リリーのすべての紹介:2015年イギリス,ドイツ,アメリカ映画。世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベがモデルとなった作品。1900年初頭のデンマークを舞台に、風景画家であるアイナー・ヴェイナーが夫婦の絆に揺れながら、リリー・エルベという女性になっていく様が描かれ、数々の映画賞を受賞した。
監督: トム・フーパー 出演: エディ・レッドメイン(アイナー・ヴェイナー/リリー・エルベ)、アリシア・ヴィキャンデル(ゲルダ・ヴェイナー)、マティアス・スーナールツ(ハンス・アクスギル)、ベン・ウィショー(ヘンリク・サンダール)、ウラ(アンバー・ハード)
映画「リリーのすべて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リリーのすべて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リリーのすべての予告編 動画
映画「リリーのすべて」解説
この解説記事には映画「リリーのすべて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リリーのすべてのネタバレあらすじ:風景画家アイナー・ヴェイナー
1926年、コペンハーゲンで、デンマークの風景画家・アイナー・ヴェイナーは画家としての成功を収めていました。妻のゲルダも画家で、主に肖像画を描き、画商に個展開催の売り込みをしに行くも、「テーマが正しくないのではないか」と批判を受けます。
アイナーとゲルダは仲の良い夫婦ですが、子供にはなかなか恵まれませんでした。そんな時、ゲルダの友人で、絵のモデルになるはずのウラにキャンセルされたゲルダは、アイナーにタイツを履かせて、モデルの代わりにしようとします。アイナーはドレスを抱きかかえてポーズをとっていると、不思議な感覚に陥るのでした。
別の日、パーティーで二人の出会いの話になります。ゲルダからアイナーを誘ったという話になります。その夜、アイナーは寝間着の下に、妻の寝間着を身にまとっていました。妻は夫の絵を描き始めます。
リリーのすべてのネタバレあらすじ:初めての女装
ゲルダは舞踏会に誘われます。アイナーに「女装して行ってみないか」と誘い、アイナーに歩き方などの作法を教え、化粧をし、ウラの踊る劇場の舞台袖から靴や服を選びます。名前はリリー・エルベになりました。アイナー・ヴェイナーの従妹という設定です。
女装をした美しいリリーは舞踏会で目立つ存在になります。サンダールという男性に声をかけられたアイナーは、妻がいないときに彼に連れていかれ、キスをされますが、アイナーは鼻血を出して混乱してしまいます。
ゲルダもその場面を見てしまいました。二人は急いで帰宅するも、なぜキスをしたのか喧嘩になります。悩んだアイナーは劇場の裏へ行き、裸になり、妻に隠れて女装をするようになります。
リリーのすべてのネタバレあらすじ:リリーとなる
女装した夫の絵を描いたゲルダは、作品の数々を再び画商に持っていきました。そうすると高評価で「売れるかもしれない」と言われます。
その頃、アイナーはリリーとなり、ヘンリク・サンダールの家にいました。しかし、そこでアイナー・ヴェイナーではないかとばれてしまいます。ショックを受けたリリーは、女装したままで帰宅してしまいます。帰ってきたゲルダは、そんな夫の姿を見て、ショックを受けてしまいますが、リリーはヘンリクと会っていたことや、その前には他の男性とも会っていたことを打ち明けます。
危機感を持ったゲルダは、アイナーを連れて病院を訪れます。悪いところを治すという放射能治療を受け、精神病ではないかと言われます。
そんな中、リリーを描いたゲルダの絵は売れ、パリで個展を開かないかと打診されます。病院の正式な検査結果が郵便で届き、診断結果は性的倒錯というものでした。
リリーのすべてのネタバレあらすじ:パリへ
ゲルダは無理やりアイナーをパリへ連れて行きました。彼の心はほとんどリリーとなり、絵も全く描けなくなっていました。リリーの絵はパリでも成功を納めます。
ゲルダはハンスという男と会います。彼はアイナーの幼馴染で、過去にキスをした相手でもありました。ゲルダはハンスとアイナーを会わせようとします。しかし待ち合わせ場所にアイナーは来ず、二人で家に帰ってみると、そこにはリリーがいました。
リリーはハンスとの思い出を語りだしますが、突然泣き出し、去ってしまいます。その夜、リリーはナイトドレスを着ようとして、完全な女性になりつつありました。
ハンスはゲルダを食事に誘います。ゲルダに気があるハンスですが、ゲルダは「私はまだアイナーの妻」と言い、断ります。しかし、アイナーは完全にリリーとなり、ゲルダは「夫と話がしたい」と訴えますが、リリーは「もとには戻れない」と言います。悲しみのあまりゲルダはハンスのもとへ駆け込みます。
その時、リリーは妻のために男に戻る決心をするのでした。男には戻れないけれど、まだゲルダを愛しているというアイナーは、答えを見つけようとします。しかし男性とも女性とも言えない風貌になったアイナーは、公園で絡まれて殴られてしまいます。
リリーのすべての結末:手術へ
再び医者に会っていくアイナーは、精神分裂と言われることが多いのでした。しかし、最後にもう一人会ってほしい医者がいる、というゲルダの提案を受け、二人で会いに行きます。その医者は女になる手術を提案します。しかしまだ誰もしたことがないものでした。
ドレスデンへ行くことになったアイナーは、一人で行くと言います。その日以降アイナーは、ゲルダの夫ではいられなくなります。ゲルダは自分のスカーフを渡し、二人は涙でお別れするのでした。
病院に現れたのはリリーでした。1回目の手術を終えたリリーのもとに、ゲルダがやってきます。リリーはデンマークに戻ろうと提案します。デンマークに戻ったリリーは、デパートガールとして働き始めます。抗生物質の薬を飲み、男性とも会う中で、より本物の女性に近づきたいと思うようになります。
ゲルダに2回目の手術を受けることを告げ、一緒に来てほしいと頼みます。しかし2回目の手術は危険を伴うもので、ゲルダは悲痛な想いでいました。
二人でドレスデンへ行きます。リリーは手術の前日、予感からか泣くのでした。手術は終わりましたが、リリーは衰弱し危険な状態でした。ハンスもやってきました。3人で外へ出ます。リリーはそこで亡くなってしまいます。
後日、ハンスとゲルダは、アイナーが頻繁に描いたデンマークの風景の場所へ行くのでした。そこはハンスがアイナーにキスをしてしまった場所であり、アイナーが女性ではないかと初めて感じた場所でもあります。そこで、アイナーと別れた時に渡したスカーフが風に乗って空に舞っていきました。
以上、リリーのすべて のあらすじと結末でした。
最初は幸せな夫婦だった2人の関係がタイツ1つで転がるように変わっていくストーリーに目が離せません。ゲルダのことは愛しているけれど女性の姿になっていくアイナーと、アイナーの中に夫を見ているゲルダ。そんな2人を見ていると胸がきゅんと切なくなります。