嘘八百 京町ロワイヤルの紹介:2020年日本映画。幻のお宝をめぐり、中井貴一扮する古物商と佐々木蔵之介扮する陶芸家が騙し合いの大騒動を繰り広げるコメディのシリーズ第2作です。前作で幻の千利休の茶器を巡って一大勝負を繰り広げた古物商と陶芸家は、今度は京都を舞台に伝説の武将茶人・古田織部の幻の茶器にまつわる大騒動を巻き起こします。
監督:武正晴 出演者:中井貴一(小池則夫)、佐々木蔵之介(野田佐輔)、広末涼子(橘志野)、友近(野田康子)、森川葵(大原いまり)、山田裕貴(牧野慶太)、坂田利夫(よっちゃん)、前野朋哉(野田誠治)、木下ほうか(西田)、宇野祥平(材木屋)、塚地武雅(田中四郎)、桂雀々(後醍醐)、吹越満(青山一郎)、坂田聡(内村)、ブレイク・クロフォード(ピエール)、冨手麻妙(マリ)、山田雅人(番頭)、浜村淳(ギャラリーオーナー)、国広富之(橘正志)、竜雷太(億野万蔵)、加藤雅也(嵐山直矢)ほか
映画「嘘八百 京町ロワイヤル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「嘘八百 京町ロワイヤル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
嘘八百 京町ロワイヤルの予告編 動画
映画「嘘八百 京町ロワイヤル」解説
この解説記事には映画「嘘八百 京町ロワイヤル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
嘘八百 京町ロワイヤルのネタバレあらすじ:起
前作『噓八百』で伝説の茶人・千利休の幻の茶器にまつわる一大勝負を繰り広げた古物商「獺(かわうそ)」の小池則夫(中井貴一)と、陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)。ある日、京都に店を構える則夫の元にテレビ番組「あなたのお宝見せてえな」の取材が入りました。
店では則夫の娘で人気占い師の大原いまり(森川葵)の占い目当ての行列ができており、取材に訪れたベテラン鑑定家の億野万蔵(竜雷太)と“陶芸王子”との異名を持つ牧野慶太(山田裕貴)は行列をかき分けながら店内に入り、則夫は佐輔の作った自慢の茶碗を鑑定してもらいました。ところが、億野が出した鑑定結果は何とたったの5000円であり、則夫はテレビカメラの前で赤っ恥をかかされてしまいました。
その頃、佐輔はギャラリーで自らの作品の展示会を開いていました。ところが、テレビで佐輔の茶碗の鑑定結果が出るなり客足はすっかり遠のいてしまい、ギャラリーのオーナー(浜村淳)からは展示会の打ち切りを告げられてしまいました。そんな折、贋作の名人である佐輔の腕を見込んである人物から100万円で茶碗を作ってほしいという依頼がありましたが、何やらきな臭いものを感じた佐輔は依頼を断りました。
一方、則夫の店には橘志野(広末涼子)という女性客が訪れていました。彼女の美貌にすっかり虜になった則夫に、志野は1枚の写真を見せてきました。それは千利休の後継者といわれた安土桃山時代の武将茶人・古田織部が本阿弥光悦に贈ったとされる織部焼の茶碗“はたかけ”でした。
嘘八百 京町ロワイヤルのネタバレあらすじ:承
“はたかけ”は志野の父の形見だったということですが、ある日、道具屋を名乗る人物が認知症を患う志野の母の元を訪れ、“はたかけ”を騙し取っていったというのです。志野は急いで警察に被害届を出すも、未だに手がかりがつかめないというのです。
志野の話を聞いた則夫は、20年程前に“はたかけ”の贋作を作ったことのある佐輔に再び“はたかけ”の贋作を作らせると共に、同業者のピエール(ブレイク・クロフォード)に依頼して本物の“はたかけ”の在り処を調べてもらいました。その結果、本物の“はたかけ”は古美術店「嵐山堂」にあり、その価格は何と5000万円もすることが判明しました。
則夫は佐輔に作らせた“はたかけ”の贋作を志野に渡しました。ところが、志野はその“はたかけ”をネットオークションに出品してしまい、騙されたことに気付いた則夫と佐輔は志野の後を尾行したところ、志野が高級クラブで働くホステスであることを突き止めました。
志野は則夫と佐輔を騙したことを認め、京都に昨年オープンしたばかりの「国立古美術修復センター」の話をしました。ここは疵のついた古美術品を預かり、修復して返すというところなのですが、実際は贋物を大量に作って裏で横流ししているということでした。志野はこの話には「嵐山堂」が一枚噛んでおり、甘い汁を吸っているのだと語りました。
