天才ヴァイオリニストと消えた旋律の紹介:2019年アメリカ映画。ユダヤ人のドヴィドルはポーランド生まれ、少年時代にバイオリンの才能をイギリス人ギルバートに見出され、イギリスで英才教育を受けることになります。ギルバートの実子マーティンとは同じバイオリニストとして、対立しながらも友情を育んでいきます。しかし成人したドヴィドルはコンサートを前にして失踪してしまいます。マーティンはドヴィドルを探す旅に出発。彼の失踪の謎をつきとめます。本作は第2次世界大戦、イスラエル建国など激動の時代に生きた2人のバイオリニストの友情を描いた物語です。1930−40年代のマーティンとドヴィドルの少年時代、1951年の失踪シーン、1986年のシーンで展開されます。
監督:フランソワ・ジラール 出演:ティム・ロス(マーティン)、クライヴ・オーウェン(ドヴィドル)、ルーク・ドイル(ドヴィドル / 少年期)、ミシャ・ハンドリー(マーティン / 少年期)、キャサリン・マコーマック(ヘレン)、スタンリー・タウンゼント(ギルバート)、ほか
映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
天才ヴァイオリニストと消えた旋律の予告編 動画
映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」解説
この解説記事には映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
天才ヴァイオリニストと消えた旋律のネタバレあらすじ:起・ドヴィドル失踪の謎
(1951年)ロンドン。聴衆は21歳の天才バイオリニスト、ドヴィドルのコンサートを楽しみにしています。しかし彼は会場に現れません。同僚のマーティンとその父ギルバート(スタンリー・タウンゼンド)ら関係者は心配しますが、結局コンサートはキャンセル。客にチケット代は返金されます。聴衆は理由が理解できない様子です。
(1986年)マーティン(ティム・ロス)はヘレン(キャサリン・マコーマック)と結婚していました。マーティンは、仕事である音楽コンクールの審査員の仕事に向かいます。彼はバイオリニストのピーターに注目しました。それはピーターがドヴィドルを思い出させる存在だからでした。
(1930年代)ユダヤ系でポーランド出身のドヴィドル(ルーク・ドイル)は、バイオリニストであるギルバートの前でバイオリンを演奏し、その才能が注目されます。ユダヤ人ということで難色を示されながらも、ギルバートはドヴィドルをマーティン(ミシャ・ハンドリー)とともにイギリスで英才教育することにします。ドヴィドルはポーランドへ向かう親と別れます。マーティンはドヴィドルとのライバル意識が芽生え、そりが合わずに喧嘩してしまいます。
(1986年)マーティンは、ピーターに会います。マーティンはピーターが誰からバイオリンを習ったのか気になる様子。ピーターは、ビリーから習ったと言い、マーティンを町でバイオリンを弾く彼の元へ連れていきます。マーティンはビリーに興味をもち話を聞くと、1952年にドヴィドルらしき男からバイオリンを習ったと聞き興奮します。ビリーは「その男は故郷のポーランドに行ったのでは?」と言います。
(1939年)ドイツ軍のポーランド攻撃による第2次世界大戦開始のニュースが流れます。ドヴィドルはポーランドにいる家族を心配します。マーティンとドヴィドルは、喧嘩しながらも友情が芽生えた様子。2人は、町を自転車で散策します。ドヴィドルはジョセフというポーランド人に会います。
(1986年)マーティンは「ドヴィドルは1952年にはロンドンにいた」とヘレンに言います。ヘレンは呆れながら「ドヴィドルを探すのね」と言います。
(1940年代)戦争中もマーティンとドヴィドルはバイオリンの練習をします。2人は、ドイツ軍の空襲で防空壕に逃げこみ、そこでドヴィドルはジョセフに会い、2人でバイオリンを弾いて拍手を浴びます。翌日、マーティンとドヴィドルは町を散策し、空襲の惨状を目にします。
天才ヴァイオリニストと消えた旋律のネタバレあらすじ:承・マーティンのドヴィドル探しの旅
(1940年代)ドヴィドルはユダヤ教の寺院で犠牲者を弔う集会に参列します。ドヴィドルの誕生日に、ギルバートはガリアーノ製のバイオリンをプレゼントします。ドヴィドルは大感激しますが、マーティンは複雑な表情を見せます。
(1986年)マーティンはワルシャワ空港に向かいます。彼はタクシーでホテルへ行き、電話でドヴィドルのことを聞きます。
(1940年代)戦後、ギルバートはポーランドに向かい、ドヴィドルの家族の消息を調べます。彼はイギリスに帰りますが、ドヴィドルの家族はワルシャワにはいなかったと言います。ギルバートはドヴィドルの家族は「トレブリンカ(ユダヤ人強制収容所)に行ったのでは?」と話します。また、ギルバートはジョセフをポーランドへ連れて行ったが、彼の家族は殺されたと言います。
(1940年代)ドヴィドルとマーティンは家族の昔の写真を見ます。また2人は、家族を殺されたショックからポーランドで精神病院に入れられたジョセフのことを話します。
