ダークナイト ライジングの紹介:2012年アメリカ映画。DCコミックスが誇るアメコミヒーローの代名詞「バットマン」の劇場版第7作にして、傑作と名高いクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」三部作の最終章となる超大作です。前作「ダークナイト」の衝撃から8年後のゴッサムシティを舞台に、街に君臨しようとする最強の敵ベインを相手に、前作の事件により世間から完全に姿を消していたバットマンが立ち上がります。CGを極力使わずに撮影された壮大な映像美と世界観、そして前作をも遥かに超える衝撃のラストに注目です。
監督:クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベール(ブルース・ウェイン/バットマン)、マイケル・ケイン(アルフレッド・ペニーワース)、ゲイリー・オールドマン(ジェームズ・“ジム”・ゴードン)、ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ジョン・ブレイク/ロビン)、モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス)、アン・ハサウェイ(セリーナ・カイル/キャットウーマン)、マリオン・コティヤール(ミランダ・テイト/タリア・アル・グール)、キリアン・マーフィー(ジョナサン・クレイン/スケアクロウ)、ベン・メンデルソーン(ジョン・ダゲット)、リーアム・ニーソン(ラーズ・アル・グール)、トム・ハーディ(ベイン)ほか
映画「ダークナイトライジング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ダークナイトライジング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ダークナイトライジングの予告編 動画
映画「ダークナイトライジング」解説
この解説記事には映画「ダークナイトライジング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ダークナイトライジングのネタバレあらすじ:起
犯罪と暴力がはびこる大都会“ゴッサムシティ”。街の正義のために立ち上がりながらも大悪党ジョーカーの策略に嵌って復讐の鬼“トゥーフェイス”と化したハービー・デント地方検事の事件(前作「ダークナイト」参照)から8年。CIAに保護されて移動中だったロシアの物理学者レオニード・パヴェル博士(アーロン・アバウトボール)は不気味なマスクの男ベイン(トム・ハーディ)に拉致されました。
デントの罪を被ったバットマンことブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は表舞台から姿を消し、トゥーフェイスの件は隠蔽され、デントの功績を讃えた法律「デント法」の制定により組織犯罪は激減、街に平和が戻っていました。しかし、事件の一部始終を知るゴッサム市警のジム・ゴードン本部長(ゲイリー・オールドマン)は真実を公表すべきか迷っていました。
パヴェル博士の拉致事件から半年後、体力も気力も衰えていたブルースは屋敷で隠遁生活を送り、自らの財団が主催するパーティーには出席せず、唯一心を許せる執事のアルフレッド・ペニーワース(マイケル・ケイン)に来客の応対を任せていました。しかし、ブルースはメイドに扮して潜入していた怪盗“キャットウーマン”ことセリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)に母の形見のネックレスを奪われてしまいました。セリーナの真の狙いはネックレスではなく、自身の犯罪歴を抹消するソフトと引き換えにブルースの率いる企業「ウェイン産業」のライバルであるジョン・ダゲット(ベン・メンデルソーン)からブルースの指紋を採取するよう依頼されていたのです。セリーナはバイロン・ギリー議員(ブレット・カレン)を誘拐しており、ゴードンは若き警官ジョン・ブレイク(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)と共に捜査に乗り出しました。
一方でブレイクは下水道で孤児院の少年が遺体で発見された事件も追っており、この孤児院は2年前にブルースの財団からの援助を打ち切られていたこと、そして孤児たちがベインに雇われていることを突き止めました。
ダークナイトライジングのネタバレあらすじ:承
ブルースは久しぶりに秘密基地「バットケイブ」に入り、キャットウーマンについての情報を探るもどうしても再起の一歩を踏み出せずにいました。アルフレッドはそんなブルースに、ブルースが以前ゴッサムを離れていた時期(「バットマン ビギンズ」参照)、毎年旅行で出向いているイタリア・フィレンツェでブルースによく似た人物を見かけた話をしました。
その夜、セリーナは酒場でダゲットの部下フィリップ・ストライヴァー(バーン・ゴーマン)と会い、ソフトを要求しましたが、ストライヴァーは手下を率いて襲い掛かってきました。ゴードンは警官たちを引き連れて酒場へ向かいましたが、部下たちをダゲットに雇われたベインの傭兵集団に全滅させられた挙句に拉致されて下水道の奥へ連れ去られました。セリーナは混乱の隙を突いて逃亡していました。
