劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班の紹介:2020年日本映画。2016年の韓国ドラマ『シグナル』を日本でリメイクし、2018年にテレビ放映されたサスペンスドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』の劇場版です。現代と過去を繋げる1台の無線機で繋がった現代の刑事(坂口健太郎)と過去の刑事(北村一輝)が時を超えて再び手を組み、政府高官の不審死に端を発する巨大な陰謀に立ち向かっていきます。
監督:橋本一 出演者:坂口健太郎(三枝健人)、北村一輝(大山剛志)、吉瀬美智子(桜井美咲)、木村祐一(山田勉)、池田鉄洋(小島信也)、青野楓(安西理香)、林泰文(伊藤健吾)、水橋研二(雨宮竜一)、長田成哉(橘修平)、奈緒(小泉ミチル)、杉本哲太(三谷宗久)、田中哲司(山崎聡史)、鹿賀丈史(板垣真二郎)、伊原剛志(青木潤基)ほか
映画「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班の予告編 動画
映画「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」解説
この解説記事には映画「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班のネタバレあらすじ:起
現代と過去を繋ぐ1台の無線機。現代を生きる刑事・三枝健人(坂口健太郎)は、過去の刑事で現代では行方不明となっている大山剛志(北村一輝)と時を超えて手を組み、数々の長期未解決事件を解決してきました。無線機の存在を知るのは三枝と大山、そして三枝の上司で大山の後輩だった未解決事件捜査班班長の桜井美咲(吉瀬美智子)だけでした。
2010年4月1日、この日は三枝が警察学校を卒業する日でした。三枝は無線機で大山と連絡を取り、会う約束をしましたが、いつまで経っても待ち合わせ場所に大山は現れませんでした。その頃、大山は何者かに狙撃されていました…。
2021年1月25日。内閣情報調査室次長・三谷宗久(杉本哲太)の乗るハイヤーに何者かが毒ガスを注入しました。ハイヤーは首都高を走行中に三谷と運転手は口から泡を吐いて痙攣を起こし、ハイヤーはガードレールを突き破って転落、爆破炎上しました。三谷と運転手は死亡、科捜研は二人の遺体から2001年に死者21人を出した「西新宿テロ事件」で使用されたものと同じ「ヘロンガス」を検出しました。
警視庁刑事部長・青木潤基(伊原剛志)は緊急記者会見を開き、毒物による殺人事件として捜査することを宣言しました。ジャーナリストの小泉ミチル(奈緒)は、事件当時ハイヤーの前方を走っていた車のドライブレコーダーの映像から、三谷と運転手症状はヘロンガスではないかと質問し、青木はそれを認めました。「西新宿テロ事件」の首謀者・雨宮竜一(水橋研二)や容疑者は全員逮捕され、ヘロンガスも全て回収されたはずでした。
内閣官房長官の板垣真二郎(鹿賀丈史)は事件の徹底究明を命じ、青木は同期で公安部長の山崎聡史(田中哲司)に事件当時の全ての情報の開示を求めました。三枝と桜井、山田勉(木村祐一)、小島信也(池田鉄洋)ら長期未解決事件捜査班も動き出しました。
捜査の結果、今回の三谷の事件は2009年11月21日に発生した加藤正政務次官の事件、その2週間後の12月5日に発生した中村幸恵政務官の事件と犯行手口が酷似していることに気付きました。当時の記録は全て処分されていましたが、ただひとつ明らかになったのは、加藤の事件に大山が偶然にも遭遇していたということでした。
2009年11月21日。コンビニ強盗の捜査をしていた大山は、すぐ近くで暴走する車に遭遇しました。その時、大山は運転手と乗っていた加藤が口から泡を吹いているのを見逃しませんでした。暴走車は多数の負傷者を出しながら建物の壁に激突して炎上、大山は車に撥ねられた母親とその娘を助けましたが、母親は死亡、娘は植物人間状態となってしまいました。大山はこの件は殺人事件だと主張しましたが、警視庁は事故として処理しました。
