イングリッシュ・ペイシェントの紹介:1996年アメリカ映画。マイケル・オンダーチェの小説「イギリス人の患者」を原作とした壮大なラブストーリーです。第二次大戦時代のイタリアと北アフリカを舞台に繰り広げられる、記憶を失った重傷の男、通称“イギリス人の患者”が辿って来た運命的な愛の日々を描いています。
監督:アンソニー・ミンゲラ 出演者:レイフ・ファインズ(ラズロ・アルマシー/イギリス人の患者)、クリスティン・スコット・トーマス(キャサリン・クリフトン)、ジュリエット・ビノシュ(ハナ)、ウィレム・デフォー(デヴィッド・カラヴァッジョ)、ナヴィーン・アンドリュース(キップ)ほか
映画「イングリッシュ・ペイシェント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イングリッシュ・ペイシェント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「イングリッシュ・ペイシェント」解説
この解説記事には映画「イングリッシュ・ペイシェント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イングリッシュ・ペイシェントのネタバレあらすじ:起
1944年、第二次世界大戦も末期に差し掛かった頃のイタリア南東サン・ジロラモ。この地の野戦病院に、北アフリカの砂漠で飛行機が墜落し、全身に火傷を負った一人の男が担ぎ込まれてきました。男は記憶を失っており、身元を証明するものもないことから「イギリス人の患者」(レイフ・ファインズ)という仮称で呼ばれていました。「イギリス人の患者」に付き添っていたカナダ人看護師ハナ(ジュリエット・ビノシュ)は空襲で破壊された修道院に彼を連れて行き、そこで世話をすることになります。やがて「イギリス人の患者」は少しずつ記憶を取り戻し、自らの秘められた過去を語り始めます。「イギリス人の患者」の本名は「ラズロ・アルマシー」といい、ハンガリーの伯爵家の出身でした。1930年代後半頃、アルマシーは英国地理学協会に入り、アフリカのサハラ砂漠で親友のマドックス(ジュリアン・ワドハム)と共に地図作りに携わっていました。
イングリッシュ・ペイシェントのネタバレあらすじ:承
1938年のある日、アルマシーの元に協会から派遣されたスポンサーのジェフリー・クリフトン(コリン・ファース)が妻のキャサリン(クリスティン・スコット・トーマス)を伴って現れました。ジェフリーはキャサリンを残して単身カイロに戻り、キャサリンはアルマシーらの砂漠調査に同行しますが、猛烈な砂嵐の中トラックで一晩を過ごしたジェフリーとキャサリンは急激に惹かれ合い、戻ったカイロの宿舎で遂に結ばれます。それ以降、二人はいけない関係と知りつつも人目を忍んでは逢引を重ね、キャサリンはアルマシーに愛される喜びを感じつつも、夫ジェフリーへの罪悪感に苛まれていました。やがて戦争の機運が高まり、キャサリンはアルマシーと別れて帰国を望むも、ジェフリーには帰国の意思はなく、アルマシーもキャサリンへの想いを捨て切れませんでした。やがて二人の不倫愛はジェフリーの知るところとなり、嫉妬と怒りに駆られたジェフリーは小型機の助手席にキャサリンを乗せ、サハラ砂漠で作業中のアルマシーの元へと飛びました。
イングリッシュ・ペイシェントのネタバレあらすじ:転
時は1944年に戻り、ハナの修道院には地雷処理専門のイギリス陸軍工作兵キップ(ナヴィーン・アンドリュース)やカナダ軍諜報部隊のカラヴァッジョ(ウィレム・デフォー)が住み始めました。カラヴァッジョはかつてドイツ軍からスパイ容疑をかけられて両親指を切断された過去があり、その原因は自分を特定する写真を撮影したアルマシーにあるとしてその行方を追っていたのです。やがてハナとキップは恋に落ち、そして終戦の日を迎えました。そんなある時、敵意をむき出しにしたカラヴァッジョはアルマシーにまくし立てました。「お前がスパイだと知って、マドックスは拳銃自殺したんだぞ…」その一言でアルマシーの記憶は一気に蘇りました…。アルマシーがサハラ砂漠から引き揚げる準備をしていたその時、ジェフリーの駆る小型機がアルマシー目がけて突進してきました。
イングリッシュ・ペイシェントの結末
ジェフリーはキャサリンを道連れに、自殺覚悟でアルマシーへ体当たりを試みたのです。アルマシーは間一髪で難を逃れますが、ジェフリーは即死しキャサリンは瀕死の重傷を負います。アルマシーはキャサリンを洞窟まで連れて行き、食糧を置くと助けを求めに砂漠を彷徨い歩き、3日後にイギリス占領下の町へと辿り着きますが、アルマシーはドイツ軍スパイの疑いをかけられて捕まってしまいます。キャサリンを救いたい一心のアルマシーは地図と引き換えにドイツ軍からガソリンを譲り受け、マドックスが残して置いた飛行機で洞窟に戻りましたが、キャサリンは既に息絶えていました。アルマシーはキャサリンの遺体を飛行機に乗せてイギリスへ向かいますが、途中ドイツ軍の対空砲の攻撃を受けて墜落、アルマシーは地元遊牧民に助けられたのです…。全ての真実を知ったカラヴァッジョからは、アルマシーへの復讐の念は消えていました。アルマシーはハナに安楽死を要望、ハナはキャサリンが洞窟で書き遺した日記を読み聞かせながら、アルマシーはその波乱に満ちた生涯を閉じました。その後、死をも乗り越えて存在する愛の奇跡を胸に刻んだハナは、カラヴァッジョと共に修道院を去り、フィレンツェへと旅立っていきました。
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