ベインは孤児たちを利用してウェイン産業の本社ビルへ通じる穴を掘らせていました。ベインはゴードンからデントの事件の真実が書かれたスピーチの原稿を奪い、ゴードンは重傷を負いながらも脱出しました。ゴードンを救出したブレイクはブルースの元を訪れ、自分はあの孤児院の出身であることとバットマンの正体を知っていることを伝えて協力を求めました。ブルースは入院中のゴードンの病室に潜入、今こそゴッサムにはハットマンが必要だという彼の思いを受け止めて再起を決意、バットケイブでリハビリを開始しました。その一方でブルースは協力者であるウェイン産業社長ルーシャス・フォックス(モーガン・フリーマン)から会社の経営が孤児院をも支援できないほどに傾きかけていること、その原因は開発中のクリーンエネルギーへの大規模な投資にあることを知りました。ブルースはフォックスから極秘裏に開発された戦闘機「バット」を提供されました。バットは唯一自動操縦機能だけがまだ未完成でした。
その一方でブルースはウェイン産業の有力スポンサーでありクリーンエネルギー事業にも投資しているミランダ・テイト(マリオン・コティヤール)主催の慈善パーティーで久しぶりに公の場に姿を見せ、居合わせたセリーナからネックレスを取り戻しましたが、セリーナはいずれゴッサムに嵐が吹き荒れると警告してきました。
ダークナイトライジングのネタバレあらすじ:転
ブルースはアルフレッドの情報から、ベインは脱獄不可能な地下監獄「奈落」で生まれ、「影の同盟」指導者ラーズ・アル・グール(リーアム・ニーソン)に拾われて弟子となったものの狂暴な性格が原因で追放されていたことを知りました。その時、ベインは傭兵集団を率いてゴッサム証券取引所を襲撃、ダゲット経由で入手したブルースの指紋を使って金融システムに不正アクセス、株価を操作してブルースを破産に陥れました。一方でセリーナはキャットウーマンに変身してダゲットに詰め寄り、改めてソフトを要求しましたが、ダゲットはそんなものはないと突っぱねました。
ブルースは遂にバットマンに変身、ベイン一味を追いつつキャットウーマンの身柄を確保、事情を聞き出そうとするも逃げられてしまいました。
屋敷(とバットマンの装備)を除くブルースの全ての資産は差し押さえられ、ブルースに穏やかな人生を送ってほしいと願っていたアルフレッドはベインと戦うことは破滅を意味するとブルースに忠告して屋敷を去っていきました。
クリーンエネルギー用の核融合炉がベインに悪用されることを懸念したブルースとフォックスは、テイトをウェイン産業の会長の座に据えて会社乗っ取りを阻止しました。その一方でゴードンは自分が入院中の間ピーター・フォーリー副本部長(マシュー・モディーン)に市警の全権を託す一方、ブレイクを刑事に昇格させたうえで自分の直属の部下に任命、フォーリーとは別行動での一連の事件の捜査を命じました。ブレイクはゴッサムから逃げようとしたセリーナを逮捕しました。
ベインは用済みになったダゲットを殺し、キャットウーマンの案内でアジトを突き止めたバットマンと対峙しました。バットマンの正体を知っているベインは強烈なパワーと戦闘能力で満身創痍のバットマンをねじ伏せ、マスクを剥ぎ取り、背骨をへし折ると「ゴッサムが滅びる様を見せてやる」と告げてブルースを「奈落」へ幽閉しました。
ベインはウェイン産業のビルに突入すると“バットモービル”として開発されていた装甲車「タンブラー」を強奪、パヴェル博士に核融合炉を中性子爆弾へと改造させると5ヶ月後にメルトダウンさせるよう設定しました。更にベインはゴッサム市警の全ての警官を地下道に誘き寄せ、入り口を爆破して全員を閉じ込めました。続いてベインは超満員のアメフトスタジアムを襲撃して観戦中だったアンソニー・ガルシア市長(ネスター・カーボネル)を爆殺、市民に中性子爆弾の存在を公表、それを唯一止められるパヴェル博士を殺害、ゴッサムに通じる橋やドンネルを爆破して街を本土から孤立させました。更にベインはゴードンから奪ったスピーチ原稿を読み上げてデントの真実を世間に公表、デント法は無効だとして法律により収監された囚人1000人を釈放させました。その中にはセリーナも混じっていました。
囚人たちや傭兵集団からなる「市民軍」を創設したベインは“スケアクロウ”ことジョナサン・クレイン(キリアン・マーフィー)を裁判長に任命し、富裕層から財産を没収して裁判にかけていきました。ダゲットの部下だったストライヴァーも裁判にかけられて「追放か死」の判決を受け、「ゴッサムからの追放」を選ぶも凍った川に落とされて凍死しました。
その頃、「奈落」にいたブルースは見張り役の囚人(トム・コンティ)に背骨を矯正してもらい、ベインは過去に患った病により薬剤を注入する特殊マスクなしでは生きられない体であること、「奈落」から脱出したのはたった一人の子供であり、その子供は将軍の娘と傭兵の子で傭兵の追放と引き換えに「奈落」に監禁された将軍の娘が出産したことを知りました。そしてブルースは囚人から自分は死を恐れていないことを見抜かれ、「自由に必要なのは強さではなく生き残りたいという心だ。死を恐れぬということは強さではない、弱さだ。人は恐怖を知ることで成長できる」と教えられ、脱出を目指して黙々と鍛錬に励みました。ブルースの脳裏にはかつての師匠だったラーズの幻が浮かび、「奈落」から脱出した子の父は自分であること、ゴッサムは守るに値しないことを告げられました。その一方、ベイン一味に命を狙われたゴードンはブレイクに助けられ、デントの真実を隠蔽したことを認めましたが、ブレイクは「あなたの手もデントと同じく汚れている」と言い放ちました。
