フランダースの犬の紹介:1997年日本映画。テレビ版の名作アニメとして知られる作品を、同じ監督が手がけた劇場版です。ベルギーのアントワープとその近郊の村を舞台に、心優しい少年ネロと、彼に最後まで寄り添う名犬パトラッシュの姿が涙を誘います。基本的にはテレビの内容を踏襲しつつ、より内面描写に力を入れ、宮崎アニメのようなセリフの無い間を作ることで、大人も楽しめる作品に仕上がっています。アントワープ大聖堂でルーベンスの絵画を眺める場面で流れる素敵なBGMと、アロアのネロへの想いが溢れるエンディングテーマ曲が、心に沁みる秀作です。
監督:黒田昌郎 声優:津村まこと(ネロ)、八木光生(ジェハン)、丹下桜(アロア-少女期)、鈴木保奈美(アロア-成人期)、ほか
映画「フランダースの犬」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フランダースの犬」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「フランダースの犬」解説
この解説記事には映画「フランダースの犬」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フランダースの犬のネタバレあらすじ:起
アントワープの大聖堂で、修道女アロアは子供達とルーベンスの絵を見ながら、絵の才能があった少年ネロと過ごした日々に思いを馳せます。アントワープ近郊の村で、祖父ジェハンの牛乳運びの仕事を手伝いながら、ネロは慎ましくも幸せに暮らしていました。村一番の裕福な家に産まれたアロアは、そんなネロと飼い犬パトラッシュと遊ぶのが大好きでしたが、アロアの父コゼツは身分の違いから2人が仲良いことを疎ましく思っていました。ネロは、アントワープまで牛乳を運ぶ度に、街に住むジョルジュ、ポール兄弟と共に大聖堂を訪れます。そこにはルーベンスの描いた聖母マリアの絵がかかっており、いつか幕に覆われたもう2つの絵も見たいと願っていますが、それを見るお金はネロにありませんでした。
フランダースの犬のネタバレあらすじ:承
ある日、アロアは心優しい母親の計らいで、ネロと一緒に牛乳運びに付いて行くことになりました。そこでパトラッシュは、かつて自分を奴隷のように鞭うち、こき使っていた元の飼い主に遭遇します。パトラッシュは追い回されますが、ネロとアロアは、ジョルジュとポール兄弟の手助けもあって、なんとか逃げ切ることができました。しかし、諦めきれない飼い主は後日ネロの家にやって来て、ジェハンからお金を強請るのです。この一件でますます厳しくなった家計を助けるため、老体のジェハンに代わり、ネロは牛乳運び以外にも仕事をします。そんなネロを手伝い親しくするアロア。この様子を、使用人ハンスから吹き込まれたコゼツは、2人を引き離すためアロアを学校に通わせるのでした。
フランダースの犬のネタバレあらすじ:転
そんな折、ネロは、絵画コンクールのことを知ります。コンクールに優勝すれば、賞金と奨学金をもらえるのです。アロアと学校に行けるかもしれないと心を躍らせるネロでしたが、ジェハンの容態はますます悪化し、アロアの誕生日会を前に亡くなってしまいます。悲しみに暮れるネロでしたが、生きていくために牛乳運びを続け、涙を押し込め生活を続けなければいけません。それでも、コンクールに出すためジェハンの顔を描こうとする度、悲しみが押し寄せるのでした。アロアは、ネロを励まそうとコゼツが所持する風車に連れて行きます。手入れが行き届いていなかった風車は、その夜、自然発火によって焼失してしまうのです。風車から出て来るネロを見ていたハンスは、ネロが燃やしたに違いないとコゼツに言うのでした。ネロは潔白を訴えますが、聞き入れてもらえません。
フランダースの犬の結末
翌日から、唯一の収入源であった牛乳運びも、村の人々から断られ、仕事を無くしてしまうネロ。唯一の望みは、絵画コンクールに優勝することでした。ジェハンの幻影に励まされ、ジェハンとパトラッシュが寄り添う姿を描いた作品が完成します。彼の作品の良さを認める審査員もいましたが、結局優勝したのは裕福な家の子供でした。失意の中の帰り道、コゼツが落とした大金の入った袋を届けるネロ。もてなそうとするアロアにパトラッシュを託し、そっと家を出たネロは、吹雪の中アントワープの大聖堂に辿り着きます。幕が払われたルーベンスの作品を目に出来たネロは、「もう思い残すことはありません」と微笑むのです。ネロを追って来たパトラッシュと寄り添い、静かに息を引き取るのでした。大人になったアロアは、ネロが最後に見た絵を見つめ、修道女として決意を新たにするのでした。
「フランダースの犬」感想・レビュー
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ネロはパトラッシュをアロアに託して大聖堂のルーベンスの作品を見て側に来たパトラッシュと一緒に亡くなるのですね。涙が溢れてきますね。この物語を知っている人と知らない人では人間の心の厚みが違いますね。
とにかくネロとパトラッシュが良い子すぎるぐらいいい子です。
パトラッシュも大変な思いをしたのにも関わらずネロに心を開いて犬も心があるのだと再確認できる物語です。
大人の勝手によって傷つけられたネロとパトラッシュは結果的に亡くなってはしまうものの沢山の愛を人々に教えてくれました。
大人だけでなく小さい子供にも是非道徳の勉強にもなりお勧めです。