サラバ静寂の紹介:2017年日本映画。一切の娯楽を禁止する遊楽法が施行された日本。廃屋で楽器等を見つけ、初めて音楽を聞いたミズトとトキオ。二人は廃屋で曲作りを始めますが、警察に見つかってトキオが殺されてしまいます。楽器の持ち主で警察に殺された男の娘・ヒカリと会ったミズトは、森の中の隠れライブハウス”サノバノイズ”を目指して旅立ちます。日本の近未来を舞台にした、青春ロードムービーです。
監督:宇賀那健一 出演者:SUMIRE(ヒカリ)、吉村界人(ミズト)、若葉竜也(トキオ)、森本のぶ(三島)、斎藤工(杉村)、大貫憲章(本人役)ほか
映画「サラバ静寂」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サラバ静寂」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「サラバ静寂」解説
この解説記事には映画「サラバ静寂」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サラバ静寂のネタバレあらすじ:起
遊楽法が施行された日本では、音楽、映画、小説などの娯楽が禁止され、隠れて娯楽を楽しむものをノイズと呼び、警察が厳しく取り締まっています。
ある町はずれの一軒家に刑事の杉村、警官の三島らが踏み込みます。中にいた中年の男がギターやCD、ビデオなどを持っていて、杉村が現行犯逮捕すると、鉄パイプで殴りはじめます。三島が「死んでしまいます」と止めものの、杉村はそのまま殺してしまいます。杉村らの立ち去った後、娘のヒカリが家から逃げ出します。
ネジ工場で働くミズトとトキオは、仕事帰りアパートに空き巣に入り、金目のものを盗み、食べ物を食い漁ります。ある日、工場の社長に「このねじは何に使うもの?」と聞きますが、社長に「知らなくていい」と言われます。
その帰り、町はずれの廃屋を見つけた二人は、家に侵入します。そして奥の部屋で見たことのないギターや、アンプ、モニター、CDなどを見つけたのです。奥では中年の男が死んでいます。刑事の杉村が乗りこんだ家だったのです。
サラバ静寂のネタバレあらすじ:承
モニターの画面にギターを弾く男が映っています。二人がヘッドフォンの取り合いをしていると、プラグが抜け大音量が流れます。ロックを知らない二人に、飛び込んできた音はカルチャーショックでした。二人は興奮し、演奏に聞き入ります。そして、破られた紙を見つけ繋ぎ合わすと”サノバノイズ”という店のチラシでした。二人は、音楽の世界に入れる”サノバノイズ”の存在を知ったのです。
完全にはまってしまったトキオは機材に夢中です。夜になりミズトが帰っても、トキオはそのまま泊まりこみます。翌朝、集音マイクを持って、池の周辺の音を拾います。そのまま工場まで音を拾いながら行きます。
この行動が数日続き、工場では社長が「トキオが3日間無断欠勤だが何か知ってるか?」とミズトに聞きます。「知らない」と言ったミズトは、廃屋に行き、男の死体を埋葬し、トキオと曲を作りはじめます。
夜になり、ミズトが帰っているとパトカーとすれ違います。慌てたミズトが引き返しますが、すでにトキオは杉村に捕まり暴行を受けていました。ミズトを三島らが捕まえると、杉村はトキオを滅多打ちにます。「ヤメロ」と叫ぶミズトも杉村に暴行され気絶します。
サラバ静寂のネタバレあらすじ:転
ミズトの意識が戻り、トキオを起こしますがすでに死んでいます。泣くミズトの元へ、この家の娘のヒカリがやって来ます。「お父さんは警官に殺された」と言うヒカリ。するとミズトは「サノバノイズを知ってるか?」と聞きます。ヒカリは「知ってるよ、行った事はないけど」と言います。ミズトが「一緒に行こう」と言うと、ヒカリもうなずきます。
二人はトキオをドラム缶で焼き、バスに乗って旅立ちます。ミズトは「トキオの曲をガンガン流したい」と言い、ヒカリは「音楽が聞けるだけでいい」と言います。目的の地区に着き、夜になると勝手に部屋に侵入し、トキオの曲を聞きながら一夜を明かします。
翌朝、ミズトがチンピラに絡まれます。ミズトは「サノバノイズを知ってるか?」と聞きます。チンピラはついて来いと言ってバーに案内します。そこには警官の三島がいたのです。三島は「取り締まりをしているうちに、音楽にとりつかれてしまった、サノバノイズは、森の中にある」と言って、地下室の入り口を教えます。
夜になり、二人はコンビニで食べ物を強奪し、ホテルの部屋に忍び込んで泊まります。しかし聞いていた音楽の音が漏れ、従業員が警察に通報します。やってきたのは三島らでした。三島が二人を見逃し、森へ逃げます。三島の相棒は、見逃した三島を責め立てます。
サラバ静寂の結末
地下室の入り口を見つけた二人は、階段を降ります。中に入るとそこはライブハウスです。生バンドの演奏に客は陶酔しています。二人も観客に混じり興奮のるつぼです。そのころ三島は杉村に拷問を受け耳を削がれます。
サノバノイズの中心的人物・大貫憲章が二人にビールをおごります。初めて飲むビールに二人は戸惑いながら、大貫の話を色々聞いた後、ミズトが、「この曲をかけてほしい」と言ってトキオの曲を渡します。大貫は「かけよう」と言って、流し始めると、曲に合わせてラップ歌手がステージに立ちます。次に和太鼓を使った和楽器の演奏が始まります。二人の興奮は頂点に達します。
その時、杉村が警官を多数連れてサノバノイズに乗りこみます。演奏者や観客を次々射殺し始めます。ミズトはトキオのテープを取り出して逃げようとしますが、腹を撃たれます。かけよるヒカリに、杉村が近づきこめかみを撃ち抜きます。そしてミズトのもとへ近づいた時、背後から耳を削がれた三島がやって来て、杉村を撃ち殺します。
テープを持ち、ヒカリをおぶって這って逃げようとするミズトは、階段まで来て力尽きます。ミズトは逃げていた客の少年にトキオのテープを渡すと、そのまま息を引き取りました。
以上、映画「サラバ静寂」のあらすじと結末でした。
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