2009年12月1日、大山の無線機と2021年の三枝が繋がりました。三枝は大山に、12月5日に加藤の件と同様の事件が起こることを伝えました。三枝と桜井はもし加藤の件と中村の件が同一犯の仕業だった場合、大山が中村の事件を阻止してくれれば三谷の事件は起きないだろうと考えていました。
劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班のネタバレあらすじ:承
2009年12月5日。大山は中村の乗る車に近づいた怪しげな男・橘修平(長田成哉)を取り押さえました。橘はヘロンガスらしきものの入った注射器を持っており、中村の件はこの時点で阻止されました。大山は警察署で橘を取り調べていると、当時公安部参事官だった山崎ら公安の者たちが現れて橘を連行していきました。
その後、なぜか釈放された橘は河川敷で遺体となって発見され、警察は溺死と断定しました。大山は橘が何者かに“消された”と考え、公安に文句を言いに行こうとするも上司に引き留められました。
2021年。歴史が変わり、確かに中村は今も生きていました。しかし、三谷の事件は食い止められず、三谷の件と2009年の件は同一犯でないことが明らかになりました。三枝は20年前(2001年)の署内報に、三谷と山崎が「西新宿テロ事件」を解決に導いたという記事を発見しました。功績により山崎は公安部長となり、階級も警視正から警視監と出世していたのです。
2009年。一連の件に不審なものを抱いた大山は、かつて「西新宿テロ事件」を担当していた元公安の伊藤健吾(林泰文)に接触しました。伊藤は加藤の事件の直後に公安を辞めており、その時は伊藤は何も答えませんでした。後になって伊藤は密かに公衆電話から大山に電話をかけ、例え話として「西新宿テロ事件」の犯行グループの残党が公安に雨宮ら主犯の釈放を要求し、従わなければテロを起こすとの犯行予告があったとしたらというヒントをくれました。
大山は橘を取り調べていた時、橘が「俺を無視するからだ」と発言していたことを思い出し、実際に公安に犯行予告があったであろうこと、橘を消せるのは公安では山崎しかいないと考えました。その夜、大山は2021年の三枝と無線機で連絡を取り合い、伊藤から聞いた情報を伝えました。三枝は大山に、「西新宿テロ事件」の裏を探るよう依頼しました。
2021年。三枝は山崎に会いに行き、2009年の件を問い詰めようとしましたが、山崎は知らないとしらを切りました。桜井は2009年の事件の犯人である橘が死んだのに2021年の三谷の事件が起きたことから、「西新宿テロ事件」犯人グループの残党はまだ残っているのではないかと考えました。
三枝は「西新宿テロ事件」主犯で既に処刑されていた雨宮の手記を書いた小泉と接触しました。三枝は2009年の事件でヘロンガスが使われたことを伝えると、小泉は雨宮から2009年に残党が雨宮を助けるために事件を起こしたという証言を得ていましたが、裏付けが取れなかったので手記には載せていないこと、ヘロンガスは雨宮以外に作れる人物はいないこと、そして残りのヘロンガスは政府が保管しているという情報を伝えました。
三枝と桜井は法医学者の安西理香(青野楓)から、ヘロンガスを保管しているのは2010年に科捜研に新設された化学兵器専門の研究部署であることを聞きつけました。その頃、山崎は青木に「三枝に探らせているのか」と尋ねていました。
三枝は、三谷の事件の3日後に科捜研の化学薬物分析担当者・吉川和夫が自殺したことを知りました。吉川は少女買春の疑いがあったものの不起訴になった経緯があり、死の1ヶ月前に理由もなく2度ほど早退していました。更に調べを進めると、吉川はある駐車場でフードを被った謎の人物と荷物の受け渡しをしていたことが明らかになりました。
そんな時、三枝は青木に声をかけられました。青木は今回の件は警察内部も絡んでいる可能性を示唆し、三枝に“正義”に従って行動するよう激励しました。
劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班のネタバレあらすじ:転
