SYNCHRONIZER(シンクロナイザー)の紹介:2015年日本映画。ヒトと動物、ヒトとヒトとの脳波を同調させれば何がおこるのだろうか。脳波の同調を研究する長谷川は認知症の母親を治そうと、自身と母親を被検体にして実験を重ねる。母親の病状が回復していく中、“繋がりすぎた二人”に異変が起こりはじめ・・。
監督:万田邦敏 出演:万田祐介(長谷川高志)、宮本なつ(木下萌)、古川博居巳(荒川正人)、松本洋幸(長谷川宏一)、かわはらゆな(長谷川良子)、中原翔子(長谷川春子)、ほか
映画「SYNCHRONIZER」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SYNCHRONIZER」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SYNCHRONIZER(シンクロナイザー)の予告編 動画
映画「SYNCHRONIZER」解説
この解説記事には映画「SYNCHRONIZER」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SYNCHRONIZER(シンクロナイザー)のネタバレあらすじ:起
深夜の研究室。長谷川は、ラットと自分の頭に装置をつけケーブルで繋がり脳波を同調させる実験をしています。脳波が同調すると、迷路に置かれたラットは長谷川が迷路の地図を指でなぞる通りに進むようになります。そして長谷川は猫の鳴き声が聞こえるとそれに怯え、気を失うのでした。
長谷川はKODAMA生理学研究所に勤めています。しかし長谷川の研究を発表するのは長谷川ではなく荒川で、その荒川に不満はあるものの「この研究は何のためにしているの?」と言われても研究室の誰も答えられず「研究の目的も言えないやつに発表する資格はない」とさえ言われてしまいます。しかし研究室の一員である木下は長谷川の為に研究を続けているといい、死んだラットが先日の夜に長谷川が使っていたラットであり、長谷川が秘密の研究をしていることを知っていると告げます。長谷川は木下に「実験中に猫が鳴いた為、ネズミの恐怖心が伝わった気がする」と実験のことを話し、「誰にも言わないので手伝わせて欲しい」と木下は長谷川の不認可の実験を手伝うこととなります。死んだラットを解剖すると脳のネットワークが格段に発達しており、人の脳機能障害の改善に役立てる可能性を示していました。長谷川の部屋に泊まった木下は長谷川に対して抱いている好意を告げ、二人は結ばれます。
SYNCHRONIZER(シンクロナイザー)のネタバレあらすじ:承
長谷川と木下は秘密の実験を繰り返し、長谷川と繋がっているラットの脳が変化していることに気づきます。長谷川には認知症の母親がおり、脳機能障害にも効くのではないかと「あれで母親を治したい。」と木下に言い、木下と共に母親を施設から引き取り面倒を見ることにします。長谷川は「オレの研究の目的はこれだったんじゃないか」と自分と母親を繋ぎ「元の母さんに戻してあげるからね」と脳波を同調させます。
一方、木下は荒川に夜の秘密実験のことを知られますがラットの飼育をしていただけだと告げます。
長谷川の母親の症状はひどく、長谷川と木下のことをずっと世話をしていた兄夫婦だと思っており、兄の「こういち」の名前ばかりを呼ぶ母親に長谷川はうんざりしていますが木下は手を噛まれても世話をし続けるのでした。やがて実験の合間に散歩に出たりと時間を過ごしている間に、母親の症状が変化してきます。長谷川に向かって母親が「いつものお嬢さんは彼女?」と木下のことを聞き「たかし」と長谷川の名前を呼ぶようになります。
SYNCHRONIZER(シンクロナイザー)のネタバレあらすじ:転
その頃、木下はコンプレックスである顔にあるアザが消える夢を見ます。そして母親の寝相を変える際に昼間はあった床ずれがなくなっていることに気づき、皮膚を採取してラボで調べると細胞の再生速度が通常よりも異常に速いことが分かります。
長谷川の母親ははっきりと話し、計算もできるようになりました。そして長谷川に対し、身体を拭いてほしいとせがみ、脳波の同調実験を促すのでした。
木下は実験に恐れを抱き、長谷川に母親と二人きりでの実験を止めるよう約束させます。その夜、木下の枕元に歩けなかったはずの母親が立ち「もえさんいつもありがとう。でも隆は私のものだよ」と告げるのでした。
ある日、研究所から木下が家に帰ると長谷川と母親が“二人きりの時はしない”という約束を破って脳波の同調をしていました。
せめて母親と自分を繋げるように木下は言いますが「他人と繋がるのは母親が嫌がる」と長谷川は返し、言い合いになります。木下の顔のアザが消えるという木下の願いもあり、木下自身と長谷川を繋げることとなりますが、脳波が同調せずに暗いモニターに映った自分のアザを見て木下は出て行ってしまいます。
研究所に出勤した木下は冷凍保存されていた長谷川が実験に使用していたラットの死体がバラバラになっていることを知ります。
SYNCHRONIZER(シンクロナイザー)の結末
長谷川と母親は実験を続けており、時間があれば繋がっている状態でした。母親は若返り動けるようになり「あんたのおかげでね、元の身体に戻ったんだから」と長谷川に感謝します。反対に生気を失いつつある長谷川は「これ以上続けると僕にも何が起きると分からない」と寝ている母親の腕を切ろうとしますが、傷をつけた個所はすぐに傷口がふさがり元の状態に戻ったのです。
ラットの死体の件もあり木下は急いで長谷川の元に駆けつけます。しかし家の中で木下が見たものは、完璧に同調した脳波を示す機器と若返った母親に傷をつけて「人間は死ななくなる」と喜ぶ長谷川の姿でした。
木下は荒川に電話をし、実験を止めようとします。
長谷川は「助けてくれ」と木下に懇願し接続を切るように言いますが、繋がった母親に操られており彼女の指示で木下を刺そうとします。長谷川の最後の意思で踏みとどまったものの、接続を切っても母親との同調は止まらず、母親と同じ「ナイフで相手を刺す動作」を延々と繰り返し続け長谷川は血を流して叫ぶのでした。
後日。
木下と荒川はラボのガラス越しにケーブルで繋がった長谷川と母親を見ています。そんな二人をみて木下はこう呟きます。「二人は人間じゃない。別の何かになったんですね。」
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