レッド・サンの紹介:1971年フランス,イタリア,スペイン映画。チャールズ・ブロンソン、三船敏郎、アラン・ドロンというハリウッド・日本・フランス映画界を代表する3大スターが共演した異色の西部劇です。タイトルの「レッド・サン」とは日の丸、すなわち日本を意味しています。西部開拓時代のアメリカを舞台に、日本の使節団から宝刀を奪った強盗が裏切った仲間を追うために日本人の侍と手を組むことになります。
監督:テレンス・ヤング 出演者:チャールズ・ブロンソン(リンク・スチュアート)、三船敏郎(黒田重兵衛)、アラン・ドロン(ゴーシュ)、ウルスラ・アンドレス(クリスチーナ)、キャプシーヌ(ペピータ)、田中浩(名室源吾)、中村哲(坂口備前守)、バルタ・バリ(パコ)、グイド・ロロブリージダ(メイス)ほか
映画「レッド・サン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レッド・サン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
レッド・サンの予告編 動画
映画「レッド・サン」解説
この解説記事には映画「レッド・サン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レッドサンのネタバレあらすじ:起
1870年、日本から日米修好のために全権大使の坂口備前守(中村哲)率いる使節団がアメリカを訪れました。使節団は列車で西部から首都ワシントンへと向かっていましたが、その道中で列車強盗のリンク・スチュアート(チャールズ・ブロンソン)と相棒のゴーシュ(アラン・ドロン)が列車に乗り込み、金貨輸送の郵便貨車から金貨を奪ったあげくに日本の天皇がアメリカ大統領に贈呈するはずだった黄金の宝刀も奪い取ってしまいました。
その後、ゴーシュは金貨を独り占めしようとしてリンクを裏切り、彼を列車に置き去りにすると、金貨と宝刀を持って逃走していきました。
日米の条約調印までは時間がなく、猶予は7日しかありませんでした。大使は護衛の侍・黒田重兵衛(三船敏郎)に宝刀の奪取を命じ、7日以内に見つけられなかった場合は切腹するよう厳命しました。黒田は生き残っていたリンクと共に逃げたゴーシュの後を追うことになりました。
レッドサンのネタバレあらすじ:承
ゴーシュを追う旅に出たリンクと黒田は最初のうちは互いの腹の内を探り合っていました。黒田はゴーシュを見つけ次第すぐに斬るつもりでしたが、リンクはゴーシュを生かして金貨の隠し場所を吐かせたいと考えており、二人の考えは全く異なりました。
黒田の語る武士道精神が全く理解できないリンクは、抜け駆けしようと黒田の元から何度も脱走を試みましたが、腕っぷしの強い黒田にねじ伏せられて失敗に終わりました。
旅の途中、リンクと黒田は辿り着いた牧場でゴーシュの手下たちが強奪をしている現場に遭遇、互いに協力し合って手下たちを倒し、牧場主とその家族を助けました。その後、リンクと黒田は牧場から馬を拝借して出発しようとしましたが、リンクは一瞬の隙を突いて逃走していきました。
リンクはその後、一人で旅を続けていた黒田に襲い掛かり、ゴーシュを斬らないことを誓わせようとしましたが、黒田はあくまでも首を縦に振りませんでした。リンクは仕方なく黒田と旅を続けることにし、黒田はリンクに武士の時代が終わりに近づいていること、そして自分は必ずこの任務を全うしたいとの思いを伝えました。
レッドサンのネタバレあらすじ:転
リンクと黒田はゴーシュの愛人である売春婦のクリスチーナ(ウルスラ・アンドレス)の住む小さな町の売春宿に向かい、彼女を捕らえてゴーシュを誘き寄せるための人質としました。そしてリンクと黒田はクリスチーナを迎えに来たゴーシュの手下たちを次々と倒し、一人だけを生かしてゴーシュへの伝令を命じました。
その後、リンクと黒田はクリスチーナをゴーシュとの取引場所へ連れて行くことにしましたが、リンクは旅の途中で再三ゴーシュを斬るなと黒田に迫りました。黒田もやむなく一定時間の間はゴーシュを斬らないことを約束しますが、その矢先にクリスチーナはリンクと黒田の元から脱走してしまいます。その後、クリスチーナは先住民に襲われ、駆け付けたリンクと黒田に助けられました。
その後、リンクと黒田はクリスチーナを連れて取引場所の教会跡地に辿り着きましたが、そこに現れたゴーシュは手下たちを引き連れて二人に攻撃を仕掛けてきました。その時、教会跡地を先住民が襲撃、リンクと黒田は仕方なくゴーシュ一味と共闘すると次々と先住民たちを倒していきました。
