も掛かる迷惑電話に康夫は同僚の山口(尾美としのり)に相談します。山口は「由美の元彼かなんかじゃないのか?」と答えます。気が滅入って元気のない康夫が早退しようとすると、由美が「私のマンションに来てよ」と言いました。康夫は「今日は一人で部屋で仕事をしたい」と言った後、「ほかに男がいるのか?」と聞きます。由美は平然として「何言ってるの?」と答えます。そして「お父さんの事気にしているの?」と聞きます。
由美の父はバブルの申し子で、クラブ、パチンコ屋、ラブホテルを銀行から金を借りまくり、土地を転がしながら経営していました。康夫はそんな由美の父から「オレが金持ちだから由美と結婚するのか!」と罵倒された過去があります。そんなことから由美は、康夫が結婚をためらっているのでは勘ぐっていました。
ある日、一人だけ残業して妙子が会社に残っていました。そこへ同僚と酒を飲んでいた山口が入って来ます。山口は妙子が変声機を使って「由美と結婚すると不幸になる」と迷惑電話をかけているのを目撃します。山口は妙子を叱り、「でも好きになったものはどうしようもないな、誰にも言わないからあきらめろ」と言って妙子を帰します。その後、妙子は会社を辞め、音信不通になりました。
略奪愛のネタバレあらすじ:転
康夫と由美が結婚しました。妙子は遠くにある向かい側のマンションから二人を望遠鏡で覗いていました。由美がいないのを確認して、電話をかけて康夫に「由美は?」と聞きます。「由美は今日は帰りが遅い、僕も暇だから食事でもどう?」と康夫が言うと二人はレストランで食事をします。
夜になり、妙子が康夫の腕を組んで寄り添うと、康夫が抱き着き路上でキスをしました。そのまま妙子のマンションに行き、所かまわず愛し合います。ベッドに移っても何度も愛し合いました。夜遅く部屋に帰った康夫に由美が「煙草の匂いがする」と言います。
その後、康夫と妙子は二人でデートをし、愛し合い、夏が過ぎ秋が来ました。由美の父がバブルがはじけ、金が借りれなくなり破産しました。そして詐欺行為がバレ、警察に逮捕されました。妙子が買い物に行っている時、ベランダから遠くに自分のマンションが見えた康夫は、部屋の望遠鏡で覗きます。そこには由美が見えました。今まで覗かれていたと分かった康夫は、妙子に何も言わず部屋を出ます。
自宅に帰った康夫に由美は「どこに行っていたの?女でもいるの?」と酒を飲んで暴れ出します。言い争いになり由美が「お父さんが破産して逮捕されたの」と言うと、康夫はユミを抱きしめ愛し合います。この様子を望遠鏡で見た妙子は狂ったように取り乱します。
康夫は妙子をレストランに呼び出し「由美よりも先に君に会っていたら良かった」と言って謝ります。妙子は「いつかこんな日が来ると思っていた」と言います。しばらくして妙子が「お母さんが死んだからもう一回だけ会って」と言います。康夫が断ると、妙子は会社の康夫の車の前に荷物を置いて帰れないようにして待ち伏せしました。この様子を見た山口は怒って康夫を殴ります。
略奪愛の結末
妙子は康夫に会うため、偶然を装い由美に会いました。「久しぶり」と言う由美は妙子を部屋に招きます。何も知らない康夫は結婚記念日の花束を買って帰って来ました。部屋妙子がいるのを見て愕然とします。由美は妙子に一緒に夕食を食べようと言い、気まずい空気が流れます。
居場所のない康夫がベランダに出ると妙子も出てきて「どうして会ってくれないの」と迫ると、康夫が「もう終わりだと君も納得したじゃないか」言います。すると妙子は泣きながら帰りました。二人の様子をずっと見ていた由美は「本当のことを言って、あの煙草の匂いがした日からなの?」と迫ります。
由美の父が裁判で負け、多額の借金が残りました。康夫は「マンションを売って、お父さんの返済に充てて、僕らは札幌で出直そう」と言います。話し合った結果、マンションを売ることになり、康夫は同僚の山口に謝り、札幌のデザイン会社を紹介してもらいました。
一方、由美は引っ越しの荷造りをしていました。望遠鏡で見ていた妙子は部屋を飛び出し、康夫のマンションへ向かいます。そして由美が出ると部屋に押し入り、由美ともみ合いになります。そしてキッチンの出刃包丁を持った妙子は、由美を追い詰めバスルームで刺し殺しました。
康夫は札幌の会社が決まり、由美に電話しますが出ませんでした。もしやと思い会社を飛び出すと、山口も一緒に向かいます。康夫が部屋に入ると妙子が康夫の洗濯物をたたんでいました。山口はシャワーの音がするバスルームに行くと、由美の死体を見つけ、康夫を呼びます。康夫は由美を抱きかかえ泣きました。山口は何食わぬ顔で洗濯物をたたむ妙子を見ながら警察に通報するのでした。
以上、映画「略奪愛」のあらすじと結末でした。
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