起終点駅 ターミナルの紹介:2015年日本映画。直木賞作家・桜木紫乃の短編小説の映画化で、北海道釧路市を舞台に、重い過去を背負った弁護士が若い女性との出会いを通じて、人生の終点を始発に変えて生きる希望を取り戻していく姿を描いています。
監督:篠原哲雄 出演者:佐藤浩市(鷲田完治)、本田翼(椎名敦子)、尾野真千子(結城冴子)、中村獅童(大下一龍)、和田正人(森山卓士)ほか
映画「起終点駅 ターミナル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「起終点駅 ターミナル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
起終点駅 ターミナルの予告編 動画
映画「起終点駅 ターミナル」解説
この解説記事には映画「起終点駅 ターミナル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
起終点駅ターミナルのネタバレあらすじ:起
今から25年前。鷲田完治(佐藤浩市)は妻子を東京に残して北海道旭川市で地方裁判所判事の職に就いていました。ある時、完治は覚醒剤取締法違反の裁判を担当することになりました。その被告人とは、完治の学生時代の恋人だった結城冴子(尾野真千子)でした。二人が交際していた時は折しも全共闘の嵐が吹き荒れる時代、冴子は活動家として政治活動に身を投じる一方で、完治はそれらの活動には一切参加せずひたすら司法試験の勉学に励んでいました。
冴子は水商売で金を稼ぎ、完治の貧しい生活を支えていました。しかし、完治が試験に合格した直後、冴子は突然姿を消していたのです。裁判で完治は冴子に執行猶予付きの有罪判決を下し、その後は彼女の営むスナックに通いつめ、逢瀬を重ねるようになります。
任期満了が近づき、東京に戻る日が近づいていた完治でしたが、仕事も家族も全てを捨てて、小さな町で法律事務所でも営みながら冴子と二人で生きて行こうと決意していました。しかし旅立ちの日の旭川駅のホーム、完治の目の前で冴子は列車に飛び込み自ら命を絶ってしまったのです。
起終点駅ターミナルのネタバレあらすじ:承
そして現在。全てを捨てた完治は、釧路市で国選弁護専門の弁護士として細々と暮らしていました。仕事以外では誰とも交わることのない生活を送る完治の前に、かつて弁護を担当したことのある椎名敦子(本田翼)という若い女性が訪ねてきました。
敦子もまたかつての冴子と同じく覚醒剤取締法違反での裁判でした。敦子は完治にある人物を探して欲しいと頼みますが、完治はそれを断ります。しかしその後、敦子は覚醒剤の影響か体調を崩してしまい、病院に担ぎ込まれてしまいます。
起終点駅ターミナルのネタバレあらすじ:転
それからというもの、家族から見捨てられて行き場所のない敦子は度々完治の家を訪れ、完治の作るザンギなどの美味しい料理を一緒に食べたりしていくうちに、完治の荒れていた心も、敦子の心も次第に人間らしさを取り戻していきました。
敦子の中にかつての冴子の面影を見た完治は、彼女の頼みを聞き入れて一緒に探し人の捜索を始めました。
起終点駅ターミナルの結末
数年ぶりに実家に戻った敦子は、家族が全員死亡していたことを知ります。そして探し人である敦子の元恋人にしてチンピラの男は、ドラッグの影響か生死の境を漂っていました。もはや敦子は元恋人への想いは完全に消えており、お願いだから死んでほしかったと本音をこぼします。完治は、それでも敦子はこの男を探していた、そしてこの男の命は助かった、お互いに生きていてくれるだけでいいんだと諭します。元恋人は警察に引き渡され、敦子は裁判の証言台に立ちます。そして再び人生をやり直す決意を新たにしたのでした。完治は妻と離婚後も養育費だけは送り続けていました。
ある日、息子の同級生と偶然に会い、息子が結婚することを知ります。その後、完治は息子と25年ぶりに電話で会話しました。息子の結婚式に出席することを決めた完治は、人生の終着駅と思っていた釧路を始発駅と捉え、始発の列車に乗り込んでいきました。
以上、映画「起終点駅 ターミナル」のあらすじと結末でした。
「起終点駅 ターミナル」感想・レビュー
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私は桜木紫乃さんの大ファンで、この映画は100回近く観ました。あらためて人生というものをしっかり考えさせてくれます。素晴らしいの一言に尽きます!
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佐藤浩市さんの演技が良かったです。
終盤、ご飯を食べるところ。
それと、和田さん演じる森山と、佐藤浩市さんとのやりとりです。ここでは、和田さんの笑顔に‥涙 -
じ~んときました。
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原作も読みました。映画とは結末が異なりますが、原作を読んでいただけに余計感動しました。脚本・監督、スゴイです! 終点駅が起点駅でもあることが余計に伝わりました。 結構不評なのですが、私は本田翼さんの演技が際立っていたと思います。だから佐藤浩市さんが引き立っていたのでは・・・
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しみじみとした感動を覚えました。
ラストで、中村獅童が演じる木下が佐藤浩市演じる主人公の鷲田を見送りながら「闘え、鷲田完治、か」と呟くのですが、なぜ彼はこの言葉を知っていたのでしょうか。
原作を読んでみたくなりました。
コロナ禍の時代に人間関係が希薄になることも多いがやはり人は人によって傷つけられたり助けられたりですが命の尊さを改めて感じさせられる素晴らしい作品です。