レッドサンの結末
先住民たちを倒し終えたリンクと黒田は、遂にゴーシュと対峙しました。黒田はリンクとの約束を破ってゴーシュに斬りかかりますが、ゴーシュに撃たれて致命傷を負ってしまいます。
ゴーシュはリンクに金貨を山分けにしようと持ちかけましたが、リンクはゴーシュを許さずに撃ち殺しました。虫の息の黒田は、リンクに宝刀を使節団まで送り届けてほしいと頼み、リンクは引き受けると黒田は静かに息を引き取りました。二人の間にはいつしか奇妙な友情が芽生えていたのです。
黒田の亡骸を丁重に葬ったリンクは、宝刀を持って使節団の乗る列車に追いつきました。そしてリンクは使節団の列車が停車している駅の電線に宝刀を括り付け、いずこへと姿を消していきました。
以上、映画「レッド・サン」のあらすじと結末でした。
「レッド・サン」感想・レビュー
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1870年のアメリカ西部。日本の使節団を乗せた列車が、東部ワシントンを目指して走っていた。
それをリンク(チャールズ・ブロンソン)とゴーシュ(アラン・ドロン)をリーダーとする強盗団が襲った。日本の使節団は金はもちろん、大統領に献上する宝刀を奪われてしまった。
しかしゴーシュが、リンクを裏切りダイナマイトで殺そうとした。一命をとりとめたリンク。日本の使節団の坂口(中村哲)は「どうやら敵は同じなようだな。黒田(三船敏郎)を連れて刀を取り戻してくれ」と命じる。
反発したリンクだったが、仕方なく二人で、まずは徒歩でゴーシュたちを追う。
リンクと黒田は、ゴーシュの部下と遭遇。
彼らが持っていた馬を奪って追いかけ始める。リンクはゴーシュが女の元に現れると思い、ゴーシュに惚れてる娼婦のクリスティーナ(ウルスラ・アンドレス)の元へ。
ゴーシュはいなかったが、彼の部下に「女が惜しかったら教会へ来い」という。その教会に行ってみるとリンク、黒田、クリスティーナ。
しかしそこは、コマンチ族に襲撃を受けていた。
ゴーシュは現れたが、コマンチ族も迫ってくるのだった——–。今でこそチャールズ・ブロンソンもアラン・ドロンも過去のスターだが、1970年代当時は、フランス、アメリカを代表するスターだった。
特に、1960年代後半から、1970年代前半のアラン・ドロンの日本での人気はすさまじかった。そこへ三船が絡む。アロン・ドロンは、キーとなる役だが、出演シーンからすると二人に比べれば少ない。
しかし二枚目で非情な悪人で、いわゆる「おいしい役」である。三船もブロンソンに一歩も引いていない。
むしろ日本人からすると、こっちの方がいい役に見える。
三船以外の役者が演じていたら、大いに違った印象になったと思う。ガンマンをばっさばっさと斬りまくり、手裏剣で倒すわ、最後には弓で戦うわで大活躍である。
侍の描き方も、比較的まともでそれほど違和感はない。お話は西部のならず者ガンマンと、日本の侍が反発しながらも最後は侍を認めるという展開。日本人には受けますよね。
でも始まって、列車襲撃のあたりは、テンポも軽快で良いのだが、リンクと黒田が、二人で追いかけ始めるあたりは、似たような展開が多く、やや話が冗長になってしまい、ちょっと惜しい。観ていて、細かいところは若干気になるが、日本の侍をここまで持ち上げてくれると嬉しくなる。
リンクが刀を届けると捕まってしまうので、どうやって刀を返したか?
このラストが粋なカットで終わる。監督は007シリーズのテレンス・ヤング。出演のウルスラ・アンドレスは初代ボンドガール。
テレンス・ヤング監督にとって、007シリーズに次ぐ快作だと思う。
レッド・サン3大スター夢の共演、時は幕末侍の使節団がアメリカに上陸。
アメリカの大統領に会うために贈答する宝刀とともに、しかし強盗団に襲われ宝刀が盗まれた。7日のうちに取り戻せとの命令を受け、一人の侍が西部に旅立つ。彼は宝刀を取り返すことが出来るのだろうか。この映画を見た人が、西部劇に侍がといって馬鹿にしていました、馬鹿はお前だ歴史を勉強しろといったらけんかになって、絶交しました、この作品一見変に見えますが歴史的事実を踏まえて映画にしています、日本、アメリカ、フランスを代表する名優が共演した、サムライ・ウエスタン・三船の侍姿が凛々しくて立派。