2021年。三枝は山崎から、19時に晴海埠頭の倉庫に来るよう告げられました。ところが、倉庫で三枝が見たものは口から泡を吹いて死亡している山崎の遺体であり、三枝は駆け付けた警察に取り囲まれました。三枝の車からはなぜかヘロンガス入りの注射器が押収されており、山崎殺しの容疑をかけられた三枝はその場から逃走、桜井に電話で頼みごとをしてある場所へと向かいました。
2009年。大山は山崎と三谷がとあるホテルに入っていくのを目撃していました。すると2021年の桜井から連絡があり、桜井は三枝からの頼みごととして「三谷と山崎を殺さなくてはいけなかった人物をそちらの時代でも探してほしい」と伝えました。
2021年。三枝が向かったのは小泉の家でした。小泉は両親を「西新宿テロ事件」で亡くしており、事件の真相を掴むためにジャーナリストになったことを明かしました。三枝もある事件で兄を亡くし、ある刑事(大山)に解決してもらった経緯(テレビ本編を参照)を語りました。小泉はカメラで三枝の写真を撮りました。
その時、小泉の家に数人の男たちがなだれ込み、小泉は三枝にスマホを貸して逃がし、撃たれて死亡しました。三枝は追っ手から逃れながら桜井と連絡を取り、駆け付けた桜井の車に匿われました。
2009年。山崎と三谷の動向をマークしていた大山は、山崎と三谷が当時国家公安委員長だった板垣と密会していたことを掴みました。山崎・三谷・板垣は2001年の「西新宿テロ事件」解決の功労者とされているのですが、加藤の事件は「西新宿テロ事件」の残党が起こしたことを知っていました。実は加藤の事件の際に大山が助けようとした母子は青木の妻子であり、山崎・三谷・板垣は加藤の件を青木に伏せておくことで一致しました。
2021年。三枝は桜井から、吉川の取引現場の防犯カメラの映像を見せてもらいました。吉川の取引相手であるフードの人物の腕時計は青木のものと一致しており、三枝は青木は妻子の復讐のために吉川からヘロンガスを入手したこと、そして青木の次のターゲットは板垣であることを悟りました。
時を同じくして、青木は忽然と行方をくらましていました。翌日は板垣主催のパーティーがとあるホテルで行われる予定となっており、三枝と桜井は青木がパーティーを狙うだろうと予測しました。桜井は板垣にパーティーを中止するよう求めましたが聞き入れられず、桜井らは当日の会場の警備を申し出ました。
2009年。大山は青木の娘の見舞いに来ていました。大山は未だ昏睡状態の青木の娘の手にメモを挟めて立ち去ろうとしました。そこに青木が現れ、娘を助けたのは大山なのか尋ねましたが、大山は否定しました。
2021年、板垣のパーティー当日。桜井・三枝・山田・小島は手分けして会場を見張ることにしました。その時、小島はこのホテルに内装業者が出入りしており、退出予定時間を3時間過ぎてもまだホテル内に留まっていることに気付きました。三枝・山田・小島は地下で作業しているらしい内装業者のところへ向かおうとしましたが、地下へ通じるエレベーターは何者によってロックされていました。
やがて予定通りに、ホテルの27階の会場でパーティーは始まりました。桜井はホテルの全ての出入口がロックされていることに気付きました。三枝たちはホテルの全てを制御するコントロールセンターに向かいましたが、そこでは職員らが縛られており、内装業者を装った三人組の男が三枝たちが来る前にシステムを操作していた様子でした。
三枝らはモニターでパーティー会場のスプリンクラーのタンクの水が全て抜かれていることに気付き、三枝は青木が予備タンクにヘロンガスを入れてスプリンクラーで会場内にばらまき、板垣を含む参加者全員を殺害しようとしていると悟りました。山田と小島は青木によって書き換えられたシステムの復旧にあたることにし、三枝は桜井に連絡を入れると予備タンクのある20階の設備室へ急ぎました。
三枝が駆け付けた時、三人組は既に予備タンクにヘロンガスを入れていた後でした。三枝は三人組と格闘を繰り広げて叩きのめし、何とかヘロンの流出を阻止することに成功しました。ところが、すぐに遠隔操作で配管のハンドルが勝手に動き出し、三枝がいくら止めようとしても止まりませんでした。
劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班の結末
パーティー会場のスクリーンに青木の姿が映し出されました。青木は板垣が2009年の事件を隠蔽していた事実を来客たちに告発しました。三枝は桜井が送信してきたスクリーンの写真で青木の背後にはパイプオルガンがあることに気付き、青木は25階のチャペルにいると確信して現地に向かいました。
板垣は当初は隠蔽を否定していたものの、桜井に責められてやむなく認めました。その上で板垣は隠蔽を持ちかけたのは三谷、実行したのは山崎であることを白状し、そして山崎は独断で橘を殺し、そして大山をも殺害したことを明らかにしました。
三枝は25階のチャペルで青木と対峙しました。青木は山崎を殺したことを認め、その罪を三枝に擦り付けたことを謝罪しました。自分の力では板垣・三谷・山崎の癒着と隠蔽を止めることができないと実感した青木は「こうするしか今の警察を変えられない」と三人を殺す決意を固め、このことにより警察と政界との癒着はなくなるだろうと考えていました。三枝は青木に「あきらめなければ未来は変わります」と説得しました。その言葉を聞いた青木は、2009年に大山が娘の手に握らせたメモに三枝の発した言葉と全く同じ言葉が書かれていたことを思い出しました。
青木はそれでも「もう終わりだ」とスプリンクラーの遠隔操作のスイッチを押しました。ところが、三枝はあらかじめ小島に頼んで予備タンクのヘロンガスを27階ではなく無人の26階に流すよう指示しており、ヘロンガスは狙い通りに26階へと流れていきました。
板垣や来客たちは命拾いし、三枝は青木を逮捕しました。ところが、板垣は笑いながら青木の発言は嘘だと言い放ちました。三枝は2009年の大山と連絡を取り、青木のテロは阻止したこと、大山のメッセージは青木に伝わっていたことを報告しました。そして三枝は大山に、大山の身に危機が迫っていることを伝えました。
2010年4月1日。大山は板垣・三谷・山崎の癒着の証拠を掴み、その情報を伝えるため出版社に向かっていました。近くのビルでは狙撃手が大山を狙っていましたが、大山からあらかじめ情報を聞いていた2010年の桜井が同僚たちと共にビルに乗り込んで狙撃手を捕らえ、大山は命拾いしました。
2021年。大山の命が救われたことにより歴史は書き換えられていました。三枝の部屋には、警察学校の卒業式の時に三枝と大山が並んで写っている写真が飾られていました。三谷と山崎の殺害事件は発生しておらず、代わりに山崎は大山殺害未遂で逮捕されており、大山が出版社に情報を持ち込んだことにより板垣と三谷は逮捕されていました。そして青木は癒着を暴いた功労により今や警視総監にまで出世していました。そして小泉も死なずに生きており、雨宮の手記がジャーナリストの賞を受賞していました。
三枝と桜井は大山が生きていること、そして大山は下河原署で勤務していることを突き止めました。三枝と桜井は下河原署の前で待っていると、そこに大山が車から降りてきました。ところが、大山が道路を渡ろうとしたその時に1台のトラックが横切り、気が付くと大山の姿は消えていました。
その時、大山が車に残した無線機に突然電源が入りました。三枝は「あきらめなければ未来は変わる。あきらめなければ希望はある」と信じながら無線機のところへと向かいました。
以上、映画「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」のあらすじと結末でした。
「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」感想・レビュー
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まだまだ続く?
これ、なんだか不完全燃焼的なエンディングだったけど。
秋の改編期に完全版を放送してくれるように願っています。