(1986年)マーティンはジョセフのいる精神病院を見つけ、ジョセフを訪ねます。空襲のとき、バイオリンを弾いたことを話しますが、ジョセフは無言です。マーティンは病院関係者からジョセフの友達のアナを紹介され、アナはドヴィドルを知っているかもしれないと言います。
(1940年代)ドヴィドルはユダヤ教の寺院でユダヤ教を棄教します。マーティンは驚きます。
(1986年)マーティンはアナを訪ねます。アナはマーティンを家に入れます。彼女はドヴィドルはよく家に来たと話します。アナはドヴィドルはユダヤ人街に住んでいたと言いますが、突然失踪したのだと話します。また、アナはトレブリンカの収容所の跡地でもドヴィドルに会ったと言います。しかし、アナは失踪癖のあるドヴィドルを探すのをやめるよう言います。
天才ヴァイオリニストと消えた旋律のネタバレあらすじ:転・マーティンとドヴィドルの再会
(1986年)、アナはマーティンをトレブリンカへ連れて行きます。彼女は、ドヴィドルの家族はここで殺されたと言い、墓を歩きます。アナはドヴィドルはポーランドから突然と姿を消したが、彼の飛行機はニューヨーク行きだったと言います。また、ガリアーノのバイオリンを売る話をしていたと言います。マーティンはイギリスに帰り、ヘレンに会い、ニューヨークへ行くと話します。しかしヘレンは時間の無駄だと言います。
(1940年代)ドヴィドルはユダヤ人の会合でバイオリンを演奏します。マーティンはヘレンをドヴィドルに紹介します。3人はイスラエル建国について話し、ユダヤ人の長い歴史を語ります。
(1986年)ヘレンは昔のドヴィドル失踪の新聞記事を読みます。また、古いレコード盤、そしてキャンセルされたコンサートのプログラムを発見します。
(1951年)ドヴィドルとマーティンはコンサートのリハーサル中、楽しそうに話します。コンサートまで数時間あるため、ドヴィドルはどこかへ出かけます。
(1986年)マーティンはニューヨークを訪れ、バイオリン店を片っ端から訪れます。そのうちの一軒で、ガリアーノ製のバイオリンを売ろうとした女性がいたことを聞きます。マーティンはその女性の住所を聞き出します。マーティンはその女性の住所を訪れます。女性は子供に、夫を連れてくるように言います。その男はドヴィドル(クライヴ・オーウェン)でした。
マーティンとドヴィドルは車で出かけますが、マーティンはドヴィドルを車中で殴ります。彼は「なぜ消えた?バイオリンを教えた父の恩を忘れたのか?父はコンサートのキャンセルですべてを失った!そして、2ヶ月後に死んだ!」と怒ります。ドヴィドルは失踪の真相を話しはじめます。
(1951年)コンサート前にドヴィドルはバスでユダヤ人街を訪れます。ドヴィドルはポーランドの家族のことを聞くと、ユダヤ人街の男は彼を寺院へ連れていきます。
ユダヤ教の寺院で聖職者は、ユダヤ人の戦争犠牲者の歌を歌い、その犠牲者の中には、ドヴィドルの家族も含まれていました。ドヴィドルは泣き出します。ドヴィドルは再びユダヤ教徒になり、生涯にわたり、犠牲者の歌をバイオリンで弾くことを誓ったと、マーティンに告げます。
(1986年)ドヴィドルは、コンサートはもう重要ではなく戻らなかったと話します。しかし、マーティンはキャンセルされたコンサートを35年ぶりに開くことを求めます。ドヴィドルはすぐには返事をしませんでした。
天才ヴァイオリニストと消えた旋律の結末:35年ぶりのコンサート
(1986年)マーティンはホテルでドヴィドルから電話を受けます。2人はコンサートの件を話すことにします。マーティンはヘレンを連れて、ドヴィドルとユダヤ食のレストランで会います。ドヴィドルは35年前のプログラムを見せ、前半はオーケストラとの演奏、後半は単独演奏でやりたいと話します。
コンサート前、ドヴィドルはマーティンへの手紙を書いています。コンサート当日、マーティンとヘレンはドヴィドルが現れないため「また失踪か?」と心配します。しかし、彼は現れました。
ドヴィドルは前半のオーケストラ演奏を無事に終え、大きな拍手を浴びます。後半はソロでの演奏、彼はユダヤ人の犠牲者、彼の家族を弔う曲を演奏します。マーティンは死んだ父を思い出し、ドヴィドルは精神病院でのジョセフへの演奏、トブリンカでのユダヤ人犠牲者へ演奏したことを思い出します。演奏終了後、観客は立ち上がり拍手をおくります。
マーティンとヘレンがホテルに戻ると、ドヴィドルからの手紙を見つけます。手紙の内容は「コンサートを35年前にキャンセルしたことへの謝罪、コンサート開催で借りは返したこと、再び、世捨て人のような生活をしたいので、もう探さないでくれ、自分は死んだと思ってくれ」という内容でした。
マーティンはヘレンと今後のことを話します。ヘレンはもうドヴィドルを一人にしたら?と話します。マーティンは、カディシュ(ユダヤ教の賛美歌)を読み、ドヴィドルを死んだと思うのでした。
以上、映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」のあらすじと結末でした。
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