UDONの紹介:2006年日本映画。松井香助は「世界中を笑わせるコメディアンになる」という夢を持って、アメリカへ向かった。しかし、アメリカのニューヨークでクビになり、借金を背負ったまま、帰国する。香川に戻った香助はタウン誌の編集者・宮川恭子と運命的な出会いを果たす。香助はタウン誌に就職することになった。タウン誌の売り上げを伸ばすため、香助はうどんの特集記事を企画する。そのコラムにより、うどんの一大ブームが起こる。香川県の「うどんブーム」を作るきっかけになった意欲作。
監督:本広克行 出演:ユースケ・サンタマリア(松井香助)、小西真奈美(宮川恭子)、トータス松本(鈴木庄介)、鈴木京香(藤元万里)、要潤(青木和哉)、小日向文世(藤元良一)、池松壮亮(水沢翔太)、ムロツヨシ(石松)、ほか
映画「UDON」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「UDON」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
UDONの予告編 動画
映画「UDON」解説
この解説記事には映画「UDON」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
UDONのネタバレあらすじ:起
松井香助(ユースケ・サンタマリア)は「世界中を笑わせるコメディアンになる」という目標をもって、香川県で製麺所を営む実家を飛び出して、アメリカのニューヨークへと旅立ちました。しかし現実は香助の思っているようにはいかず、借金を背負ったまま、実家へと戻ってくることになったのでした。
香助が帰って来たことで、地元の友人や後輩などは歓迎しますが、香助の父・拓富は冷たくあしらい、親子の間には確執が出来ていました。香助は車で移動中、山でガス欠になってしまいます。そこで、同じく迷子の宮川恭子(小西真奈美)と運命的な出会いを果たします。
山の中で偶然出会った2人の乗った車は崖から転落し、なんとか助かった2人が歩いて見つけたのは、こじんまりとした一軒のうどん屋でした。
香助は友人の庄介(トータス松本)に「借金を返してアメリカに帰る」と伝えます。庄介はそれならと香助にタウン誌のアルバイトを紹介し、会社に出向いた香助は編集長の口車に乗せられるような形で働くことになります。そのタウン誌の会社には恭子も勤めており、香助たちは地元の弱小タウン誌をどうにか売れるようにと本屋を訪ねるのでした。
香助は本屋で見かけた旅行者がつぶやいていた、「讃岐なのに、うどんに情報が載ってない」という言葉を聞いて何かを思いつきます。地元の人も知らないようなうどん屋を取材して記事にすることで、地元の人や他県から来た人にも広まるような雑誌が作れるのではと考えるのでした。
UDONのネタバレあらすじ:承
取材に基づいて雑誌を制作していく香助たちでしたが、他誌と同じようなグルメ雑誌にしてしまっては讃岐うどんの良さが出ないのではと話します。香助や庄介は普通の記事ではなく、苦労してたどり着くことでうどんの美味しさを堪能できるような、変わった記事を書くことにしました。あえてうどんや店の写真を外したり、地図をアバウトにするなどのアイデアが飛び出し、恭子にも雑誌的な文章ではなく友達に勧めるような文章を書いてくれと依頼するのでした。
最終的には「うどん巡礼記」というタイトルで、取材した店をコラム風に書き連ねることになり、記者たちはペンネームとして「麺通団」を名乗ることになります。他県からの讃岐うどん熱が高まっていたこともあり、次第にタウン誌は売れ始め、会社は大きくなっていきました。
そして本格的に讃岐うどんブームが到来し、讃岐うどんは全国放送でも取り上げられ、日本中から香川県に観光客が集まり、うどん屋はどこも行列を作るようになります。ついにはさまざまな讃岐うどんが味わえる「さぬきうどんフェスティバル」を開催することになり、お店だけでなくうどんを使ったイベントやグッズなどを用いて全国から人を呼び集め、大盛況のうちに幕を閉じるのでした。
タウン誌の大谷編集長はかつて四国と本州を結んでいた宇高連絡船の話をします。宇高連絡船にはうどんを食べることのできる売店があり、それはあまり美味しいとは言えなかったと話しますが、讃岐を出ていく人や帰って来る人々はみな、そのうどんを食べて故郷の味をかみしめていたと言います。
UDONのネタバレあらすじ:転
全国的な盛り上がりを見せていたうどんブームでしたが、客が増えることによって、効率的にうどんを作ろうとする店も現れ、麺通団はうどんの質が下がっていることに気がつきます。また他県から来た人々のマナーの悪さや多すぎる客をさばききれないお店も出てきたことで、うどんブームは静かに幕を閉じるのでした。
ブームの終焉とともにタウン誌の売れ行きも悪くなり、ついには廃刊となってしまいます。借金は完済していた香助ですが、それは督促が来ていたものを父・拓富が代わりに完済していたもので、香助は実家を訪れ、返済分のお金が貯まったことを報告します。
再びアメリカに行くと息巻いていた香助ですが、ここでの経験によってうどんの魅力に気がついた香助は父に「うどんの作り方を教えてくれ」と話し、店を継ぐ意思があることを話すのでした。
父が店にいると思い込んで話す香助でしたが父の姿は見当たらず、香助が拍子抜けしていると店の奥で父が倒れているのを発見します。親子の確執を埋めることができないまま、拓富は他界してしまうのでした。父が亡くなったことで松井製麺所は休業となり、父とともに店を営んできた姉の万理は店をたたもうとしていました。
しかし香助は自分がうどんを打つことを決意し、父の味に近づけられるようにと必死でうどん作りに取り掛かるのでした。恭子や万理の旦那の良一(小日向文世)らの助けも借りながら試行錯誤を続ける香助ですが、なかなか思うようなうどんを作ることはできません。
庄介は麺通団に声をかけ、松井製麺所の特徴に近い店をまわり、製法や材料について取材を行なうのでした。これによって完成したうどんはかつての松井製麺所の味に近いものとなり、万理からもお墨付きをもらえます。
UDONの結末
松井製麺所は地元の子供たちからも人気のあるうどん屋で、突然休業となってしまった店主の身を案じて、いつしか張り紙に書き込みが加えられるようになり、それは日に日に増えていきました。誰かが用意したノートには寄せ書きのように多くのうどんファンからのメッセージも寄せられ、たくさんの人が松井製麺所のうどんを心待ちにしていたのでした。
香助は夢枕に出てきた父と話し、親子2人きりで会話をします。うどん屋を継ごうと思っていることを話そうとする香助に、父は夢を追うことを勧め、去っていくのでした。
香助は自分で作ったうどんを、父が生前に卸していた小学校に持って行き、ふるまいました。子どもたちはおいしそうに、うどんを食べ、その様子を見ていた香助は父の偉大さを知るのでした。
香助は自分の夢を叶えるために、讃岐からアメリカへと旅立ちます。松井製麺所は「松井うどん」として香助の姉夫婦が引き継ぎ、再開を聞きつけた人々によって店は大繁盛となるのでした。
以上、映画「UDON」のあらすじと結末でした。
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