ダークナイトライジングの結末
3ヶ月後、遂に「奈落」からの脱出に成功したブルースはゴッサムへ辿り着き、セリーナに本物のソフトと引き換えに協力を求めました。そしてブルースはフォックスから武装やバット、バイク「バットポッド」などを提供され、ベイン一味に捕まったゴードンを助けると、夜空に巨大な“バットシグナル”の花火を打ち上げてベインに宣戦布告しました。
遂にメルトダウン当日を迎え、ブレイクと合流したバットマンは「マスクは顔を隠すためではない。大切な人を守るためのものだ」と告げ、地下道に閉じ込められていた警官たちを救出しました。ブレイクは孤児院の子供たちを逃がすため脱出口の橋の確保に向かい、キャットウーマンはバットポッドを託されて封鎖されたトンネルの瓦礫を吹き飛ばし、警官隊はフォーリーの指揮の元で遂に「市民軍」との全面抗争に突入しました。バットマンはベインに戦いを挑み、弱点のマスクを破壊して追い詰めましたが、現れたテイトに突然脇腹を刺されました。実はテイトこそが「奈落」から脱出した子供であり、その正体はラーズの実の娘であるタリア・アル・グールであり、自分の脱獄を助けてくれたベインを仲間に引き入れて一連の事件を首謀した黒幕だったのです。
タリアは亡き父ラーズの悲願であったゴッサム壊滅を果たすべく、フォーリーを殺害すると爆弾の元へ向かいました。ベインは駆け付けたキャットウーマンによって殺害されました。
一方、孤児たちを連れたブレイクは橋を封鎖している警官隊を説得しようとしましたが、ベインに言いなりになったままの警官隊はブレイクに発砲、橋を爆破してしまいました。ブレイクは今まで信じてきた警察の“正義”に疑問を抱きました。
ゴードンは決死の行動で何とか爆弾の無力化に成功したと思われましたが、タリアは先手を打っており、爆弾の時限装置を起動しました。バットに乗ったバットマンはキャットウーマンやゴードンと共にタリアを倒しましたが既に爆破は迫っており、バットマンはバットで爆弾を海上まで運んで爆破させるという最後の手段を決意しました。バットマンはキャットウーマンと別れのキスを交わし、最後に正体を明かしてほしいと頼んできたゴードンに「誰でも英雄になれる。かつて両親を殺された少年を励ましてくれた人のように」と伝えました。ゴードンはその言葉でバットマンの正体に気付きましたが、バットマンはその直後にバットで飛び立ち、そして爆弾はゴッサムから遠く離れた海上で大爆発を起こしました。全てを見届けたブレイクは警官バッジを川に投げ捨て、警察を辞める決意をしました。
全てが終わり、ゴッサムシティに真の平和が訪れました。ブルース・ウェインの葬儀が執り行われ、遺産はアルフレッドが相続することになりました。屋敷は新たな孤児院として寄贈され、市庁舎には街を救った英雄であるバットマンの銅像が建立されました。しかし、フォックスは未完成だったはずのバットの自動操縦装置が完成していたことに気付いていました。そしてフィレンツェに向かったアルフレッドは、実は密かに生き延びていたブルースがセリーナと一緒に談笑しているところを見つけ、その幸せそうな様子に思わず顔がほころびました。
ゴードンの説得を拒んで警察を退職、ブルースの荷物を受け取りに荷物預かり所に向かったブレイクは、係員に自分の本名は“ロビン”であることを明かしました。そしてロビンはコウモリが飛び交う洞窟へと入り、その奥にバットケイブを発見しました。これからはロビンが新たなバットマンとなってゴッサムシティの治安を守っていくことでしょう。
以上、映画「ダークナイト ライジング」のあらすじと結末でした。
「ダークナイトライジング」感想・レビュー
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この映画はダークナイトシリーズ最後の作品でゴッサムシティの次の希望を感じることができます。バットマンはジョーカーとの戦い以降活動をあまりしていませんでしたが、最強の敵ベインが現れ再び戻ってきます。しかし、圧倒的なベインの強さの前に一度は完敗してしまうのです。ダークナイトシリーズ初めての敗北なのですがここからバットマンがどう立ち直るか、そしてゴッサムシティ最悪の危機とバットマン以降の希望の光を最後に感じられる作品です。クリストファー・ノーラン監督の中でも最高傑作だと考えています。
この映画は、バットマン好きな人は必ず見るべき映画です。バットマンの宿敵ジョーカーが出てくる話なのですが、このジョーカーが本当に素晴らしい、、ヒースレジャー演じるジョーカーは正に狂気の頭脳班という感じがあふれています。このヒースレジャーがもうこの世にいないというところからも伝説のジョーカーだと思います。バットマンとジョーカーの戦いや、何が正義なのか、どういう形でゴッサムシティを守るのか見どころがたくさんあります。アメコミを見たことがない人でも絶対に楽しめる映画です。