焼肉ドラゴンの紹介:2018年日本映画。何があっても、本気でぶつかり、本気で生きた…。2008年に日本の新国立劇場と韓国の芸術の殿堂のコラボレーションにより実現した舞台劇を、演出を手掛けた鄭義信が自ら監督と脚本を務めて映画化した人間ドラマです。大阪万博前後の大阪の一角にあったコリアンタウンを舞台に、焼肉屋を営む一家の物語を描きます。
監督:鄭義信 出演者:真木よう子(静花)、井上真央(梨花)、大泉洋(哲男)、桜庭ななみ(美花)、大谷亮平(長谷川豊)、ハン・ドンギュ(尹大樹)、イム・ヒチョル(呉日白)、大江晋平(時生)、宇野祥平(呉信吉)、根岸季衣(美根子)、イ・ジョンウン(英順)、キム・サンホ(龍吉)ほか
映画「焼肉ドラゴン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「焼肉ドラゴン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
焼肉ドラゴンの予告編 動画
映画「焼肉ドラゴン」解説
この解説記事には映画「焼肉ドラゴン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
焼肉ドラゴンのネタバレあらすじ:起
日本中が高度経済成長に沸いた時代、大阪・伊丹空港近くの河川敷の国有地は実質上在日韓国人・朝鮮人の不法占拠下にあり、コリアンタウンが形成されていました。その一角にある焼肉店「焼肉ドラゴン」はいつも常連客で賑わっていました。
焼肉ドラゴンの主人・龍吉(キム・サンホ)は第二次世界大戦で左腕を失い、故郷・済州島を追われてこの地に流れ着きました。龍吉には前妻の間に長女・静花(真木よう子)と次女・梨花(井上真央)、そして再婚した現在の妻・英順(イ・ジョンウン)の連れ子・美花(桜庭ななみ)、そして龍吉と英順の間に生まれた長男・時生(大江晋平)と4人の子供がいました。「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」これが龍吉の口癖でした。
焼肉ドラゴンのネタバレあらすじ:承
1969年の春。梨花は店の常連客・哲男(大泉洋)と結婚することになり、焼肉ドラゴンでは結婚記念パーティーの準備が行われていました。そこに梨花と哲夫が言い争いしながら帰ってきました。哲男が市役所の担当職員と喧嘩し、怒りのあまり婚姻届を破り捨ててしまったのだというのです。梨花にとっては、哲男と静花が幼馴染同士であり、一時期恋人に近い関係だったことが気に入らないのです。
夏。一家は役所から立ち退き命令を受けていました。これから“日本人”として生きていくようにと有名私立中学に入れた時生はその出目を理由にいじめに遭っており、やがて不登校になっていきました。一方、梨花と哲夫は何とか夫婦になったものの、哲男はなにかと理由をつけて定職に就かないヒモ状態となっており、梨花は焼肉ドラゴンで親と一緒に働いて家計を支えていました。梨花と哲男との関係はギクシャクしており、その様子を見ていた静花は心を痛めていました。
焼肉ドラゴンのネタバレあらすじ:転
かねてから静花に想いを寄せていた韓国人の尹大樹(ハン・ドンギュ)は彼女に近づき、哲男は強烈な対抗意識を燃やしました。一方の梨花も店の常連客の呉日白(イ・ジョンウン)と関係を持ってしまい、梨花と哲男の夫婦仲はより一層悪化していきました。
秋になり、時生へのいじめは益々加熱し、時生は失語症を患ってしまいます。一方、歌手になるという夢を持ち、ナイトクラブでホステス兼歌手をしている美花は、既婚者であるクラブ支配人の長谷川豊(大谷亮平)と不倫関係に陥っていました。そこへ長谷川の妻・美根子(根岸季衣)が現れ、美花との浮気をなじると長谷川に対して絶対に離婚しないと言い捨てて去っていきました。
梨花はなおも日白との関係を続けており、もはや結婚生活は破綻していると感じた哲男は遂に静花への想いを梨花の前でぶちまけてしまいます。そして哲男は恋のライバルである大樹とマッコリの呑み合戦に応じました。
焼肉ドラゴンの結末
冬になり、静花は大樹との婚約を決めていましたが、既に北朝鮮へ帰国事業で移住することを決意していた哲男は思い切って静花についてきてほしいと想いを打ち明け、静花はその想いを受け止めて哲男についていく決心をしました。そんな時、一家に悲劇が訪れました。留年の決まっていた時生は龍吉からそれでも学校に行けと言われ、橋から川に身を投げて自殺してしまいました。このことで一家には重苦しい空気が流れました。
世間が大阪万博に沸いた1970年の夏。美根子との離婚が成立した長谷川は美花との再婚を決意しました。役所からの立ち退き命令はより一層厳しくなり、龍吉は立ち退き要請に現れた市役所の職員に対して遂に感情を爆発させ、戦争で失った腕を帰せ、息子を帰せと大声で泣き叫び、一家はただ黙って涙を流しながら見つめることしかできませんでした。
1971年の春。遂に焼肉ドラゴンは取り壊されました。静花は哲男に付き添って北朝鮮へと旅立ち、梨花と日白は韓国へ移住、美花は長谷川と結婚してスナックを開き、一家はそれぞれの地へと離散していきました。龍吉は英順をリヤカーに乗せ、春の風を感じながら新たな土地へと旅立っていきました。
以上、映画「焼肉ドラゴン」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する