志野の父はかつて「嵐山堂」に先代である創業者の時代から仕えていましたが、現在のトップである二代目の嵐山直矢(加藤雅也)が家督を継いだ際に疎んじられて店を追われたというのです。先代の頃は堅実な商売をしていた「嵐山堂」が贋作を裏で流すようになったのは直矢が二代目になってからということでした。
嘘八百 京町ロワイヤルのネタバレあらすじ:転
則夫と佐輔は、先日のテレビ番組で自分たちの評判を貶めた億野と牧野が直矢のお抱えの鑑定家であることから、志野と手を組んで「嵐山堂」にひと泡吹かせてやろうと考えました。そこで則夫はテレビ局に努める友人の青山(吹越満)を介して内山ディレクター(坂田聡)を紹介してもらい、テレビ番組「お宝一期一会」に直矢一派を連れ出そうと考えました。
内山ディレクターは「嵐山堂」と交渉し、東本山寺の渉成園を会場に茶会を開き、そこで「嵐山堂」が所蔵する本物の“はたかけ”を生放送で披露してほしいと依頼しました。その一方で佐輔は再び“はたかけ”の精巧な贋作を数個作りました。則夫はまたしても贋作を作る羽目になった佐輔に、いずれ後世の人たちが評価してくれると励ましますが、佐輔は笑いながら自分が生きているうちに評価されたいと返しました。
則夫は番組スタッフを雇い、本番に向けての準備を進めていきました。“はたかけ”についての知識を学んでいるうちに、則夫と佐輔は「嵐山堂」先代当主で直矢の亡き父が知人のよっちゃん(坂田利夫)に瓜二つであることに気付きました。そこで則夫と佐輔はよっちゃんに嵐山の先代を演じさせ、父を恐れている直矢を驚かせようという計画も同時進行で進めていきました。則夫と佐輔は嵐山の先代の筆跡そっくりの手紙を直矢に送り付け、それを見た直矢は案の定非常に怯えました。
嘘八百 京町ロワイヤルの結末
そしていよいよ「お宝一期一会」生放送の日がやってきました。遂に「嵐山堂」が所蔵する本物の“はたかけ”がテレビカメラの前で披露され、志野は“はたかけ”で茶を点ててみせました。億野が“はたかけ”を見て大絶賛した直後、あらかじめ則夫と佐輔が仕込んでおいたいくつもの“はたかけ”が並び、その場は大混乱に陥りました。
テレビ局側が一旦CMを入れて事態の収拾にあたるなか、則夫は直矢に贋物作りの件を問い詰めました。直矢はその場に現れた父そっくりのよっちゃんの姿を見て怯え出し、更には牧野が自分も「嵐山堂」の贋作作りに関与していたことを認めてしまいました。騒動はこれだけでは終わらず、今度は億野が牧野に出来レースで賞を獲らせたことをバラしてしまい、挙げ句の果てには逮捕状を持った警官隊(実は番組スタッフが変装したもの)が乗り込み、則夫や佐輔は茶碗を持って逃亡、直矢は警察に逮捕されました。その後、直矢は警察に大金を握らせて解放してもらいました。
一仕事を終えた則夫や佐輔たちは居酒屋「土竜」に集まって打ち上げを開きました。そこへ先程の警察官に扮したスタッフが現れ、まんまと直矢から巻き上げた金をスタッフ全員で山分けしました。
則夫や佐輔は逃げる際に、どさくさに紛れて本物の“はたかけ”を持ってきていました。父の無念を晴らすという最大の目的を果たした志野は別に“はたかけ”を手に入れるためにやったわけではなく、志野は気前良く則夫に“はたかけ”を渡しました。
後日、志野は小学生の息子とともに豪華客船に乗り込もうとしていました。志野の手には、則夫たちに渡したはずの“はたかけ”が握られていました。そこに則夫が現れ、自分の正体を知られたのではないかと勘づいた志野は則夫に自分と組まないかと持ちかけました。則夫は一瞬その気になりかけましたが、そこに佐輔がやってきたために則夫は我に返り、佐輔と共に志野を見送りました。
志野は船内で自分の手にしている“はたかけ”が実は贋作であることに気がつきました。実は則夫と佐輔はテレビ収録の事前にすり替えており、本物は収録には出ていなかったのです。一杯くわされたと感じた志野。実は志野と息子は本当の親子ではなく詐欺師コンビでした。志野は新たな土地でまた稼ごうと意気込みました。
その後、本物の“はたかけ”は則夫が「嵐山堂」の悪事の証拠を掴んでゆすったことにより、美術館に寄贈されることとなりました。牧野は陶芸教室でのバイトから再出発していました。佐輔は引き続き個展を開き、則夫はいまりから「そのうち良いことがある」と占いを受けました。
以上、映画「嘘八百 京町ロワイヤル」のあらすじと結末でした。
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